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如月 裕翔の雨宿り
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彼と出会ったのは大学のキャンパスだ。バース性の中でもαがトップだとされてる。βは当然のようにαを優秀だと見るが
αのなかでもカースト制はしっかりとある。
自分より上のαは居ないと思ってた。夢や希望もなくつまらない毎日をただ生きてきた私は、織田に出逢って全てを覆された。家柄に縛られずに自分がやりたい事をやると言い切った時、初めて、この人について行きたい、この人の作り出す未来を手伝いたい、この人の側でこの男の未来を見てみたい。そう、強く思わせる人物だった。
私が認めた男が選んだ職業は警察官だった。
警察官と言う職業は、多くの人物に不振がられずに1人でも多くの者に出逢える機会がある。その人達の中に、きっと自分の運命の番が居るはずだと。自分だけの番を見つけたいと何処か少年の様な夢を抱いてる織田だった。
動機はどうアレ 俺はこの人の補佐官として一緒に高みを目指して最年少での警視に登り詰めた。
白昼堂々と5人目の被害者が出た。
名前は田中鈴 19歳
日雇いの交通整理をしてた少年だ。
マスコミ各社が競って警察の失態と報じるが、じゃ お前らがやってみろ、と言いたくなる。
至るところに監視カメラを設置してる現在でも視覚から外れる場所はある。ソレは仕方ない事だ。
発砲事件を起こす人物はカメラの死角を巧みに使い犯行を繰り返す。決定の瞬間でなくても犯行時に同じ人物が写ってないか 周辺の監視カメラを調べたが 何処にも写ってない。
頼みの綱は 被害者だけになるが ザンネンな事に「他所を向いてたら衝撃が走り気が付いたら撃たれてた」3人とも同じ答えしか得られない。そして、4人目は亡くなった。私達が知ってる簡単な情報はここ迄だ。
5人目の被害者が出た事で 警視正から呼び出しから帰ってきた上司はこの上なく不機嫌だった。
「指揮官だった 森本が外され俺になった。上からの命令でマスコミをこれ以上騒がせるな、だと」
「いつもいつも いきがって 突っかかって来てるくせに 今回は尻尾をまいて逃げましたか。使えない」
何かと噛み付いてくるいけ好かない森本。俺の見立てのカースト制では中の下だ。織田の足下にも俺の足下にも遠く及ばないくせに何かと張り合ってくる面倒臭い奴だった。今回のこの件で出世コースから遠のいたと見て間違いないだろう。
「悪いが俺も 尻尾を巻いて逃げ出したいよ。何処にも手掛かりがない」
そう言いながらも身の回りの物を鞄に詰めて立ち上がる。
「お前は映像の分析を頼む。俺は被害者に合ってくる」
「お気をつけて」
久保を引き連れて被害者の元へ向かって帰ってきた時の上司の惚けてた。
「どうされました」
「みつけた」
「は?犯人をですか?」
「違う、それよりも貴重なものだ。運命の番を見つけた。魅力的で可愛い子だった」
会えないままに一生を終える者の方が多い。
運命の番を見つけるのは一山の中から、どこに埋まってるか分からない1粒の宝石を見つける様なもで、都市伝説とされてるものだ。
更に言うなら、魂の番と呼ばれるものがある。
魂の番は発情期に番相手の匂いの付いてるもので巣作りをする。その巣を褒めないと番が拗ねて身を隠して1人で孤独死をしてしまい二度と来世で巡り会うことは無い。反対に褒めて 番が喜べば魂の番は来世でも巡り会い幸せになれる神伝説だ。が、【巣作り】も、匂いのついてる物とされてるし、【褒める】と、単純に言っているが 褒めたら誰でも喜ぶものだ。コレこそ眉唾物。
世界中の海の中から1粒の宝石を探すレベルの御伽噺にもならない古くからの言い伝えだ。まだ、都市伝説の方が信じられるらレベルだ。
魂の番ならば笑って無理だと言えたかもしれないが、都市伝説ならこの男にかかれば 見つけ出せるかもしれないと思ったが本気で見つけ出した。
奇跡の出会いをしたのだ。
