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執務室に戻り、完全に忘れていたロズ店を思い出した、ヤバいと思いステリアラのロズ商会に行ってゲートで2号店にお酒を運んでもらった。


ユーリ»「とりあえずお酒を置いてみようと思う。」

マーミル»「はい、お酒は夜に皆さん飲んでますけど売れるんでしょうか…?」

ユーリ»「足りないと思ったら買って飲むんじゃないかなと…。」

マーミル»「店に張り紙して、とりあえず置いてみます。」

ユーリ»「お願いね、また何か考えるから。」

マーミル»「はい。」


緊急でお酒を置いてみたが、そんなには売れないだろう。
何か考えないとマーミルが耐えられないかも知れない。

中途半端な物を置いても贅沢品になる可能性があるのだ。
例えばシャンプーとか作れない事は無いのだが、皆この世界の石鹸で事足りているから買わないだろう。

マイズトーレで雑貨屋を見たが、魔族領と大差ない感じだったし、他の国も変わらないのではないだろうか。

人間の王城を破壊した国、今はビルセイド領土になっている場所(サルマニラ)も大差ないだろう、城を壊しただけで街は有るのだ。

そこで、あれ?と思った。
ステリアラのロズ1号店に行った事がないのでは?
行っても大して変わらないだろうが、ステリアラに行った時にでも店を訪ねてみるのも悪くないかも。

今はラナが居ないから不用意に出歩くのが不安だ、ロズの街ぐらいなら大丈夫だろうが、他の場所に行って問題が発生したら対応できないかも知れない。

シルフとラナに頼りきってたんだなぁ…等と街中をブラブラ城に向かって歩いていると、双子の赤ちゃんを連れた母親が居た。


狐母»「国王様、お散歩ですか?」

ユーリ»「うん、そんなとこ。子供2人も連れてたら大変だね。」

狐母»「だんだん重くなってきて。」


母親の背中に1人、お腹に1人、サンドイッチママになってるじゃないの。


ユーリ»「1人でも重いのに2人はキツいよね(^_^;)」


ゼルさんにベビーカーでも作ってもらおうかな?

狐母と別れてベビーカーの図面を書きに執務室へ。
折り畳む事を考えなければ難しい構造ではない。
図面を書き、ゼルさんを訪ねて作ってほしいと頼んだ。

まず作ってもらうのは双子用のベビーカーだ。
日本で居た時に双子用ベビーカーを見てスゲーと思った事があったのだ。
シート部分にはブラックオーケスの皮を渡しておいた。

双子用が出来たら次は1人用を作ってもらう事になっている、売れないだろうからロズ店に飾っておこう。

そして4日後、双子用ベビーカーが完成したのだった。
ゼルさんの給料ちょっと上げた方がいぃかも…。

そして双子の家を訪問。


ユーリ»「こんにちはぁ。」

狐母»「国王様、どうされたのですか?」

ユーリ»「こんなの作ってもらったんだけど、使ってみてくれないかな?」


ゲートでベビーカーを出して使い方を説明した。


狐母»「子供を乗せて押して歩く物なんですね。」

ユーリ»「子供を連れて歩くのに楽かなと思って、2人並んで座るから少し横長で大きいんだけどね。どぅかな?」


狐母が試しに子供を乗せてベビーカーを押して歩いている。


狐母»「これいぃですね、使わせていただきます、有難うございます。」

ユーリ»「子供が成長して使わなくなったら誰かに渡してあげてね?双子は少ないかもだけども。」

狐母»「そうですね、狐種は双子が他種より多いみたいですが、それでも珍しいですからね。大切に使わせていただきます。」


ベビーカーを気に入ってもらえたようで良かった。










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