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しおりを挟む密偵さん達の話し合いが終わったようで、リーゼが戻ってきた。
リーゼ»「話が纏まりましたのでご報告します、候補は2名、以前のお屋敷に居た時に2人の身辺調査は行っておりますが、お姉様の許可が出次第、セリスとハンナが候補の再調査へ向かいます。」
ユーリ»「2人居るんだ、どっちか1人にするの?」
リーゼ»「2人でも宜しいのですか?」
ユーリ»「多ければ、それだけ分散して動けるって事でしょ?」
リーゼ»「はい、今は他領との接触は少ないですが、いずれ増えてくるはずですので、密偵が多くても使い道は御座います。」
ユーリ»「分かった、2人でもいいよ?セリスとハンナに旅費を渡してあげたいんだけど、いいかなシルフ?」
シルフ»「承知しました。」
リーゼが傍に居ると密偵との連絡係にもなるんだな、あ…リーゼに部屋が必要なのでは?
ユーリ»「ラナ、リーゼと初めて会った部屋を使ってもいいかな?」
ラナ»「問題御座いません。リーゼにですか?」
ユーリ»「察しがいいね、掃除してあったみたいだけど、すぐ使える?」
ラナ»「はい、使えます。」
ユーリ»「リーゼ、寝てないんじゃない?少し寝ておいで。」
リーゼ»「私に部屋を?屋根裏で十分ですが…。」
ユーリ»「屋根裏のが落ち着くんなら、別に構わないよ?でも部屋はあそこを使ってね?密偵のたまり場にでもしなよ。」
リーゼ»「有難く使わせて頂きます。」
ユーリ»「私の事は気にしないで寝ておいで。」
リーゼ»「では少し失礼いたしましす。」
シルフがリーゼにセリスとハンナの旅費を渡して、リーゼが下がって行った。
ラナ»「ユーリ様はリーゼを可愛がってますね、羨ましいです。」
ラナが白々しい事を言ってきた。
ユーリ»「じゃラナも抱き枕になる?」
ラナ»「リーゼに背中からサクッと刺されるので遠慮します。」
ユーリ»「嫉妬に狂う女みたいな言い方しないの。」
ラナ»「リーゼは多分ユーリ様の事が好きですよ?」
ユーリ»「それは主としてでしょ。」
ラナ»「どうでしょう。」
ユーリ»「え?あの子 同姓愛者じゃないでしょ?」
ラナ»「そうしたのはユーリ様ですよ?」
ユーリ»「え…? そんなワケないでしょ。」
ラナ»「洞窟の褒美に自分が抱き枕側なんて貰いに来ませんよ普通。」
ユーリ»「……。」
まさか…まさか? リーゼの行動を思い返してみると、たしかに抱き枕側とか変だよね?いや抱き枕する側でも変だが、なんかモヤモヤするなぁ。こんなん本人に聞いて違ったら恥ずかしすぎるから聞けん。
ユーリ»「もしリーゼがラナの言う通りなら…いや、どうにも出来ないから現状維持で。」
ラナ»「そうですね、リーゼには日陰者で居てもらいましょう。」
ユーリ»「変な言い方しないで。」
何とも言えない空気が漂ったので、話を切り替えた。
ユーリ»「そう言えばさ、密偵候補の2人ってラナは知ってるの?」
ラナ»「はい、私の所にも連絡は来ておりましたので、ルーネス達と話はしました。」
ユーリ»「どうなの?」
ラナ»「お姉様のお眼鏡にかなうかは存じませんが、良い子達だと私は思います。」
ユーリ»「何?あんたも私が好きなの?」
ラナ»「主として敬愛しておりますよ、ご主人様。」
ユーリ»「なんか痒い。」
ラナ»「え~ッ 」
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