織田の名前から渾名は第六天魔王の最高天 他化自在天なんて影で囁かれる人物で私の上司だと自分の事の様に嬉しいと同時に流石は自分が認めただけの男だと胸を張る。
「どんな方ですか?」
「今回の被害者だ。・・・クソっ」
成程、心中穏やかではないでしょうね。
「夜8時にもう1度病院に行く。ヒートを起こしてる可能性が有る」
「なっ!ちょっと待って下さい!!ヒートなら隔離室に移せば良いでしょ」
「医者に聞いてきた。1000人に1人の割合で7歳の検査でバース性が出ない子が居ると。そんな子はヒートが遅く気が付くのも遅い。その分ショックを受けてバース性を上手く受け入れない子が多いと」
「彼はβとして生きてきたと」
「その通りだ。隔離なんてしたら ショックを受けてしまう。鈴の病室の周りにαの者を置かない様に処置して来たが、クスリの効き目が切れてからじゃ無いと次が飲ませられない。過剰摂取でもし副作用なんて出たら後悔なんてしてもしきれない」
我々もヒートがあるとされてるが、其れはΩが放つ匂いに引き摺られてヒートするのが主だ。
その為、抑制剤は常に携帯してる。1年を通して1度飲むか飲まないかの割りあいで 副作用など 余り考えない。だが、Ωは違う。3ヶ月に1度 1週間来る発情期に抑制剤は欠かせない物だ。織田の中でずっと夢見てた番だが、今は 様々な懸念が渦巻いてるのだろ。
少しでも早く彼の元に向かわせてやれる様に調節するのが私の役目。腕のみせどころでしょう。
「とりあえず、20時に出れる様に調節します」
「頼む」
自身も少しでも早くと思ってるのだろう。やるべき事をやらなければ出れないのもわかってるために即座に動き出した。
織田が出ていって 日付が変わる前に連絡があった。
驚いた事に彼は場所を移動させて自宅に篭っていた。
そして、番にしたと。どうにか2日休みが取れないか頼まれた。
かなりの無茶振りですが何とかしましょう。コレは貸しですと言えば 織田の幸せそうな顔が脳裏に浮ぶ「わかった」と返ってきた返事に、今度 旅行にでも行こう。俺にもどこかに 居るだろう番をこの手にしたいと思えた。 見せられたのだ、都市伝説は現実にあったんだと、探し求めたいと思わせてくれた。
織田 晃という男は俺に夢と希望と喜びを体現で教えてくれる男だ。
αのなかでもカースト制はしっかりとある。
自分より上のαは居ないと思ってた。夢や希望もなくつまらない毎日をただ生きてきた私は、織田に出逢って全てを覆された。家柄に縛られずに自分がやりたい事をやると言い切った時、初めて、この人について行きたい、この人の作り出す未来を手伝いたい、この人の側でこの男の未来を見てみたい。そう、強く思わせる人物だった。
私が認めた男が選んだ職業は警察官だった。
警察官と言う職業は、多くの人物に不振がられずに1人でも多くの者に出逢える機会がある。その人達の中に、きっと自分の運命の番が居るはずだと。自分だけの番を見つけたいと何処か少年の様な夢を抱いてる織田だった。
動機はどうアレ 俺はこの人の補佐官として一緒に高みを目指して最年少での警視に登り詰めた。
白昼堂々と5人目の被害者が出た。
名前は田中鈴 19歳
日雇いの交通整理をしてた少年だ。
マスコミ各社が競って警察の失態と報じるが、じゃ お前らがやってみろ、と言いたくなる。
至るところに監視カメラを設置してる現在でも視覚から外れる場所はある。ソレは仕方ない事だ。
発砲事件を起こす人物はカメラの死角を巧みに使い犯行を繰り返す。決定の瞬間でなくても犯行時に同じ人物が写ってないか 周辺の監視カメラを調べたが 何処にも写ってない。
頼みの綱は 被害者だけになるが ザンネンな事に「他所を向いてたら衝撃が走り気が付いたら撃たれてた」3人とも同じ答えしか得られない。そして、4人目は亡くなった。私達が知ってる簡単な情報はここ迄だ。
5人目の被害者が出た事で 警視正から呼び出しから帰ってきた上司はこの上なく不機嫌だった。
「指揮官だった 森本が外され俺になった。上からの命令でマスコミをこれ以上騒がせるな、だと」
「いつもいつも いきがって 突っかかって来てるくせに 今回は尻尾をまいて逃げましたか。使えない」
