白昼夢の中で

丹葉 菟ニ

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夏雨

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結果から、俺は絶叫マシンはダメだ。あんな物は乗り物じゃない。
平然としてるお兄ちゃんが不思議だ。

ベンチにグッタリと上半身だけを倒し お兄ちゃんの太ももに頭を乗せ 濡らしたハンカチを額に乗せてる状態だ。

「そろそろ大丈夫か?」

「ごめん もう少しこのままで」

「絶叫系じゃなく ゆっくりとした物に乗ろう」

「それ 賛成。あんなので笑顔になれる人が凄い。俺には無理」

瞑ってた目を開けるとスマホを構えてコチラに向けてるお兄ちゃんに なにしてんだ?と疑問に思ってると「鈴の初めての絶叫マシン記念」と 平然と言ってのけた。

「 かっこ悪い姿 撮らないでよ」

「いや、かなり可愛い。兄貴に送ればかなり悔しがるよ」

「そんなことない。それにこんな事してたら彼女に悪いしね」

膝を貸してもらってると思いだし そろりと起き上がり1人で座ると「あらら、残念 鈴の可愛い姿が撮れなくなった」と、よく分からない独り言を言ってる。彼女の存在を誤魔化された気分だ。
 
「彼女いないの?」

「平の安月給に彼女できると思うか?」

平の安月給でも 晃さんには劣るけど、男前だし背も高い、なによりも優しいからモテそうなのに いないのか。

「せい兄さんは?」

「ウチはお見合いよりも恋愛しろって感じだからな。今は聞かないから居ないな」

「家庭教師の其田先生が2人の事 気にしてたから」

「そうか。それは嬉しいけど 付き合ってる人がいます。って 答えといてくれ」

「聞かれたから"います。"って、答えといた」

「大丈夫なら あれしないか?」

恋愛話は興味無いのか それとも俺に知られたくないのか ニコッと笑い頭を撫でると、アレと指したのはレーンの上を自転車の様に漕いで進める乗り物だ。アレなら自分の加速度で進められるから大丈夫そうだ。

お兄ちゃんと二人で漕いでる中 器用に俺をスマホの写真で何枚も取るので俺も 2人で肩を寄せ合って写真に収めた。

ゴーカートやコーヒーカップと、余りスピードの出ないものを乗って遊び帰りが遅くなったので、夕飯はお兄ちゃんのオススメで食べて帰ってきた。ただいまと リビングに入ると晃さんとお母さんだけなのに、なぜか ピリピリした雰囲気で 不味い時に帰ってきたのかとも焦る。

「えっと ただいま?」

「おかえり。少し遅い帰宅だが 楽しかったか?」

遅いって まだ21時ちょっと過ぎだ、そんなに遅いとは思えないけど、反論できる雰囲気では無いし、楽しかったかと聞かれても、素直に楽しかったとは言いづらい。

「ごめん、夕飯までご馳走になってたら遅くなった」

「遅くなりすみません」

俺が謝る横で頭を下げたお兄ちゃんも俺と同じ思いなのだろう。

「謝らなくても良いのよ。楽しかった?」

「えぇ、お土産を買ってきたので皆さんでどうぞ」

お母さんだけはいつも通りのマイペースで助かった。兄ちゃんがお土産をお母さんに渡すので俺も便乗してお土産を渡した。

「俺もお土産も買ってきたんだ」

「ありがとう。明日のおやつにいただきましましょう」

「では、俺はあしたが早いんで、おじゃましました」

「何時でも遠慮なく遊びにいらしてね」

玄関まで見送りに出て、軽い挨拶を交わして帰って行った。

「ふふっ、あの子もまだまだ 子供ね。余りにも手に負えなくなったら言ってね。じゃ、おやすみなさい」

あの子もまだまだ子供?って!晃さんのこと?!晃さん29歳の立派な大人なのに、子供?!母親からしたら何時まで経っても子供は子供ってこと?
意味がわからわからず 悩んでると、フワッと甘い匂いと身体が浮いた感じから直ぐに晃さんだと分かったけど いきなり過ぎて心許なく咄嗟に身体をひねって晃さんに抱き着いた。

