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―アルザ―side―
しおりを挟むお疲れ様で御座います。
アルザと申します。
ご主人様と出会う前の話は省きます、産まれながらの奴隷商品だったので、檻の外の事は知らないのです。奴隷商の館から麻袋に詰めて連れて来られ、大きな街で売られていました、みんな私を見ているだけで、誰も買おうとしません、私的には買われない方が良いのですが、あまりにも売れないと処分される可能性があるのです。
なかなか買うと言う人が現れない中、売られ始めて2日目に3人の女の人が近づいてきました。
男»「買うのか? あんた人間種だろ、人間が獣人を買うのかよ。」
私を売っていた男が話しかけた。
シルフ»「そこの者。キサマごときゴミが話しかけて許される御方ではないぞ、膝をついて首を前に出せ。」
どうやら偉い人だったらしく、怒らせてしまったみたいだ。
偉い人?が2人を宥めて男に話しかけた、私を買うみたいだ。
ユーリ»「お名前は?」
怖い、これから私どうなるんだろう。
シルフ»「ユーリ様がお前の名ま/ ユーリ»「シルフ、いいから。」
「はぃ。」
あれ?怖くないのかな?
ユーリ»「貴方のお名前を聞かせて下さい。」
アルザ»「あ、ありません。」
産まれただけで名前は貰ってない。
ユーリ»「え?名前ないの?」
アルザ»「はい。ありません。」
それから、大きいお屋敷に連れて行かれ、お風呂と言う場所に行き、めちゃくちゃ洗われた…。その時に前世の記憶を朧気だが取り戻した、と言うより思い出した。バレない様にしなきゃ、気持ち悪がられて捨てられるかも知れない。それからダボダボの服をきせられ、さっきの人達の居る部屋へ連れて来られた。
ユーリ»「おかえり、綺麗になったかな?」
あれだけ洗われたら綺麗になったと思う。
アルザ»「……はい……」
ラナ»「ユーリ様、非常に珍しい純血統のルナールではないでしょうか?女の子だそうです。」
珍しい?るなーる?なにそれ?
ユーリ»「そーなの? 男の子かと思ってた、ごめんね。」
アルザ»「……はい……」
どっちでもいい。それからご主人様らしき人に名前を付けてもらった、アルザと言うのが私の名前だ。一緒に寝るらしい。
朝、目が覚めたらご主人様はまだ寝ていた、初めて安心して寝られた気がした、不思議な人だなと思いながら見ていたら、ご主人様が起きた。朝の挨拶をした、前世の記憶があるから理解できたが、記憶がなければ挨拶だと気がつかないだろう。これから私はここで何をするんだろう…。
アルザ»「あの……」
ユーリ»「ん?どした?」
アルザ»「なにを…すればいい…ですか?」
ユーリ»「そうだねぇ、ここの生活に慣れる事かな?」
ここの生活に慣れる?仕事をさせる為に連れて来たんじゃないの?
アルザ»「……はい……」
ユーリ»「ゆっくりでいい、少しずつ慣れてけばいいから。」
アルザ»「……はい……」
よく分からない、言われた通りにすれば、あまり酷い事はされない気がする。
ユーリ»「ちょっといい?」
急に首輪を上に持ち上げられた、痛い事されるッ
ユーリ»「ごめん、痛かった?」
あれ?されない?痛くない。
アルザ»「……いたくない…です……」
頭を撫でてくれた、気持ちいい。
ユーリ»「膝の上おいで?」
アルザ»「……はい……」
ご主人様の膝の上に乗るって、いいのかな?昨日の2人が怒らないのかな?
年齢を聞かれて6才と答えた、確か6才のはずだ。暫くすると部屋の扉を叩く音がして、昨日の2人が入って来た、私はご主人様の膝の上…怖かったので、とっさにご主人様の服を掴んでしまった。だが怒られる事なく、ご飯が出てきた、今世で初めて食べる綺麗なご飯、美味しかった。ご飯の後、高そうな服を着せてもらい、喜んでいると。
ユーリ»「ねえラナ、この首輪って外せないかな?」
え?
ラナ»「外せますよ?」
え?
ユーリ»「ちょッ!? なによその普通に取ればいんぢゃね?みたいな言い方ッ!! 外してよッ!!」
ラナ»「通常は外しませんし、付けたままだと思っておりました。」
ユーリ»「これ外したらアルザは自由になるじゃない。」
え?自由?私、奴隷じゃなくなるの?
ラナ»「首輪を外しただけでは自由になりませんよ?」
なんだ…喜んで損した。
ユーリ»「え? 首輪って奴隷の印みたいなもんで、外せば奴隷解放じゃないの?」
ラナ»「奴隷は右太股の外側に焼印が押されます、左の肩は犯罪奴隷です、首輪を外しても奴隷に変わりありませんよ。」
焼印?された覚えない。ご主人様が服を捲って確認した、ちょっと恥ずかしい。と思ってたら首輪が外れた。
ユーリ»「?どれ?」
ラナ»「ありませんね、着替えの時に有る物と思って見てませんでした、さすが盗品、焼印を押される前に盗まれたって所でしょうか?」
あ、私、あの時 売る為に持ち出されたんじゃなく盗まれたのか。
ユーリ»「盗品言うなッ!! でも良かったぁ、焼印なんか押されてたら消せないじゃん。せっかく手触りいい肌なのに。」
え……。その為に私をお屋敷に連れて来たの?
でも、我慢すればここに居られるかも知れない、イヤラシイ事でも我慢すればご主人様に痛くされないかも知れない。気持ち悪いオヂサンじゃないから我慢できるかも知れない。
優しそうなご主人様の性的なお勤めの覚悟をしてたら、出かける事になった、馬車に乗るのは今日で2度目だ、1度目は昨日だが…お屋敷から街まで少しの距離を馬車で移動する贅沢な暮らし、ご主人様は何者なんだろう?見た感じは街に居る人と同じ様な服を着ているので分からない、角も無いし耳も人間の物だ、この世界にも人間は居るんだな。
馬車が止まった、降りてみると何かの店みたいだ、入ってみると服屋さん?ご主人様が私の服を買うみたいだ、1着の服を小さい部屋で着せられた、しっぽ穴が開いてる服は初めてだ。小さい部屋を出ると、ご主人様の機嫌が良いのか私をみて喜んでる様に見える。
机の上を見るといっぱい山になって服が積んである、これ全部買うのかな?同じ店にあった小物も買うみたいだ、私が何も持ってないにしても、これは買いすぎなのでは?と思う量だった、それから店を出て少し歩いていると、カメの人形が飾ってあるのを見つけた、人形屋でカメの人形を見てたら、ご主人様が買ってくれた、悪い事する人じゃないのかも。
人形を買って貰っただけで良い人と思うのは単純だろうけど、凄く嬉しかったのだ、この生活を続けられるならば、ご主人様へのお勤めぐらい頑張れる気がする。痛いのは嫌だけど、ご主人様は嫌な事しない気がする。
がんばれるッ!!
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
アルザ目線のお話は、もっと後に出そうかと迷ったのですが、素人がタイミング良く繋げられるのか?などとビビってしまい、ここで出します(๑و•̀ω•́)و
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