上 下
339 / 420

330 狐の隠れ里⑤

しおりを挟む

この地を離れたくないかも知れない、強引に連れて帰る気はない。


ユーリ»「生活環境が変わるのでムリにとは言いません、どうですか?と言った感じなので、嫌なら嫌で構いません。国は裕福では無いので今より生活水準は下がるかも知れませんが、私はこう思うのです、通常は産まれるのは1人、ですが同じ親から同じ時に複数人が産まれたのには何か理由めいた物が有るのでは無いか、1人では出来ない事を2人なら出来るかも知れない、同時に3人が産まれたなら3人で出来る事が有るかも知れない、1人ではない何かが双子や三つ子、兄弟には有るのかも知れないと思っております。もちろん双子の1人が弱い存在ではないとも思っております。」

狐»「子供達が普通に街を歩けるのか?」

ユーリ»「はい。都とは言えない寂れた場所ですが、双子に不吉だの変な文句を言った者はぶっ飛ばします。」

狐»「俺達がここを離れたら薬草が全部ダメになるな…。」

ユーリ»「薬草ごと引っ越す事も不可能ではないんですけど…かなりの手間暇が…。」

ラナ»「何に効く薬草なのですか?」

狐»「たまに腹が痛くなる時に煎じて飲むんだ。」

ユーリ»「あ、虫下しの薬なんだ。」

狐»「むしくだし?」

ユーリ»「お腹の痛くなった人が居たんで薬師に見てもらったんですが、お腹に虫が居たらしく薬で治ったみたいです、それと同じ効果のある薬草なんだ、これ狐さんには無くてはならない薬草なのでは?」

モット»「そうですね、それを聞いたら枯れさせたくないですね。」

狐»「薬草ごと引っ越すって、どうやるんだ?」

モット»「ゼント、国の王様だぞ、なんだその喋り方。」

ユーリ»「あ、気にしないので大丈夫ですよ。」

ラナ»「変な王様なので大丈夫です、喧嘩腰だと我々が黙っておりませんが。」

ゼント»「…すまん…。で、薬草ごと引っ越すってのはどうやるんです?」

ユーリ»「木の箱なんかに土ごと薬草を入れて運ぶんです、まぁ小さい薬草畑って感じでしょうか、箱のままでも栽培は出来ると思うので、植え替えられる場所は気にしなくても良いんじゃないでしょうか、あの街に植え替えられる場所は無いでしょうけども…。」

狐»「街の皆は今どんな暮らししてますか?」

モット»「夜はバカ騒ぎ。」

ラナ»「( *´艸`)プッ」

モット»「みな普通に暮らしてるよ、ここに居るより賑やかだな、店も出来始めてるし、これからなんじゃないか?」

ユーリ»「あまり裕福な生活はさせてあげられませんが、改善して出来るだけ良い国にして行けたらと思ってます。」

モット»「お前達の作ってる酒でも持ってってやれ、喜ぶんじゃないか?」

ユーリ»「お酒作ってんの!?」

狐»「自分達で飲む分ぐらいしか作ってないです。」

ユーリ»「それは?売る気なら大量に作れると?」

狐»「場所と道具があれば作れなくもないですが…。」

ユーリ»「そのお酒、少し飲ませて頂く事は?」

狐»「持ってきます。」


狐の酒とか美味しければ売れるんじゃない?


━━━━━━━━━━


物語の公開を始めてから1年が過ぎました。

お読み下さっている方々、誠に有難うございますm(*_ _)m

チマチマとショボい別のお話も書いていきますので、また読んで下さい






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。    

来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。

克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...