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王国暦232年12月2日
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王国暦232年12月2日
空より降り注いだ光の球により、王国南部のある農村に甚大な被害をもたらした。
後に、この未曾有の大災害を、人々はこう呼んだ。
──“光神の怒り”と。
「本当に、あの光はなんだったんだ?」
「……わからん」
王国南部の辺境にある村で、二人の男が話をしていた。
彼らはこの村の自警団の一員であり、先日起きた謎の現象の調査に駆り出されていた。
彼らの目の前で、村の畑は消失した。
家々も全て灰となり、人っ子一人残っていない。
生き残った村人達は、大慌てで王都へと避難していった。
残された二人は、せめて調査だけでも進めようと現場を調べていたのだ。
「だが、あれが原因なのは間違いなさそうだな」
そう言って、男は地面に転がっている石のようなものを拾い上げる。
それは、まるで熱された鉄のように赤く光り輝いていた。
「……こんなもの、見た事がない」
「あぁ、俺もだ。……もしかしたら、これが魔法ってやつなのかもなぁ」
この世界において、魔法とは限られた人間にしか使えない超常の力であった。
しかし、その力が失われたわけではない。
ごく一部の人間には、今なおその力が残っていた。
「まぁ、なんでもいいさ。こんな力があれば、俺達だって……」
そう言って、男は手に持った石を放り捨てる。
その瞬間、地面から炎が噴き出した。
「──なっ!?」
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
炎は瞬く間に燃え広がり、二人の男を焼き尽くす。
それはまさに、地獄のような光景だった。
空より降り注いだ光の球により、王国南部のある農村に甚大な被害をもたらした。
後に、この未曾有の大災害を、人々はこう呼んだ。
──“光神の怒り”と。
「本当に、あの光はなんだったんだ?」
「……わからん」
王国南部の辺境にある村で、二人の男が話をしていた。
彼らはこの村の自警団の一員であり、先日起きた謎の現象の調査に駆り出されていた。
彼らの目の前で、村の畑は消失した。
家々も全て灰となり、人っ子一人残っていない。
生き残った村人達は、大慌てで王都へと避難していった。
残された二人は、せめて調査だけでも進めようと現場を調べていたのだ。
「だが、あれが原因なのは間違いなさそうだな」
そう言って、男は地面に転がっている石のようなものを拾い上げる。
それは、まるで熱された鉄のように赤く光り輝いていた。
「……こんなもの、見た事がない」
「あぁ、俺もだ。……もしかしたら、これが魔法ってやつなのかもなぁ」
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しかし、その力が失われたわけではない。
ごく一部の人間には、今なおその力が残っていた。
「まぁ、なんでもいいさ。こんな力があれば、俺達だって……」
そう言って、男は手に持った石を放り捨てる。
その瞬間、地面から炎が噴き出した。
「──なっ!?」
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
炎は瞬く間に燃え広がり、二人の男を焼き尽くす。
それはまさに、地獄のような光景だった。
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