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王が捕まってようが知った事ではない。

ユーリ»「知りませんよ、貴方達はロズに兵を向けたんで、仮に王が捕まってて助けたとしても私が国を消滅させるから助け損ですね。」

グランツ»「それは我が国の兵か分からないだろう?」

ユーリ»「だとしても、お前の国が我が国に接触してきた事により、ロズに害を成した事に変わりない。」


アカガネが小さくなって戻ってきた。


アカガネ»「焼くのは兵だけで良かったのだな?」

ユーリ»「うん、ありがと、アルザのとこ戻る?」

アカガネ»「そうだな、また用が有れば呼ぶがよい。」


ゲートを開いてアカガネを飛ばして潜らせた。飛んでる姿が可愛いのよ。


ユーリ»「さて人間よ、お前に国の命運を左右する事柄を決定する権限は無いだろう、ここで死ぬか、王を助けに行って死ぬかだな。」

グランツ»「国がどうなっているのか解らない、手を貸してもらえないだろうか?」

ユーリ»「王の偽物を寄越して私を騙しといて手を貸すワケないだろ、どんだけ厚かましいんだ人間って。」

グランツ»「王が危険な場所へ赴く事は、余程の事だ。」

ユーリ»「あ、それ言っちゃう?ロズとの交渉は、お前の国にとって大した問題では無いって事だな?それで手を貸せと?無いな。」

グランツ»「クッ  では引き上げさせてもらう。」

ユーリ»「お前だけ1人で帰れ。残りは置いて行け。」


と言ったら、偽王の護衛みたいなのが剣を抜いた。で、睨んだら倒れた。え?


グランツ»「なにをしたッ!?」

ユーリ»「意地汚い人間と会うのに何の準備もしていないと思ったのか?この部屋には私に剣を向けた者を失神させる術が施されている(嘘)」


多分、威嚇の魔眼とやらだろうが、わざわざ教える義理はない。


ユーリ»「ガイツ、マイズトーレの人間を全て捕らえろ、抵抗するなら殺せ。」

ガイツ»「ハッ 」

ユーリ»「グランツと言ったか?国の王に剣を向けたんだから、当然それなりの処罰はあるよね?」


ラナ»「ユーリ様、馬車の中に王女も居るそうです。」

ユーリ»「え~、なんで連れて来るかなぁ。」


無抵抗の者を拘束してエントランスホールに集めてもらった。


ユーリ»「あんた王女なの?」

女»「はい、マイズトーレ国、第3王女セリスティアと申します。」

ユーリ»「こないだ帰した子?なんで来たのよ?」

セリスティア»「国の決めた事です、私に拒否権は御座いません。」

ユーリ»「アンタそれでいいの?」

セリスティア»「私は国の道具として育てられました、何も持たない私には抗う事は出来ないのです。」

グランツ»「ロズグランデの王よ、せめてセリスティア様だけは何もしないで欲しい、頼む。」

ユーリ»「お前は王女の従者なのか?」

グランツ»「いや違う、だが、頼む。」

ユーリ»「条件がある。」

グランツ»「…私に出来る事ならば。」

ユーリ»「王女の従者となり、この国で2人で暮らせるか?」

グランツ»「なにをッ!?」

ユーリ»「どうせ国に返しても道具のままなんでしょ?」

セリスティア»「私はこの国に残ります。」

グランツ»「姫様ッ!」

セリスティア»「グランツ、ロズグランデ王の仰る通り、私は国に帰っても道具としての扱いは変わりません、ならばここで生きてみようと思うのです。」

ユーリ»「王女じゃなくなるんだよ?」

セリスティア»「スッキリすると思います。」

ユーリ»「アンタどうすんの?姫様1人じゃ野垂れ死ぬよ?」

グランツ»「解った、姫様をお守り致します。」

ユーリ»「マイズトーレと連絡は取らない事、他国へ行くのは良いけど、姫が生きてると知られれば連れ戻されるから気をつけなさい。ガイツ、2人の縄を解いてやってくれない?」

ガイツ»「いつもながら、お優しいのですね陛下。」

ユーリ»「普通じゃない?」

ラナ»「普通、王族等は国との交渉の道具ですよ。」

ユーリ»「交渉する気ないから別に居なくても問題ない。」


セリスティアとグランツを解放。









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