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330 狐の隠れ里⑤
しおりを挟むこの地を離れたくないかも知れない、強引に連れて帰る気はない。
ユーリ»「生活環境が変わるのでムリにとは言いません、どうですか?と言った感じなので、嫌なら嫌で構いません。国は裕福では無いので今より生活水準は下がるかも知れませんが、私はこう思うのです、通常は産まれるのは1人、ですが同じ親から同じ時に複数人が産まれたのには何か理由めいた物が有るのでは無いか、1人では出来ない事を2人なら出来るかも知れない、同時に3人が産まれたなら3人で出来る事が有るかも知れない、1人ではない何かが双子や三つ子、兄弟には有るのかも知れないと思っております。もちろん双子の1人が弱い存在ではないとも思っております。」
狐»「子供達が普通に街を歩けるのか?」
ユーリ»「はい。都とは言えない寂れた場所ですが、双子に不吉だの変な文句を言った者はぶっ飛ばします。」
狐»「俺達がここを離れたら薬草が全部ダメになるな…。」
ユーリ»「薬草ごと引っ越す事も不可能ではないんですけど…かなりの手間暇が…。」
ラナ»「何に効く薬草なのですか?」
狐»「たまに腹が痛くなる時に煎じて飲むんだ。」
ユーリ»「あ、虫下しの薬なんだ。」
狐»「むしくだし?」
ユーリ»「お腹の痛くなった人が居たんで薬師に見てもらったんですが、お腹に虫が居たらしく薬で治ったみたいです、それと同じ効果のある薬草なんだ、これ狐さんには無くてはならない薬草なのでは?」
モット»「そうですね、それを聞いたら枯れさせたくないですね。」
狐»「薬草ごと引っ越すって、どうやるんだ?」
モット»「ゼント、国の王様だぞ、なんだその喋り方。」
ユーリ»「あ、気にしないので大丈夫ですよ。」
ラナ»「変な王様なので大丈夫です、喧嘩腰だと我々が黙っておりませんが。」
ゼント»「…すまん…。で、薬草ごと引っ越すってのはどうやるんです?」
ユーリ»「木の箱なんかに土ごと薬草を入れて運ぶんです、まぁ小さい薬草畑って感じでしょうか、箱のままでも栽培は出来ると思うので、植え替えられる場所は気にしなくても良いんじゃないでしょうか、あの街に植え替えられる場所は無いでしょうけども…。」
狐»「街の皆は今どんな暮らししてますか?」
モット»「夜はバカ騒ぎ。」
ラナ»「( *´艸`)プッ」
モット»「みな普通に暮らしてるよ、ここに居るより賑やかだな、店も出来始めてるし、これからなんじゃないか?」
ユーリ»「あまり裕福な生活はさせてあげられませんが、改善して出来るだけ良い国にして行けたらと思ってます。」
モット»「お前達の作ってる酒でも持ってってやれ、喜ぶんじゃないか?」
ユーリ»「お酒作ってんの!?」
狐»「自分達で飲む分ぐらいしか作ってないです。」
ユーリ»「それは?売る気なら大量に作れると?」
狐»「場所と道具があれば作れなくもないですが…。」
ユーリ»「そのお酒、少し飲ませて頂く事は?」
狐»「持ってきます。」
狐の酒とか美味しければ売れるんじゃない?
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物語の公開を始めてから1年が過ぎました。
お読み下さっている方々、誠に有難うございますm(*_ _)m
チマチマとショボい別のお話も書いていきますので、また読んで下さい
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