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落雷雨
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「財布返せ」と強く言い出せい情けない俺。
「それ名案、クレジット貸してよ鈴兄さん」
俺の後ろから鈴兄さんと呼ば振り向くけど、当然コイツも知らない。
「いや、申し訳ないけど、クレジットは1枚も持ってないんだ、財布 返してもらえる」
やっと返してと言えたと思ったが
「おい、聞いたか!ダッセェよ鈴兄さん」
「財布の中 かっくにぃーん」
ゲラゲラと品のない笑い方をする優の友達。
「問題発言だな」
「君達 未成年だろう?」
先程周りを見た時には居なかったのに、何処から現れたのか警察官だ。疑問に思いながら顔を見れば須賀さんと阿部さんだ。阿部さんは俺の財布をうばった奴の肩に腕を回してる
「君達 話を聞かせて貰えるかな?この財布は君の」
「いや、鈴兄さんが金くれるって言うんでぇ~」
「すみません。コイツ 何でも悪ふざけが過ぎるんで注意しときます」
優がサトシの手から財布を抜き取り俺に返してくれる。
「鈴兄 ごめん。サトシはなんでも悪ふざけが過ぎるんだ。許して」
「あぁ」と言った後、他の言葉が出なかった。優はαだと自分で言ってたし、俺も優はαだと思う。αは人の上に立つ存在なはずなのに、優は友達を選ば無かったようだ。
悪ふざけにしても質が悪いとその場で怒られ 交番に連行されて、身元引受け人が来るまで動けなくなってしまった。一人一人名前と住所を聞き出していく警官、7人目が終わり優が名前と住所 園長の連絡先を答え、俺の番に回って来た。
「あの、俺1人でも帰れますので」
身元引受け人も居ない俺は1人でも帰れると主張してみたら、優の友達もそうだ そうだの大合唱になってしまった。
「君達 未成年だろう!」
「時間を考えろよ~」
「今 物騒な事件もあるんだ!!1人で返せるわけないだろ!!」
大合唱を収める警察官の声にも負けず1人で返せと勢い付くも、警察官達に大声で怒鳴られておとなしくなった。
余計なことは言えないと、身元引受け人が居ないけど 名前と住所を聞かれるままに答えた。
家には誰も居ないし身元引受け人も居ない。誰か来てもらえる人が居たら声をかけます。と言って離れて貰った。
「今日は泊まりに行ったんでしょ?その人 呼べばいいじゃん」
「いや、迷惑だろ」
「それもそっか。じゃ、園長が来ると思うからその時いっしょに帰ればいいじゃん」
其れも有りかな?でもな、退園して1度も顔を出てない俺が こんな時だけ身元引受け人になってくれと言うのは虫がよすぎる。だったら番の晃さんに頼むのがベストなんだろうが、余り 迷惑もかけたくない。
グダグダと考えてると 1人2人と頭を下げてわが子を引き取りに現れだした。引き取りに来た親は子の頭を押さえ付け頭を下げさせたり背中を叩いたりと親は一生懸命に頭を下げて警察官に謝ったりと忙しくして交番を出ていく。
「親って忙しいんだな」
「そうだな。でもさ 親が居るってだけで 羨ましいよ」
羨ましいと言った優は なにかを思い出した様に柔らかく笑った。優の両親は交通事故で亡くなってる。会いたくても会えないんだな。
俺の親を思い出すのは 真っ直ぐに前を向いた母親と父親。そして 雨のなか走り去る車だ、笑えない。思い出して笑える優が羨ましいとオレは思った。
「優、お前何してんだよ」
!聞き覚えのある超えに顔を上げれば 会いたくなかった人物が優を迎えにきてた。
「うん?鈴 だよな?お前まで 何やらかしたんだよ」
園長じゃない。なんで園長息子が迎えに来きた?!
「拓也さんが来てくれたんだ。手間とらせてごめん。補導されちゃった。そうだ!鈴 身元引受け人が居ないんだ。一緒に引き取ってよ」
優が親切のつもりで言ったのかもしれないが、迎えに来た園長息子は渋面を作ってたのに一瞬 口角があがりニヤッと笑った。
やだ!絶ッ対にやだ!!
