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曇り時々飴
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逞しい想像力を働かせて、晃さんは金遣い荒いダメα擬き。結婚しても他の金蔓を見つけたら捨てられる。俺の前だけでは紳士に振る舞っていても、他にもわんさかと犠牲者が居る。俺は騙されて遊ばれてるだけ、本命はきっといる。など聞かされ、俺は優にうんざりしてしまいパフェを食べる気にもなく溶けていくアイスを見ながら、なんで?結婚を祝福してくれてるんじゃ無かったのか?もしかて、諦めさせるために呼び出されたのかと疑ってしまう。
だんだんと腹ただしくて思う気持ちと虚しさが募る俺にはお構い無しに、頻りに俺と気持ちを変えようとしてる優の言葉を遮る。
「あのさ、俺が高校に行くとしても 何も問題ないって伝えたつもりなのにさ、そこまで晃さんを悪者にして何がしたいんだよ」
「良いように利用されて そのうち鈴が捨てられるかもしれねぇ~って思うから、今の内に別れさせたい」
「晃さんはとても素敵な大人の男性だよ。それに、俺が晃さんから離れたくない。晃さんを必要としてるのは俺なんだ」
俺の気持ちが優に届く様に小さな子を諭す時の様に穏やかな声で優を真っ直ぐ見て話した。
「αは狡賢いからな、鈴はそぅ思い込まされてるだけだ、洗脳れてる」
ダメだ、何を言っても 優の中では晃さんは大悪党になってる。
「優さ、もし、俺がΩだったら晃さんとの結婚を喜んでくれた」
「鈴がなんだっていい。俺は ずっと鈴を見てきたんだ」
なんだっていい、か。確かに初めてあったあの瞬間から一途に惚れてる。一目惚れをして惹かれて晃さんの全てが欲しくなった。晃さんがなんだっていい、と思えた。きっと最初で最後の経験だ。この気持ちを伝えてるのに伝わならないもどかしさも募るから俺の中では いろんな感情が渦を巻く。
「優の事は一緒に育って来た仲間で兄弟にしか思えない。皆のことは好きだけど、晃さんだけにしか特別な好きを感じない」
たったひとつだけハッキリと分かるのが、俺って 何処まで行ってもバカだってことだ。昨日の今日で会うべきじゃなかった。優が結婚を祝福してくれる事を単純に喜んだ俺って 本物のバカだ。今でも、優に俺の気持ちを理解して欲しいと思う。
「鈴の好きな物や嫌いな物、鈴の癖。細かい所までお互い知ってんだ。俺の方が鈴を幸せにしてやれる自信がある」
確かにお互いのことは良くしてっる。園で一緒に育って来た仲間達は兄弟だ。好きだけど、それは仲間として兄弟としての好きだ。園で育って来た仲間達 皆 等しく思う気持ちだ。でも、晃さんに対しての好きは違う。晃さんの好きは 心がザワザワと煩く騒ぎ出す。好きだって、愛してるって叫び始める。晃さんに 抱きしめて欲しい キスして欲しい もっと俺を見てほしい 俺を欲しがって欲しい もっと一緒に居たい 欲張りな自分が出て来てしまう。
「そうだな。俺も優の好き嫌いも知ってるし癖も知ってる。当然だよな 一緒に育って来たんだから。だからって、俺の全部を知ってるとは限らない、お前にも人に言えない隠し事の1つや2つ 有るもんだろ。俺にもある。でも、晃さんとの間には隠し事なんて無いんだ。自分らしく居られる、とっても楽なんだ。俺には晃さんが必要なんだ。優にもいつか きっと 優に相応しい人と巡り会える、俺じゃない」
