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52話

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「今日はお店休みにして遊ぼう」

こんびにの混雑も落ち着いた処で提案をする、さすがにもうテレサも反対しないだろう、でもテレサは何が楽しいのだろうか。

シルキーとフレイヤは分かり易い、分かり易すぎる、シルキーは甘い物、フレイヤはゲーム、テレサは、、、謎だ、今日はテレサを軸に動いていきたいと思う

いつもは祖母の家で荷物運びが無ければ日本語の勉強をさせているハルクも同行させる、遊ぶ時はみんなでがいいからな

「テレサはどこか行きたいとか、何かしたいとかあるか?」

「図書館へ行きたいです、やっと日本語を覚えたので本を読んでみたいです、フォーセリアでは本は貴重ですから」

活版印刷の発明がない時代の本なんて全部手書きだ、もちろん手書きで作られた本を複製できるコピー機なんて物もない

「フレイヤが居るから図書館は無理だ」
フレイヤ
「なんで?どうしてダメなの?」

「図書館って場所は静かにしてないといけないんだよ」
テレサ、シルキー
「なら無理ですね」
フレイヤ
「ダメな理由がわからないよ」

フレイヤの苦情は無視して

「だから本屋にしよう、そこならたくさんの本もあるぞ、フレイヤの好きなゲーセンもあって、シルキーの食べたいパンケーキ屋もある、モールになら全ての欲求を満たすことができるモールへ行こうか」

目的地は決まった、みんなも一度は行ったことがあると思い込んでいたが、実はフレイヤは初だった、耳があるからな

でも大丈夫、獣人の強い味方"パーカー"これがあれば隠せる、前回ハルクのツナギを買う際にも役に立った、あれっ

(ハルクも行ってるか、ほんとにフレイヤだけだ)

長い間うちに居るのに一度もない、今日はわがままを聞いてやろう、多少はね、際限ないと怖いんだよな

モールに着くとそれぞれの場所で別れる、フレイヤはゲームセンター、シルキーはパンケーキ屋、最後はテレサの本屋、俺も特に目的はないのでテレサの本屋に付き合う、ハルクも目的はないので、俺と一緒だ

「どんな本が欲しいんだ?」

「こっちの世界の常識的な本が欲しいです」

「ならまずは童話だな、勧善懲悪が揃ってる」

ただ兎と亀では兎が悪者、かちかち山ではタヌキ、猿蟹合戦では猿、なんでその動物?って思わないでもないが俺なりの考えでは人にすると際立たせてしまうからだろう、悪役がより怖く見えると、合ってるかどうかは不明だが

ここら辺の匙加減がテレサにわかるかどうか、それを含めての童話だ、桃太郎、浦島太郎、かぐや姫、兎と亀、まずはこれぐらいで良いだろう

俺が選んでやると喜んでいるが、まだテレサは見足りないようだった、

「何も口出ししないから好きに見てこい、気に入ったのがあれば入り口で待ってるから声を掛けてくれ」

テレサにももちろん小遣いは渡してるが、今回は俺が出す、いつもテレサには助けてもらっているからな、こんなことぐらいでしかお返しができないが

「私今日はお金持ってきましたからいいですよ」

テレサならこんなこと言うのは予想できたな、ちゃんと返す言葉は用意している

「読んだら他の者に見せるから俺の物になるから俺のお金で問題ない」

これでなんとか納得させた、シルキーもフレイヤも読むわけがない、ただハルクには読ませてもいいか、ハルクにも中で何か欲しい本があればと思い、見に行かせる

「ちょっと興味がある物見てこい、これも仕事だ」

ハルクはこう言えば大人しく従う

「はい」

と見に行った、後で何を持ってきたのか見ると動物図鑑だった、字は読まなくて済むからな、テレサは何を持ってくるのだろう

そう言えば最近本を読んでいないことに気が付いた、仕事の時に移動時間には必ず本を読んで携帯なんかいじってなかったのにスマホになった途端触るようになった、スマホって怖いな、テレサたちにもそろそろ持たせてもいいかな

この中って携帯ショップあったかな、テレサ達の名義では持てないからあれの名前で契約するか、テレサに一言伝えていから行こう

「テレサっちょっと行くところが出来たからここ、離れるぞ、待ち合わせはゲーセンで待ってろ」

見ると料理の本のコーナーだった、シルキーもフレイヤも料理しているところ見たことないな、和洋中なんでも作れるようになってくれれば益々手放せなくなるな

良い買い物をした物だ、人を買い物って言うあたりが異世界に毒されてるのかもしれないな、その後無事3人分のスマホを購入することが出来た、なんか複雑なプランを色々言われたが、使いホーダイにしといた、後で余分に請求されるよりはよっぽどましだ、お陰様で携帯分ぐらいは苦にならない程度には稼げてる

そろそろゲーセンに行って合流しよう。
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