「大丈夫だ。俺のことは心配は要らないよ。友だちに来てもらうから」
「はっ?何言ってんだよ、さっきは迷惑かけたくないって言ってたくせに。良いから拓也さんに頼みなよ」
「遠慮すんな、あっ、すみまさん。田中 鈴ですが わたしが身元引受け人になりますので」
「その必要はありません」
ちょうど顔をだした警察官に俺の身元引受け人になると申し出てしまった園長息子の言葉に青ざめてたら、ピシャリと断ってくれた声の方を向ければ如月さんが立っていた。
「ほら、帰りますよ。何時まで座ってるつもりですか?」
「えっと、・・・はい」
「は?ちょっと待ってよ。あんた誰さ、鈴兄は身元引受け人が居ないって何処にも連絡出来なくて困ってたのに、いきなり現れて鈴兄を引き取るっておかしくね?」
たしかに 身元引受け人の指定をして無いのに如月さんが突然来るのはおかしな話だ。でも、ココは交番で警察関係場所で晃さんの耳にも簡単に届く場所でもある。
「貴方に説明する必要性は感じません。行きますよ鈴君」
園長息子には知られたくない。秘密がバレそうになるのが嫌なので素早く立ち上がり優に声をかける。
「はい、じゃ 優またな」
「明日の約束忘れんなよ」
優のだけにしか声を掛けなかったが、園長息子は俺には約束の念押しをして来た。俺は了承したつもり無いのに。
交番の外には真っ黒な車が止まってた。警視庁に連れていかれた時の車はセダンだったはずなのに、メルセデスが止まってた。如月さんは迷うこと無くその車の後部座席のドアを開けて乗るように促されるが、憤怒してる晃さんの顔をみたら今は乗りたくない。
「乗ってください」
声を掛けられても乗りたくないけど 乗るしかない。意を決して乗り込んだけど、晃さんの威圧が全身に刺さる。
「何してたんだ」
静かに問われてるだけなのに怖くて勝手に身体が縮こまってしまう。
「えっと、・・・・」
「言えないようなことをしてたのか?」
「ちがう!そんな事は・・・して無い。・・優から電話が掛かってきて、急に 家に泊めて欲しいって頼まれたけど、出来ないって断ったんだ。そしたら優が、今日は野宿するって聞いて、・・・・・泊めてあげれないけどネカフェ位のお金なら渡せるからって 渡しに来たんだ。 そしたら・・・・」
「クレジットカードを出せと脅されてたと聞いたが」
「それは、・・・・優の友達が悪ふざけで」
「悪ふざけ?金品を要求するのは恐喝罪だ、よく覚えとけ」
「はい、・・ごめんなさい」
いきなり腕を引っ張られて晃さんの胸の中に抱き込まれた。
「無事で良かった」
晃さんの少し早い心音に、俺がどれだけ心配かけてしまったか初めて知った。
「心配かけてごめん」
「全くだ。夜6時以降の外出は禁止だ」
「えっ?」
それはちょっと 酷くないですか?と、思ったけど 晃さんの威圧は大分収まってるが完全に無くなった訳じゃないので反論はまだ出来ない。
「それが 宜しいかと。鈴君 先程 佐々木が言っていた明日の約束とは何ですか?」
寡黙に運転してるだけだと思ってた如月さんが、今 言わなくても良い発言をしちゃったもんだから 車の中は息苦しくなった。
「明日の約束?なにを約束してたんだ」
温かい場所のはずが、極寒の地に居るみたいにカタカタと震え、奥歯が噛み合わなくなったかのカタカタと音を鳴らすだけで声が出ない。
「織田警視 だだ漏れし過ぎです。鈴君が怯えて声も出せなくなってますよ」
如月さんの注意に晃さんがチッと舌打ちするがそれさえも怖くて身がくすむ。
「佐々木 拓也との明日の約束とはなんだ、答えろ」
威圧をコントロールしてるのか車に乗った時のような感じに戻った。
「ぶ、物騒な事件が多いし、・・・久しぶりに会って安否確認と元気かを見たい。とかで、・・夕飯を・・一緒に・・・する約束」
「却下だ。断れ」
ばっさり 切り捨てる言い方で言い切る。断れる物なら断りたい。
少しでも、自分の思い通りならなかったら怒鳴り散らす園長息子にどうやって断るか。そこが難しい。
「返事が無いと言うことは 了承出来ない何かがあるのか」
すぐに返事しなかった事で 断れない なにか が有ると思わせてしまった様だ。
「何も 無い。ただ、どうやって断れば良いか 分からなくて」
否定するべき所はちゃんと否定出来ても 最後の方は段々とかそぼい声になってしまった。
「アァん。そんなもん、断る!!その一言で終わるだろうが!」
頭から降り注ぐデカい声に身を固くする。それに、アァんって なに?警察官が使っていい言葉だとは思えない。
「貴方はバカですか?それが出来ないから悩んでるんでしょ」
すかさず バカですか?と言ってくれた如月さんの方が俺の心情を分かってくれたこと安堵するけど、アァん。の発言の注意は無いんだと思った。
「鈴君、番相手が許可してくれないのでいけません。と、言って断りなさい」
1番使いたくない手だ。でも、この話は終わりにしたい。そうしないと、番の言い訳がなぜダメなのか話さないと行けなくなる。
「そうですね。そうします」
「ちゃんと断れ」
「はい」
いい子の返事を返せば、やっと 晃さんは落ち着いてくれたのか威圧が無くなった。
俺 晃さんに言えない事ばかりだなと自分が嫌になるが、それを心の奥底に押し込める。
地下駐車場に入らずマンションの入口の前に車を停めた如月さん。出ていく時は早く優の元に行かなくてはと思い マンションをよく見なかったけど、このマンションって一昨年に完成したマンションなのでは?