「俺が知らない鈴はないよ。あの いつも賑やかな園で隠し事なんて出来るはず無い。鈴 目を覚ませ、騙されてんだよ。鈴は人が良いから騙されてんだよ。鈴が傷つく前に別れた方がいい、辛いのは分かるけど その内忘れるから」
「忘れない。忘れられるわけない。俺には晃さんだけなんだ俺と晃さんはつぅ・」
店内の匂いが爽やかなレモンの香りで充満した。俺の大好きな匂いに包まれて妙な感情が静まる。
「こんにちは、俺との結婚を祝福してくれるって聞いて来たんだ、良かったな鈴」突然 現れた晃さんは当然の様に俺の隣にすわり 頭を撫でてくれる。
「あんたは 呼んでないけど」
「招待状は貰ってないが、ここはそんな物は必要無いだろ」
ファミレスに入るのに招待はなんて居らない。そもそも飲食店で一見お断りは高級店で、庶民には敷居が高すぎて入れない。
「場所と雰囲気と空気読んだら 歓迎されてないだろ」
ファミレスにαが来てしまってる時点で注目されてるし、雰囲気は晃さんを視線で追いまくりで俺まで巻き添えくってる。店全体で歓迎してるし 俺も落ち着けるので歓迎だけど、優だけが歓迎してない。
「場所な、客としては問題なし。雰囲気は視線は無視しよう。空気は君以外は問題なし。仕方ない」
俺の隣に座った晃さんは立ち上がり 隣の席に移ってしまった。早速と言わんばかりに メニューを広げると店員を呼ぶボタンを押せば、若い店員が競うように2人来てしまったが、晃さんは気にせずに「生姜焼き定食と俺の可愛い奥さんとそのお友達にチーズケーキを先に出してあげて」 奥さんの言葉で笑顔で注文を聞いてた店員も笑顔が固まり明らかにガッカリ感が凄まじく垂れ流し状態である。
「「畏まりました」」
来る時とは違い重い足取りで厨房に消えていった店員を見れば チラホラ居た客の反応も沈んでる。仕方ないよな、 立っているだけでオーラが違う こんなにも αらしいαが、庶民の味方のファミレスに居るんだ。もしかしたら 狙えるかもなんて浅ましい気持ちになるのもわかる。
どんよりと沈んでる雰囲気を諸共せずにテーブルに両肘を付き手の甲に顎を乗せてお気に入りのオモチャでも見る目で俺と優を交互に見てくる晃さんに戸惑う。
「鈴 出るぞ」
立ち上がり俺に一言 出るぞと言われても 俺は動くつもりは無い。
「チーズケーキを頼んだけど 嫌いだった?」
「今嫌いになった。鈴を騙せても俺は騙されない」
「いい加減にしろ。俺はなにも騙されてない。俺が晃さんと一緒に居たいんだ」
晃さんが来てしまった事で、店内中の人達に自分達がちょっとした修羅場だとわからせてしまったことに恥ずかしさが芽生えるが優に付いて行くわけにも行かないけ。
「あんたはαだ。その内 あんたに相応しい 綺麗な女性やΩに乗り換える。その時 鈴が邪魔になって捨てるに決まってる。俺は鈴が捨てられて泣いてる姿なんて見たくない」
「番を捨てられるαがいたら是非 お目にかかりたい」
「はぁ?あんた 頭おかしだろ。番なんてαの気まぐれで番えるし 破棄も出来る。αなんてその場の雰囲気で好き勝手し放題だろ。あんただって 1人に絞るつもりも無いから鈴を騙してんだ。夢見るのも良いけど現実見ろよ。鈴、お前が結婚するって言ってる奴は録でも無い奴だ。こんな奴と結婚しても幸せになれない、今すぐ別れ
パー--ン
余りにも酷い言葉で晃さんを罵る優の頬を平手で叩いてしまった。園で喧嘩もしてきた、掴み合いや殴たり叩いたりの喧嘩をして来たけど、どれもくだらない理由でぶつかり喧嘩に発展したもの。でも、今 優に感じてる怒りは 今までの物とは違う。上手く言葉に出来ないが悲しいと感じる。
