赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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Prolog

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大学院生として新たな出発したのは親の反抗の為
何なら博士を取るまで後5年は大学に居座ってやろうかとも思う。

俺が両親と離されたのは物心着く前。
写真の中の顔なら知ってるが今の顔は知らない。
会いにも来ない両親はエリートだがなんだから知らないが、俺の養育費だけは出すと弁護士を通して契約して俺が学生の間だけはPRIDEにかけて出し続けるだろうと祖父母の言葉に、ならばと 俺は大学院に進学を決めて弁護人に伝えた次の日には両親共々わかったの事。
会いにも来ないが 放置もあんまりだと俺は遅すぎる反抗期を迎えてる。


そんな俺は今 晴天の中 慣れた岩場で磯釣りを楽しんでた。

今日のお目当ては、ちょっと遅くなったけど シマアジ、まだまだ美味い筈だ。くってくれねぇーかなぁー、シマアジちゃんっと。

オットー この引きは大物の予感!

なるほど~コレは今からが美味い 鯛だな!
ほーら おいでなすったァ~、ウォー流石サクラ鯛と言われるだけ有りますねぇ、色良し形も良し。タモタモ ~、ほらよっと。
 50にはちょっと足りなかったか。
でも、まぁあ上出来だな。

じいちゃん 喜ぶだろうな~。

釣り上げた鯛は素早く絞めてクーラーボックスに仕舞いウェットチッシュで手を拭いてると晴天だった天気が 一気に雨雲に変わり 雷雨が轟 海が荒れた。
その時間 3分も無かった。

ライフジャケットは着てるが片付けもままならないと道具は岩場の隅にひとまず置いて 俺だけは避難しようと岩場を登る。

「おーい 兄ちゃん こっち側が安全だ」

「ありがとうございまーす」

どんどん 酷くなる雨と雷。

この岩場を登ればひとまず安心と思った矢先ザッバーン と大波が岩場に打ち付け 引いた場所には俺はいなかった。

「おーい兄ちゃーん。返事しろー。おーい」

知らないおじさんが俺を何度も呼ぶが ライフジャケットを着てる俺は海の底に沈んでいった。









「うぅぅぅ・・・・ココ どこ?」

「あっ 良かった。いつ目覚めるのかと 心配しておりました」

「あぁぁ そうなのか・・って・・・どこ?」

てっきりどこかの浜にでも打ち上げられてると思っていたがどうも違う様だ。

ガランとした真っ白な空間。

「 誰?」

着てる服からして可笑しい、どこから見ても貫頭衣・・・今の時代にこんなの着る奴居るのか?答えは 否 !

「アースの神をやってます、ララと申します。私共の手違いで貴方を死なせてしまいました。申し訳ありません」

なんの冗談だ?神様?それよりも気になるの言葉が・・・。

「手違い?」

「はい!岩場で貴方を呼んでたおじさんが居ましたよね?本来はあのおじさんがコチラに来てもらわないと行けないのに、なぜか 上手く行かないのです」

「はい?!ちょっと待ってね!あのおじさんが 俺の代わりにココに来ないと行けなかったと?」

「その通りです。あの方の寿命はもう尽きてるのですが、なかなかしぶとくて 死んでくれないので困ってます」

「俺も人違いで殺されて困ってます」

「あぁぁ、すみません!!コホン では、改めまして、本当に申し訳ありません。お詫びとして 貴方には1つの願い事を私が叶えて上げることが出来ます。なんでも仰って下さい」

「はっ?!勝手に人の命奪っておいて1つだけ?」

「すみません すみません 出来る限り叶えさせてもらいます」

「勝手に殺しといて できる限り?」

「何でもやらせていただきます。お詫びプランも考えておりますので」

「ヨシ!じゃまずは俺のじいちゃんとばあちゃん どうしてる」

「・・・すみません 意気消沈といった感じです」

「俺からのメッセージみたいなもの送れるか?」

「送れます」

「ヨシ!まずはじいちゃんにだ。
じいちゃん 俺を育ててくれてありがとう。じいちゃんがいてくれたおかげで 俺はさ寂しい思いをせずに毎日が楽しかった。俺はじいちゃんの孫で幸せでした。ありがとう

次はばあちゃんにだ。 
ばあちゃん毎日美味しいご飯ありがとう。特にばあちゃんが作る味噌汁は絶品だったよ。ばあちゃんが夜なべして作ってくれるマフラーや手袋があったから冬の寒い日でも暖かくして学校に登校出来た。俺はばあちゃんの孫で嬉しかったです。ありがとう 以上だ。」

これで、じいちゃんとばあちゃんにはお礼が言えたな。
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