マンション内の1階から5階まで迄は商業施設のテナントが入り6皆部分から10皆部分が会社が入り10階から60皆がマンション。
会社に行くのに徒歩何分とか買い物迄何分とかで、テレビによく出てた。セキュリティ一とかプライバシー侵害の話にもなったけど、専用のkeyが無いと住所部分のエントランスには入れないし、一緒に入ろうとしても常時いるマンションの警備員に呼び止められる仕組だとか。
一生縁の無い物だと流し見てた 「ドリアムルマンションだ」
「今頃気が付いたのか?」
呆れたと言わんばかりの晃さん額に手を置いて項垂れた。
「うん」
正直に頷いただけなのに、如月さんはまたも 後ろ向いて 肩が震わせて吹き出してるの聞こえてるから。
「ほら 行くぞ」
「え?仕事は??」
「明日の朝 8時お迎えに上がります」
如月さんをチラリと見て 「あぁ、頼む」と言って 俺の腕を引っ張る晃さんに「待って」と声を掛けた
「あの、ありがとうございました」
お礼を言い 頭を下げた。
「いえ、どういたしまして。それより、今晩は覚悟を持って その方の怒りをお鎮め下さい。よろしくお願いしますね」
如月さんの言った意味を聞こうとしたけどグイっと 引っ張られて聞けなかった。
「それ名案、クレジット貸してよ鈴兄さん」
俺の後ろから鈴兄さんと呼ば振り向くけど、当然コイツも知らない。
「いや、申し訳ないけど、クレジットは1枚も持ってないんだ、財布 返してもらえる」
やっと返してと言えたと思ったが
「おい、聞いたか!ダッセェよ鈴兄さん」
「財布の中 かっくにぃーん」
ゲラゲラと品のない笑い方をする優の友達。
「問題発言だな」
「君達 未成年だろう?」
先程周りを見た時には居なかったのに、何処から現れたのか警察官だ。疑問に思いながら顔を見れば須賀さんと阿部さんだ。阿部さんは俺の財布をうばった奴の肩に腕を回してる
「君達 話を聞かせて貰えるかな?この財布は君の」
「いや、鈴兄さんが金くれるって言うんでぇ~」
「すみません。コイツ 何でも悪ふざけが過ぎるんで注意しときます」
優がサトシの手から財布を抜き取り俺に返してくれる。
「鈴兄 ごめん。サトシはなんでも悪ふざけが過ぎるんだ。許して」
「あぁ」と言った後、他の言葉が出なかった。優はαだと自分で言ってたし、俺も優はαだと思う。αは人の上に立つ存在なはずなのに、優は友達を選ば無かったようだ。
悪ふざけにしても質が悪いとその場で怒られ 交番に連行されて、身元引受け人が来るまで動けなくなってしまった。一人一人名前と住所を聞き出していく警官、7人目が終わり優が名前と住所 園長の連絡先を答え、俺の番に回って来た。
「あの、俺1人でも帰れますので」
身元引受け人も居ない俺は1人でも帰れると主張してみたら、優の友達もそうだ そうだの大合唱になってしまった。
「君達 未成年だろう!」
「時間を考えろよ~」
「今 物騒な事件もあるんだ!!1人で返せるわけないだろ!!」
大合唱を収める警察官の声にも負けず1人で返せと勢い付くも、警察官達に大声で怒鳴られておとなしくなった。
余計なことは言えないと、身元引受け人が居ないけど 名前と住所を聞かれるままに答えた。
家には誰も居ないし身元引受け人も居ない。誰か来てもらえる人が居たら声をかけます。と言って離れて貰った。
「今日は泊まりに行ったんでしょ?その人 呼べばいいじゃん」
「いや、迷惑だろ」
「それもそっか。じゃ、園長が来ると思うからその時いっしょに帰ればいいじゃん」
其れも有りかな?でもな、退園して1度も顔を出てない俺が こんな時だけ身元引受け人になってくれと言うのは虫がよすぎる。だったら番の晃さんに頼むのがベストなんだろうが、余り 迷惑もかけたくない。
グダグダと考えてると 1人2人と頭を下げてわが子を引き取りに現れだした。引き取りに来た親は子の頭を押さえ付け頭を下げさせたり背中を叩いたりと親は一生懸命に頭を下げて警察官に謝ったりと忙しくして交番を出ていく。
