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しおりを挟む新街へ行くとセリスティアが家の前でティアと遊んでいた。
ユーリ»「こんにちは、すごい可愛がってるね。」
セリスティア»「こんにちは陛下、もう可愛くてずっと遊んでいます。」
ユーリ»「また入荷するからティアの友達が増えるかもよ?」
セリスティア»「そうなのですか?楽しみです♪陛下が街においでになるのは珍しいのではないですか?」
ユーリ»「ここにはセリスティア達しか住んでないしね、あまり顔を出すと嫌がられるかもだし。」
セリスティア»「そんな事は御座いませんよ?」
ユーリ»「今日はマイズトーレ国から王と姫の返還要求があった事を伝えに来たのよ。」
セリスティア»「そうなのですね、私は死んだと伝えて下さいまし。」
ユーリ»「一応、謎の軍隊が現れて連れて行かれた事にしたよ。」
セリスティア»「謎の軍隊ですか?そんな言い訳が通るのでしょうか?私は帰りませんよ?」
ユーリ»「実際に謎の軍隊は居たのよ、1000人ぐらいの規模で。」
セリスティア»「それは私が人質の為に出向いていると知っていての行動ですよね?」
ユーリ»「マイズトーレの軍かは不明だけどね?」
セリスティア»「マイズトーレで間違いないでしょう、他国はロズグランデ国を恐れて手出ししないはずです。」
ユーリ»「そうなんだね、人間の国の事は解らないから、良く知らないんだよね。」
セリスティア»「ロズグランデ国と対等な立場になりたいと思う国は多いでしょう、ですが交渉に失敗すれば国が滅ぶと考えれば迂闊に近づけないはずです。」
ユーリ»「私そんなに怖がられてるんだね、ワザとしたんだけども。」
セリスティア»「ほぼ陛下の思惑通りではないでしょうか?ごく一部ですが愚かな国が王女交換に失敗して滅亡の危機にありますが。」
ユーリ»「早くも人間を愚かと言い出したわよ?」
セリスティア»「ロズグランデは人口こそ少ないですが素敵な国だと思います、こんな可愛いお家を作れるのですよ?人間の国では考えられません。」
ユーリ»「お。可愛い?ありがと、設計したの私♪」
セリスティア»「そうなのですか?お部屋の壁にお花の絵は素晴らしいです♪とても可愛いくて気に入っておりますよ♪」
ユーリ»「え?絵?」
セリスティア»「あら?ご存知ありません?お部屋の壁いっぱいにお花の絵が書かれていますよ?」
ユーリ»「それ見させてもらっていいかな?」
セリスティア»「はい、こちらです。」
案内され家の中に入ったが普通の壁だった、更に奥へ進むと部屋の壁の1枚に綺麗な花の絵と言うより花畑の絵が書かれており、とても素敵な空間に見えた。
ユーリ»「この絵って、ここだけ?」
セリスティア»「寝室にしている部屋にも御座いますよ。」
その絵を見せてもらったが、こっちは花畑ではなく花の絵が壁1枚にいっぱい書かれていた。
ユーリ»「すごいねこれ…。」
セリスティア»「この絵はドワーフさん達が描かれたのでしょうね、とても素敵です。」
ユーリ»「これ書いたのドワーフじゃない、私が使ってる奴隷達だよ。」
セリスティア»「あ、焼肉で居た奴隷さん達でしょうか?」
ユーリ»「そうそう、彼等に家の色付けを頼んだのよ、家の中まで手を入れてたとは知らなかったわ。」
セリスティア»「あの、叱らないであげて下さい、私は気に入ってますので。」
ユーリ»「叱らないよ、むしろ嬉しいわね、自分達で考えて家を良くしようと頑張って書いたんだろうね、後で褒めとくよ。」
セリスティア»「ホッとしました、私のせいで叱られるかと思いました。」
ユーリ»「もっと書いて欲しいなら頼んでみたら?」
セリスティア»「良いのですか?お借りしているお家ですよね?」
ユーリ»「都合が悪ければ絵の上から白か何かを付ければ消えるじゃないの。」
セリスティア»「そうですね、陛下のお許しが有れば無敵ですね。」
2人でクスクス笑って旧街に戻った。
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