「まずは風呂に入ろうな」

俺の首筋に顔を近づけてクンクンと臭いを嗅ぎながらそのまま脱衣場でサッサっと服を脱がされ風呂場に押し込まれた。
確かに 風呂には入りたかったから文句は無いのでシャワーの蛇口を捻った時に「入るぞ」と一言 言って晃さんが全裸で入って来た。

「え?一緒に入るの?」

「問題でもあるのか?」

全裸で仁王立ちの腕組みって、 ぜんぜん似てないけど迫力がある 金剛力士像を見てるみたい。

「ない、けど」

金剛力士像の下半身はちゃんと隠れてるし腕組みはしてないけど。迫力だけは負けてない晃さんに逆らったダメな気がする。

「洗ってやる、頭 下げろ」

シャワーの蛇口を捻り お湯の温度を手で測り髪を濡らしてくれる晃さんに恥ずかしいと思いながらも身を任せた。




「楽しかったか?」

後ろから抱きかかえてくれる晃さんがポツリと聞いてきた。 迷子の女の子を迷子センターに連れて行ったとか、絶叫系がダメだったけど ゆっくりとした物なら乗れることを話した。

「今日はお兄ちゃんとだったけど、俺 晃さんとも行きたい。その時はお弁当作るから一緒に食べよ」

「俺は 鈴と一緒にやりたいことがありすぎて 迷う。遊園地は勿論、水族館にキャンプにバーベキュー。花見やもう少ししたら紅葉狩り。旅行も国内や海外 どこへでも連れて行きたい。買い物にも とにかくやりたい事だけは語りきれない位にあるのに、鈴は他の人とやるのが許せない。俺のわがままだと分かっていても 嫉妬してしまう」

後ろからギュッと俺を抱き締めて語る声は落ち込んでる声に、俺は晃さんの手を握った。

「俺はおじいちゃんになっても、晃さんと一緒に居るつもりなんだけど、晃さんは違うの?」

「俺達は運命の番なんだ。離れられるわけないだろ」

なぜか何時もの晃さんとはちょっと違う気がする。不安になり晃さんの手を握る手にも力を入れながら 明るい声を出す。

「だったら時間はいっぱいあるだから ゆっくりやりたい事やって行こうよ。一気にやってしまうと 定年してから やりたいこと無くなっちゃうよ」

一瞬息を詰めたが、直ぐにクスクスと後ろで笑い始めてしまった晃さん。俺 変な事を言ったっけ?と悩む暇もなく、力強い晃さんにクルンと反転させられその間キスされてしまった。



風呂場でキスされてそのまま1回抱かれて 俺は疲れてるのに晃さんは元気なままなのだ。部屋に戻ってそのまま うつ伏せになり腰を高く持ち上げられ晃さんのぶっとい楔を深々と打ち付けられる。

「鈴 鈴 愛してる」

部屋の中はパンパンと肉が打つかる音とグチャグチュと非情によろしくない音で耳を塞ぎたいのに、晃さんは愛を囁いてくれるので耳を塞ぐことが出来ない以上に俺も晃さんに愛してるとちゃんと応えたい。

「ぅふ・・オレも・・あいしてる  あぁぁぁ・・・」

奥の奥まで捩じ込まれた楔。ヒート中では無いので そこにある子宮口は硬く閉ざし そのまま腹の物を押し上げられ苦しいのに 幸せを感じてしまうのは、初めて訪れた ヒート中に入り込んだ晃さんの物で中を満たし 愛され番にしてくれて家族になってくれた人。もっともっと愛されたくて、「晃さん キスして」と、甘えると 俺の大好きな笑顔で応えてくれる。思考が散漫になり、愛してるとしか思えなくなるから 話してる時に抱かれたくない。と、思ってしまう。いつかはちゃんと言わないとな。






目覚めると、隣に居るはずの晃さんが居ない。裸で動きまわるなて出来ないので、晃さんのシャツを借りて起き上がる。寝る前はベトベトだった筈なのに、綺麗になってるのは有難い。‪晃さんの性格か、それとも‪α‬特有の世話焼き好きなのか。後者だとすると、俺も慣れつつ有るのもΩ特有なのか、最初の頃に比べたら、若干フラフラしてるが動けてる自分が凄いと思う。

「動けてる俺ってすげぇ~」

「産まれたての小鹿の方がまだ安定感がある」

?・・・ちょっと待て?!