「今の優は、お気に入りのオモチャを取られて駄々を捏ねてる子供と変わらない。それに、晃さんの事を何も知らないのに憶測だけで判断しないで。俺は晃さんと結婚する、晃さんの番は俺だけだ。晃さんに俺以外の番なんてつくらせないし、もし つくった日に離婚だ。俺が晃さんを棄ててやる」
「違う!俺は鈴の事を思って、結婚してからじゃ遅い!なぁ 目ぇ覚ませよ。こんな奴のどこがいぃんだよ、なぁ!!」
ぼろぼろと泣き始めてしまった優は、必死に俺に目を覚ませと訴える。
「勘違いしてるみたいだが、βは離婚しても人生をやり直せるが、番破棄は相手の人生を全てを奪い闇に落とす。β同士のコミュニティがある様に私達にだってコミュニティが有り、今の時代 番にそんな事をすれば 協力関係を失うリスクが大いにある。αにだってただ惚れただけの奴の人生を背負うなんて馬鹿げたマネはしない」
静かに語った晃さんの言葉も優に届いてるのか気になる。同じαならわかって良いはず。確かに優は頭の良い奴だったけど、俺にαだって言ったは俺の気を引きたくて付いた嘘なんだろうな。
「番 番うっせーよ。鈴はβだ。なっ!そうだろ?!」
「わかってんだろ優。俺は
「やだ!聞きたくない。ずっと ずっと好きだったんだ。久しぶりに会った鈴は、俺が知ってた頃よりも綺麗になってた。俺はやっぱり鈴が好きなんだって。それなのに、いきなり結婚するって聞いて 女の人なら適わないと思ってたのに、相手が男とか有り得ない。だったら俺でもいいじゃん」
聞き分けのない子供になってしまった優は俺に1歩 歩寄ってくるが俺は立ち上がり1歩引いてしまった。
「俺と晃さんは番なんだ、離れるなんて考えれない。俺は晃さんが居ないと思うだけで身体が引き裂かれる思いになるんだ」
「ずっと ずっと一緒に居たのに そいつを選ぶの」
「俺は晃さんを選ぶ」
力が抜けたように座り込んでしまった優。変わりに晃さんが立ち上がり俺の背中を押して外に出された。少しして戻って来た晃さんは俺の車に乗せて走らせた。
「鈴を仲間として兄弟だとして見てきた。1番近くにいてそれは分かってたはずだ。昨日の今日で冷静な判断が出来るはずもない。当分は会わないことだ」
「優は頭の良い奴だから 分かってくれたんだって思ったんだ。でも、違ってた。分かってた筈なのに、俺ってどこかで爪の甘さが出るんだよな」
帰り着いたのは晃さんの実家では無くて マンションだ。
「どうしてマンションの方なの」
「前に説明したと思うが最上階を見せてやってなかったと思ってな」
「最上階、確かに聞いたような」
最上階の部屋も気になるが、正直今は一人っきりになりたい気分なのに、晃さんはそんなことお構い無しに 俺の思いと真逆な行動とらされる。
「最上階は夫婦の部屋でも貸しに出してもいい。鈴がどうしたいのか意見を聞かせてくれ」
グングン上がって来たエレベーターが止まり開いた扉はの前にエントランスの前には扉が1つ。進められて入れば やっぱり広いリビング。対面式キッチンからダイニングにリビングに続いてる。13階のメゾネットは白いを基調として清潔感だが、コチラはダークブランでモダンな感じで どちらも好きだ。
「たしかに ゆとりだけはあるよね」
開けてもがらんとした部屋が2つ、3部屋目を開けておどろいた。
「えっと、フィトネスジムでも始めるの?」
エアロバイクやランニングマシーンに仰向けになって重量を上げたり 背筋を鍛えたりする器具が揃ってた。
「俺個人用だ」
「全部使うの?」
「ああ、全体的に鍛えるなら 最低限の物は揃えておきたいから」
「そうなんだ。ねぇ 俺も使っていい?」
「構わないが、むちゃだけはするなよ」