「親って忙しいんだな」
「そうだな。でもさ 親が居るってだけで 羨ましいよ」
羨ましいと言った優は なにかを思い出した様に柔らかく笑った。優の両親は交通事故で亡くなってる。会いたくても会えないんだな。
俺の親を思い出すのは 真っ直ぐに前を向いた母親と父親。そして 雨のなか走り去る車だ、笑えない。思い出して笑える優が羨ましいとオレは思った。
「優、お前何してんだよ」
!聞き覚えのある超えに顔を上げれば 会いたくなかった人物が優を迎えにきてた。
「うん?鈴 だよな?お前まで 何やらかしたんだよ」
園長じゃない。なんで園長息子が迎えに来きた?!
「拓也さんが来てくれたんだ。手間とらせてごめん。補導されちゃった。そうだ!鈴 身元引受け人が居ないんだ。一緒に引き取ってよ」
優が親切のつもりで言ったのかもしれないが、迎えに来た園長息子は渋面を作ってたのに一瞬 口角があがりニヤッと笑った。
やだ!絶ッ対にやだ!!
「大丈夫だ。俺のことは心配は要らないよ。友だちに来てもらうから」
「はっ?何言ってんだよ、さっきは迷惑かけたくないって言ってたくせに。良いから拓也さんに頼みなよ」
「遠慮すんな、あっ、すみまさん。田中 鈴ですが わたしが身元引受け人になりますので」
「その必要はありません」
ちょうど顔をだした警察官に俺の身元引受け人になると申し出てしまった園長息子の言葉に青ざめてたら、ピシャリと断ってくれた声の方を向ければ如月さんが立っていた。
「ほら、帰りますよ。何時まで座ってるつもりですか?」
「えっと、・・・はい」
「は?ちょっと待ってよ。あんた誰さ、鈴兄は身元引受け人が居ないって何処にも連絡出来なくて困ってたのに、いきなり現れて鈴兄を引き取るっておかしくね?」
たしかに 身元引受け人の指定をして無いのに如月さんが突然来るのはおかしな話だ。でも、ココは交番で警察関係場所で晃さんの耳にも簡単に届く場所でもある。
「貴方に説明する必要性は感じません。行きますよ鈴君」
園長息子には知られたくない。秘密がバレそうになるのが嫌なので素早く立ち上がり優に声をかける。
「はい、じゃ 優またな」
「明日の約束忘れんなよ」
優のだけにしか声を掛けなかったが、園長息子は俺には約束の念押しをして来た。俺は了承したつもり無いのに。
交番の外には真っ黒な車が止まってた。警視庁に連れていかれた時の車はセダンだったはずなのに、メルセデスが止まってた。如月さんは迷うこと無くその車の後部座席のドアを開けて乗るように促されるが、憤怒してる晃さんの顔をみたら今は乗りたくない。
「乗ってください」
声を掛けられても乗りたくないけど 乗るしかない。意を決して乗り込んだけど、晃さんの威圧が全身に刺さる。
「何してたんだ」
静かに問われてるだけなのに怖くて勝手に身体が縮こまってしまう。
「えっと、・・・・」
「言えないようなことをしてたのか?」
「ちがう!そんな事は・・・して無い。・・優から電話が掛かってきて、急に 家に泊めて欲しいって頼まれたけど、出来ないって断ったんだ。そしたら優が、今日は野宿するって聞いて、・・・・・泊めてあげれないけどネカフェ位のお金なら渡せるからって 渡しに来たんだ。 そしたら・・・・」
「クレジットカードを出せと脅されてたと聞いたが」
「それは、・・・・優の友達が悪ふざけで」
「悪ふざけ?金品を要求するのは恐喝罪だ、よく覚えとけ」
「はい、・・ごめんなさい」
いきなり腕を引っ張られて晃さんの胸の中に抱き込まれた。
「無事で良かった」
晃さんの少し早い心音に、俺がどれだけ心配かけてしまったか初めて知った。
「心配かけてごめん」
「全くだ。夜6時以降の外出は禁止だ」
「えっ?」
それはちょっと 酷くないですか?と、思ったけど 晃さんの威圧は大分収まってるが完全に無くなった訳じゃないので反論はまだ出来ない。