「晃さんが俺のヒートが待てずに無茶してくるからでしょ?ヒートでも無いのに 態々 ヤらなくても」

瞬時に壊れてブリキのおもちゃの動きをする晃さんは「ちょっと座ろうか」と、ベッドに座ってしまったので、俺も釣られて隣りに座った。

「鈴、正直に答えてくれ」

硬い声を出す晃さんは真剣そのものだ。ゴクリと生唾を飲み俺も真剣に答えた。

「うん、わかった」

「鈴は、ヒート以外のSEXはしたくないと考えてるのか?」

「どうだろう。考えたことない。でも、ヒートの時は確かに求めてしまう。けど、俺も一応は男だし晃さんは俺の番だけど、やっぱり男を抱いてるよりは女性を」

何をいいたいんだろ、理由が分からなくなる。自分で言ってて胸が苦しくなった。単純に晃さんが俺以外の人を抱く・・と思っただけで、涙が溢れてくる。見られたくなくて顔を伏せたが、晃さんに顔を上げさせられて目尻にキスしてくる。

「俺が鈴以外の人を抱くかもって思っただけで泣く奥さんを裏切るなんてことはない。俺はヒート以外の時でも、鈴を抱きたい。それも、欲を云えば毎日 抜かずの3発はやりたいし、鈴の肉襞に包まれて寝て起きたらそのまま突き上げぇぅぅ」

慌てて晃さんの口を手で塞いだ。とんでもない単語が・・・抜かず3発?!って、晃さんの1回は執拗く長い。それを3回!?それは俺にとって死刑宣告と一緒だ。それに、晃さんのモノを突っ込んだまま寝る?俺は地獄行きだ。起きてそのまま突く!死んでも尚 動けと・・・。
晃さんの性欲って・・・無限性欲なんですね。ふふっ、凄い俺、新しい四文字熟語が出来てしまった。無限に作られる性欲。略して無限性欲、こんな人を俺一人で相手してたら寿命が確実に縮まるかも。

今日にでも、お母さんに相談したい気分だ。 

「安心しろ願望をそのまま再現したら、ヒートでもない鈴の身体が持たいないのは良く分かってる」

おいおい、またサラッと怖い単語が混じってる。昨日に続き 今日の晃さん ちょっと怖いよ。

「ヒートならするつもりなの?」

「ヒートの時には鈴がして欲しい事を最優先にしてやる。奥さんに嫌われたくないからな」

至極当然って顔をされても、初めてのヒート時の俺は、良く覚えてない。晃さんを心から強く欲したこと、入れたらた時、項を噛まれた衝撃、後はひたすら 晃さんを求めたことくらいしか覚えてない。

「どうした?」

あまり良く覚えてないが、聞くのが怖い。

「えーっと、ヒート時に関する心構えをお母さんにでも聞いてみる。って、俺のヒートって何時だっけ?」

「次は約4週間後となるが2回目3回目のヒート時はまだまだ安定感してなくてズレる子が多い。10日以上ずれるなら病院に来いと先生い言われてただろ。俺も気を付けるから鈴も体調の変化が少しでも現れたら俺に連絡して、部屋に閉じこもってろ」

そうだった。先生に言われた事は晃さんがしっかりと覚えててくれるから助かる。って、そこじゃなくて、次のヒートが約4週間後とこかよく覚えてんのって、俺の心配からなのか、ヒートを嬉しみしてんのか どっちなんだろう。俺の心配してくれてる、って素直に思えなくて、疑う俺って嫌な奴なのかも。
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