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333 モットの友
しおりを挟む米を断念すればニワトリは捕まえて飼えるし醤油も作れるはず、米さえ諦めれば…。
あ、米を諦めたらお酒が作れない…。
ユーリ»「どぅしよ~。(>_<)」
ラナ»「里に帰りたい者が居るか聞いてみては?」
ユーリ»「帰れって言われてると思われるじゃないのよ。」
ゼント»「じゃ俺も残るわ。」
ユーリ»「ぇ━(*´・д・)━!!!」
父親2人が残ると言い出した。
ユーリ»「ん~…。」
ゼント»「王様がこの里を残したいんなら人は必要だと思うぞ、です。」
ユーリ»「…。」
モット»「コイツらなりに考えたんでしょう、戻ったら里に帰りたい者が居ないか聞いてみます。」
ユーリ»「それは聞かないでもらえるかな?」
モット»「わかりました。誤解する者は居ないでしょうが辞めときましょう。」
ユーリ»「有難うございます。」
良い案が浮かばないと悩んでいると、周囲の空気が変わった感じがした。
ユーリ»「なんか来る。」
ラナ、リーゼ、リゼルが周囲の警戒をしている、同じ空気を感じ取っているようだ。
モット»「彼等は敵では御座いませんので警戒せずとも問題ありません、ワザと気配を出しているのが証拠です。」
とか言われてもな…この感覚は警戒するレベルですよ?
モット»「お久しぶりですねイルーグ。」
イルーグと呼ばれた者が姿を現した。
イルーグ»「久しぶりだねモット、君が引っ越したから寂しかったよ。お初にお目にかかりますロズグランデ国王陛下、私はイルーグと申します、あまり人前に姿を現す事は無いのですが、この地を離れる話をしておられたので、参りました。」
ユーリ»「ユーリ・ストレガ・ロズグランデと申します、その肌の色は…ドライアドなのでしょうか?」
緑の肌とか魔族にもいるが、また違う雰囲気がある。
イルーグ»「はい、ドリアードと呼ぶ者も居りますね。」
モット»「それでどうしたのです?珍しい客人よ。」
イルーグ»「この地を守りたいんだろ?私達に里を譲っては貰えないだろうか?と言う話をしに来たんだよ。どうだろうか?」
モット»「国王様、このドライアド達は古くから狐の里と友好関係にある者達です。」
ユーリ»「譲れと言われても、私はこの里で作れる物が欲しいんであって、譲る事はできません。」
イルーグ»「我々ドライアドは森に住む精霊、ずっと森に住んでいるのだけど、この地は森の中より土の生命力が強い、それに住人を見ていたら私も住んでみたくなった。居なくなるのなら譲って欲しいんだ。」
モット»「イルーグ、私達は居なくなるワケではない、ここの作物を守る為に少しだが残る。」
イルーグ»「それは我々が守るのではイケナイのかな?話を聞いていたけど、王様は作物は守りたいけど人を残したくないんじゃないのかな?」
この里を管理してくれるなら有難いが、作物が手に入らないなら意味は無い。
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