何かと噛み付いてくるいけ好かない森本。俺の見立てのカースト制では中の下だ。織田の足下にも俺の足下にも遠く及ばないくせに何かと張り合ってくる面倒臭い奴だった。今回のこの件で出世コースから遠のいたと見て間違いないだろう。
「悪いが俺も 尻尾を巻いて逃げ出したいよ。何処にも手掛かりがない」
そう言いながらも身の回りの物を鞄に詰めて立ち上がる。
「お前は映像の分析を頼む。俺は被害者に合ってくる」
「お気をつけて」
久保を引き連れて被害者の元へ向かって帰ってきた時の上司の惚けてた。
「どうされました」
「みつけた」
「は?犯人をですか?」
「違う、それよりも貴重なものだ。運命の番を見つけた。魅力的で可愛い子だった」
会えないままに一生を終える者の方が多い。
運命の番を見つけるのは一山の中から、どこに埋まってるか分からない1粒の宝石を見つける様なもで、都市伝説とされてるものだ。
更に言うなら、魂の番と呼ばれるものがある。
魂の番は発情期に番相手の匂いの付いてるもので巣作りをする。その巣を褒めないと番が拗ねて身を隠して1人で孤独死をしてしまい二度と来世で巡り会うことは無い。反対に褒めて 番が喜べば魂の番は来世でも巡り会い幸せになれる神伝説だ。が、【巣作り】も、匂いのついてる物とされてるし、【褒める】と、単純に言っているが 褒めたら誰でも喜ぶものだ。コレこそ眉唾物。
世界中の海の中から1粒の宝石を探すレベルの御伽噺にもならない古くからの言い伝えだ。まだ、都市伝説の方が信じられるらレベルだ。
魂の番ならば笑って無理だと言えたかもしれないが、都市伝説ならこの男にかかれば 見つけ出せるかもしれないと思ったが本気で見つけ出した。
奇跡の出会いをしたのだ。
織田の名前から渾名は第六天魔王の最高天 他化自在天なんて影で囁かれる人物で私の上司だと自分の事の様に嬉しいと同時に流石は自分が認めただけの男だと胸を張る。
「どんな方ですか?」
「今回の被害者だ。・・・クソっ」
成程、心中穏やかではないでしょうね。
「夜8時にもう1度病院に行く。ヒートを起こしてる可能性が有る」
「なっ!ちょっと待って下さい!!ヒートなら隔離室に移せば良いでしょ」
「医者に聞いてきた。1000人に1人の割合で7歳の検査でバース性が出ない子が居ると。そんな子はヒートが遅く気が付くのも遅い。その分ショックを受けてバース性を上手く受け入れない子が多いと」
「彼はβとして生きてきたと」
「その通りだ。隔離なんてしたら ショックを受けてしまう。鈴の病室の周りにαの者を置かない様に処置して来たが、クスリの効き目が切れてからじゃ無いと次が飲ませられない。過剰摂取でもし副作用なんて出たら後悔なんてしてもしきれない」
我々もヒートがあるとされてるが、其れはΩが放つ匂いに引き摺られてヒートするのが主だ。
その為、抑制剤は常に携帯してる。1年を通して1度飲むか飲まないかの割りあいで 副作用など 余り考えない。だが、Ωは違う。3ヶ月に1度 1週間来る発情期に抑制剤は欠かせない物だ。織田の中でずっと夢見てた番だが、今は 様々な懸念が渦巻いてるのだろ。
少しでも早く彼の元に向かわせてやれる様に調節するのが私の役目。腕のみせどころでしょう。
「とりあえず、20時に出れる様に調節します」
「頼む」
自身も少しでも早くと思ってるのだろう。やるべき事をやらなければ出れないのもわかってるために即座に動き出した。
織田が出ていって 日付が変わる前に連絡があった。
驚いた事に彼は場所を移動させて自宅に篭っていた。
そして、番にしたと。どうにか2日休みが取れないか頼まれた。
かなりの無茶振りですが何とかしましょう。コレは貸しですと言えば 織田の幸せそうな顔が脳裏に浮ぶ「わかった」と返ってきた返事に、今度 旅行にでも行こう。俺にもどこかに 居るだろう番をこの手にしたいと思えた。 見せられたのだ、都市伝説は現実にあったんだと、探し求めたいと思わせてくれた。
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