「ありがとう」
「ここが寝室だ」
やっぱりあった馬鹿でかいベッドが真ん中にドーンと置かれてた。
「やっぱりおおきい。何人で寝るつもり?」
「今までは一人で寂しく寝てたが、今は2人で寝る予定」
「ふーん」と、気のない返事をしながら次を開けると書斎になってた。
バス トイレ ウォーキングクローゼにシューズクローゼ 、パントリー、一部屋が大きく取られてた6LSDKになってた。
だんだんと腹ただしくて思う気持ちと虚しさが募る俺にはお構い無しに、頻りに俺と気持ちを変えようとしてる優の言葉を遮る。
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「晃さんはとても素敵な大人の男性だよ。それに、俺が晃さんから離れたくない。晃さんを必要としてるのは俺なんだ」
俺の気持ちが優に届く様に小さな子を諭す時の様に穏やかな声で優を真っ直ぐ見て話した。
「αは狡賢いからな、鈴はそぅ思い込まされてるだけだ、洗脳れてる」
ダメだ、何を言っても 優の中では晃さんは大悪党になってる。
「優さ、もし、俺がΩだったら晃さんとの結婚を喜んでくれた」
「鈴がなんだっていい。俺は ずっと鈴を見てきたんだ」
なんだっていい、か。確かに初めてあったあの瞬間から一途に惚れてる。一目惚れをして惹かれて晃さんの全てが欲しくなった。晃さんがなんだっていい、と思えた。きっと最初で最後の経験だ。この気持ちを伝えてるのに伝わならないもどかしさも募るから俺の中では いろんな感情が渦を巻く。
「優の事は一緒に育って来た仲間で兄弟にしか思えない。皆のことは好きだけど、晃さんだけにしか特別な好きを感じない」
たったひとつだけハッキリと分かるのが、俺って 何処まで行ってもバカだってことだ。昨日の今日で会うべきじゃなかった。優が結婚を祝福してくれる事を単純に喜んだ俺って 本物のバカだ。今でも、優に俺の気持ちを理解して欲しいと思う。
「鈴の好きな物や嫌いな物、鈴の癖。細かい所までお互い知ってんだ。俺の方が鈴を幸せにしてやれる自信がある」
確かにお互いのことは良くしてっる。園で一緒に育って来た仲間達は兄弟だ。好きだけど、それは仲間として兄弟としての好きだ。園で育って来た仲間達 皆 等しく思う気持ちだ。でも、晃さんに対しての好きは違う。晃さんの好きは 心がザワザワと煩く騒ぎ出す。好きだって、愛してるって叫び始める。晃さんに 抱きしめて欲しい キスして欲しい もっと俺を見てほしい 俺を欲しがって欲しい もっと一緒に居たい 欲張りな自分が出て来てしまう。
「そうだな。俺も優の好き嫌いも知ってるし癖も知ってる。当然だよな 一緒に育って来たんだから。だからって、俺の全部を知ってるとは限らない、お前にも人に言えない隠し事の1つや2つ 有るもんだろ。俺にもある。でも、晃さんとの間には隠し事なんて無いんだ。自分らしく居られる、とっても楽なんだ。俺には晃さんが必要なんだ。優にもいつか きっと 優に相応しい人と巡り会える、俺じゃない」
「俺が知らない鈴はないよ。あの いつも賑やかな園で隠し事なんて出来るはず無い。鈴 目を覚ませ、騙されてんだよ。鈴は人が良いから騙されてんだよ。鈴が傷つく前に別れた方がいい、辛いのは分かるけど その内忘れるから」
「忘れない。忘れられるわけない。俺には晃さんだけなんだ俺と晃さんはつぅ・」
店内の匂いが爽やかなレモンの香りで充満した。俺の大好きな匂いに包まれて妙な感情が静まる。
「こんにちは、俺との結婚を祝福してくれるって聞いて来たんだ、良かったな鈴」突然 現れた晃さんは当然の様に俺の隣にすわり 頭を撫でてくれる。
