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しおりを挟む鉱石に氷の魔法を吸い込ませ、冷気が出せるか実験してみた。
…が、普通に失敗。
ユーリ»「鉱石には属性的な付与は出来ないのか。」
ラナ»「そんなうまい話ないですよ。」
ユーリ»「そうだよねぇ~。地下の貯蔵室は何か冷やす道具とか使ってるの?」
シルフ»「地下室には、魔鉱石を使って水で氷を作る装置がありますので、その氷で室内の温度を下げております。」
ユーリ»「その装置って大きいの?」
シルフ»「そうですね、この執務机ぐらいでしょうか?」
けっこうデカい、馬車に積むのはムリそうだ。
ユーリ»「小さい装置は無いの?」
シルフ»「厨房に小型化した製氷装置はございますが。」
その製氷装置を使って馬車を保冷車に出来ないかな?ちょっと冷やすには弱いかなぁ…。
厨房の製氷装置が どれ程の性能なのか見に行ってみた。
「これが製氷装置です。」
料理長のコレルさん(ユーリは名前を忘れている)に製氷装置を見せてもらい、馬車の車内を冷やすには弱いと判断した。
ユーリ»「ありがとう、お仕事の邪魔してごめんなさい。いつも美味しい料理をありがとうございます。」
と言って厨房を出た。
もう少し大きめな製氷装置なら冷やす事は出来るかも知れないと思い、シルフに種類が有るか聞いてみた。
シルフ»「大きさですか?いろいろ御座いますが、どんな物が良いのですか?」
ユーリ»「馬車に積めて、場所を取らない製氷装置?」
シルフ»「馬車に積んで場所を取らない製氷装置なんて無いです。」
ユーリ»「デスヨネー。」
いろいろ考えたが、天井に吊るすか、屋根の上に置けばスペースは確保できて、冷気は下に降りるので良いのではないか?と考えた。そして程よい大きさの製氷装置を取り寄せ、馬車を見に行った。
ユーリ»「皆さん馬車はどんな感じですか?」
奴隷»「あ、領主様、いま壁の隙間を埋めて乾かしてる所です。」
ユーリ»「天井に扉は付いてます?」
奴隷»「はい。先に付けてから埋めましたので。」
ユーリ»「見てみても良いですか?」
奴隷»「それは構いませんが、領主様は馬車の上に登れないのでは?」
ユーリ»「飛べますから大丈夫ですよ?」
奴隷»「え?飛べる?」
ユーリ»「はい、こんな感じで。あ、パンツ見ないで下さいね?」
奴隷»「あ、すいません、見えてませんッ 」
奴隷さん達はクチを開けて私が飛ぶのを見ていた。天井から馬車の中を覗いてみたら、床が手付かずに感じた。
ユーリ»「床は埋めてないのですか?」
奴隷»「床も埋めるのですか?」
ユーリ»「はい。馬車の隙間を天井の扉以外は全て埋めて下さい。」
奴隷»「わかりました、すぐに取り掛かります。」
ユーリ»「急がないので、怪我の無い様に安全に作業して下さいね?」
奴隷»「奴隷の俺達なんかに お慈悲を ありがとうございます。」
ユーリ»「貴方達を奴隷として見た事はないですょ?」
奴隷»「領主様は、お屋敷の皆さんの言う通りお優しいです、ありがとうございます。」
奴隷さん達は深々と頭を下げた。
ユーリ»「優しいかは分かりませんけど、私は普通にしてるだけですよ?」
奴隷»「普通は奴隷の怪我なんて気にしませんよ。」
ユーリ»「奴隷として見てないので普通なのでは?」
などと話をして親交を深めておいた。
馬車が出来るまで、もう少しのようだ。
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