「それが 宜しいかと。鈴君 先程 佐々木が言っていた明日の約束とは何ですか?」
寡黙に運転してるだけだと思ってた如月さんが、今 言わなくても良い発言をしちゃったもんだから 車の中は息苦しくなった。
「明日の約束?なにを約束してたんだ」
温かい場所のはずが、極寒の地に居るみたいにカタカタと震え、奥歯が噛み合わなくなったかのカタカタと音を鳴らすだけで声が出ない。
「織田警視 だだ漏れし過ぎです。鈴君が怯えて声も出せなくなってますよ」
如月さんの注意に晃さんがチッと舌打ちするがそれさえも怖くて身がくすむ。
「佐々木 拓也との明日の約束とはなんだ、答えろ」
威圧をコントロールしてるのか車に乗った時のような感じに戻った。
「ぶ、物騒な事件が多いし、・・・久しぶりに会って安否確認と元気かを見たい。とかで、・・夕飯を・・一緒に・・・する約束」
「却下だ。断れ」
ばっさり 切り捨てる言い方で言い切る。断れる物なら断りたい。
少しでも、自分の思い通りならなかったら怒鳴り散らす園長息子にどうやって断るか。そこが難しい。
「返事が無いと言うことは 了承出来ない何かがあるのか」
すぐに返事しなかった事で 断れない なにか が有ると思わせてしまった様だ。
「何も 無い。ただ、どうやって断れば良いか 分からなくて」
否定するべき所はちゃんと否定出来ても 最後の方は段々とかそぼい声になってしまった。
「アァん。そんなもん、断る!!その一言で終わるだろうが!」
頭から降り注ぐデカい声に身を固くする。それに、アァんって なに?警察官が使っていい言葉だとは思えない。
「貴方はバカですか?それが出来ないから悩んでるんでしょ」
すかさず バカですか?と言ってくれた如月さんの方が俺の心情を分かってくれたこと安堵するけど、アァん。の発言の注意は無いんだと思った。
「鈴君、番相手が許可してくれないのでいけません。と、言って断りなさい」
1番使いたくない手だ。でも、この話は終わりにしたい。そうしないと、番の言い訳がなぜダメなのか話さないと行けなくなる。
「そうですね。そうします」
「ちゃんと断れ」
「はい」
いい子の返事を返せば、やっと 晃さんは落ち着いてくれたのか威圧が無くなった。
俺 晃さんに言えない事ばかりだなと自分が嫌になるが、それを心の奥底に押し込める。
地下駐車場に入らずマンションの入口の前に車を停めた如月さん。出ていく時は早く優の元に行かなくてはと思い マンションをよく見なかったけど、このマンションって一昨年に完成したマンションなのでは?
マンション内の1階から5階まで迄は商業施設のテナントが入り6皆部分から10皆部分が会社が入り10階から60皆がマンション。
会社に行くのに徒歩何分とか買い物迄何分とかで、テレビによく出てた。セキュリティ一とかプライバシー侵害の話にもなったけど、専用のkeyが無いと住所部分のエントランスには入れないし、一緒に入ろうとしても常時いるマンションの警備員に呼び止められる仕組だとか。
一生縁の無い物だと流し見てた 「ドリアムルマンションだ」
「今頃気が付いたのか?」
呆れたと言わんばかりの晃さん額に手を置いて項垂れた。
「うん」
正直に頷いただけなのに、如月さんはまたも 後ろ向いて 肩が震わせて吹き出してるの聞こえてるから。
「ほら 行くぞ」
「え?仕事は??」
「明日の朝 8時お迎えに上がります」
如月さんをチラリと見て 「あぁ、頼む」と言って 俺の腕を引っ張る晃さんに「待って」と声を掛けた
「あの、ありがとうございました」
お礼を言い 頭を下げた。
「いえ、どういたしまして。それより、今晩は覚悟を持って その方の怒りをお鎮め下さい。よろしくお願いしますね」
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