「あんたは 呼んでないけど」
「招待状は貰ってないが、ここはそんな物は必要無いだろ」
ファミレスに入るのに招待はなんて居らない。そもそも飲食店で一見お断りは高級店で、庶民には敷居が高すぎて入れない。
「場所と雰囲気と空気読んだら 歓迎されてないだろ」
ファミレスにαが来てしまってる時点で注目されてるし、雰囲気は晃さんを視線で追いまくりで俺まで巻き添えくってる。店全体で歓迎してるし 俺も落ち着けるので歓迎だけど、優だけが歓迎してない。
「場所な、客としては問題なし。雰囲気は視線は無視しよう。空気は君以外は問題なし。仕方ない」
俺の隣に座った晃さんは立ち上がり 隣の席に移ってしまった。早速と言わんばかりに メニューを広げると店員を呼ぶボタンを押せば、若い店員が競うように2人来てしまったが、晃さんは気にせずに「生姜焼き定食と俺の可愛い奥さんとそのお友達にチーズケーキを先に出してあげて」 奥さんの言葉で笑顔で注文を聞いてた店員も笑顔が固まり明らかにガッカリ感が凄まじく垂れ流し状態である。
「「畏まりました」」
来る時とは違い重い足取りで厨房に消えていった店員を見れば チラホラ居た客の反応も沈んでる。仕方ないよな、 立っているだけでオーラが違う こんなにも αらしいαが、庶民の味方のファミレスに居るんだ。もしかしたら 狙えるかもなんて浅ましい気持ちになるのもわかる。
どんよりと沈んでる雰囲気を諸共せずにテーブルに両肘を付き手の甲に顎を乗せてお気に入りのオモチャでも見る目で俺と優を交互に見てくる晃さんに戸惑う。
「鈴 出るぞ」
立ち上がり俺に一言 出るぞと言われても 俺は動くつもりは無い。
「チーズケーキを頼んだけど 嫌いだった?」
「今嫌いになった。鈴を騙せても俺は騙されない」
「いい加減にしろ。俺はなにも騙されてない。俺が晃さんと一緒に居たいんだ」
晃さんが来てしまった事で、店内中の人達に自分達がちょっとした修羅場だとわからせてしまったことに恥ずかしさが芽生えるが優に付いて行くわけにも行かないけ。
「あんたはαだ。その内 あんたに相応しい 綺麗な女性やΩに乗り換える。その時 鈴が邪魔になって捨てるに決まってる。俺は鈴が捨てられて泣いてる姿なんて見たくない」
「番を捨てられるαがいたら是非 お目にかかりたい」
「はぁ?あんた 頭おかしだろ。番なんてαの気まぐれで番えるし 破棄も出来る。αなんてその場の雰囲気で好き勝手し放題だろ。あんただって 1人に絞るつもりも無いから鈴を騙してんだ。夢見るのも良いけど現実見ろよ。鈴、お前が結婚するって言ってる奴は録でも無い奴だ。こんな奴と結婚しても幸せになれない、今すぐ別れ
パー--ン
余りにも酷い言葉で晃さんを罵る優の頬を平手で叩いてしまった。園で喧嘩もしてきた、掴み合いや殴たり叩いたりの喧嘩をして来たけど、どれもくだらない理由でぶつかり喧嘩に発展したもの。でも、今 優に感じてる怒りは 今までの物とは違う。上手く言葉に出来ないが悲しいと感じる。
「今の優は、お気に入りのオモチャを取られて駄々を捏ねてる子供と変わらない。それに、晃さんの事を何も知らないのに憶測だけで判断しないで。俺は晃さんと結婚する、晃さんの番は俺だけだ。晃さんに俺以外の番なんてつくらせないし、もし つくった日に離婚だ。俺が晃さんを棄ててやる」
「違う!俺は鈴の事を思って、結婚してからじゃ遅い!なぁ 目ぇ覚ませよ。こんな奴のどこがいぃんだよ、なぁ!!」
ぼろぼろと泣き始めてしまった優は、必死に俺に目を覚ませと訴える。
「勘違いしてるみたいだが、βは離婚しても人生をやり直せるが、番破棄は相手の人生を全てを奪い闇に落とす。β同士のコミュニティがある様に私達にだってコミュニティが有り、今の時代 番にそんな事をすれば 協力関係を失うリスクが大いにある。αにだってただ惚れただけの奴の人生を背負うなんて馬鹿げたマネはしない」
静かに語った晃さんの言葉も優に届いてるのか気になる。同じαならわかって良いはず。確かに優は頭の良い奴だったけど、俺にαだって言ったは俺の気を引きたくて付いた嘘なんだろうな。
「番 番うっせーよ。鈴はβだ。なっ!そうだろ?!」
「わかってんだろ優。俺は
「やだ!聞きたくない。ずっと ずっと好きだったんだ。久しぶりに会った鈴は、俺が知ってた頃よりも綺麗になってた。俺はやっぱり鈴が好きなんだって。それなのに、いきなり結婚するって聞いて 女の人なら適わないと思ってたのに、相手が男とか有り得ない。だったら俺でもいいじゃん」
聞き分けのない子供になってしまった優は俺に1歩 歩寄ってくるが俺は立ち上がり1歩引いてしまった。
「俺と晃さんは番なんだ、離れるなんて考えれない。俺は晃さんが居ないと思うだけで身体が引き裂かれる思いになるんだ」
「ずっと ずっと一緒に居たのに そいつを選ぶの」
「俺は晃さんを選ぶ」
力が抜けたように座り込んでしまった優。変わりに晃さんが立ち上がり俺の背中を押して外に出された。少しして戻って来た晃さんは俺の車に乗せて走らせた。
「鈴を仲間として兄弟だとして見てきた。1番近くにいてそれは分かってたはずだ。昨日の今日で冷静な判断が出来るはずもない。当分は会わないことだ」
「優は頭の良い奴だから 分かってくれたんだって思ったんだ。でも、違ってた。分かってた筈なのに、俺ってどこかで爪の甘さが出るんだよな」
帰り着いたのは晃さんの実家では無くて マンションだ。
「どうしてマンションの方なの」
「前に説明したと思うが最上階を見せてやってなかったと思ってな」
「最上階、確かに聞いたような」
最上階の部屋も気になるが、正直今は一人っきりになりたい気分なのに、晃さんはそんなことお構い無しに 俺の思いと真逆な行動とらされる。
「最上階は夫婦の部屋でも貸しに出してもいい。鈴がどうしたいのか意見を聞かせてくれ」
グングン上がって来たエレベーターが止まり開いた扉はの前にエントランスの前には扉が1つ。進められて入れば やっぱり広いリビング。対面式キッチンからダイニングにリビングに続いてる。13階のメゾネットは白いを基調として清潔感だが、コチラはダークブランでモダンな感じで どちらも好きだ。
「たしかに ゆとりだけはあるよね」
開けてもがらんとした部屋が2つ、3部屋目を開けておどろいた。
「えっと、フィトネスジムでも始めるの?」
エアロバイクやランニングマシーンに仰向けになって重量を上げたり 背筋を鍛えたりする器具が揃ってた。
「俺個人用だ」
「全部使うの?」
「ああ、全体的に鍛えるなら 最低限の物は揃えておきたいから」
「そうなんだ。ねぇ 俺も使っていい?」
「構わないが、むちゃだけはするなよ」
「ありがとう」
「ここが寝室だ」
やっぱりあった馬鹿でかいベッドが真ん中にドーンと置かれてた。
「やっぱりおおきい。何人で寝るつもり?」
「今までは一人で寂しく寝てたが、今は2人で寝る予定」
「ふーん」と、気のない返事をしながら次を開けると書斎になってた。
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