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新入社員を迎えてから数ヶ月、ゼクシアは2年生になった。

新入生歓迎ダンスパーティーがまた始まる。


「見て、あの方がゼクシア様よ!!」

「ゼクシードのデザイナーなんでしょ?」

「バカねオーナーよ。オーナー兼デザイナーなの!!」


とかヒソヒソ囁かれているが、割と近距離なので丸聞こえである。
とりまスマイル攻撃☆


(俺なんで女なんだろ…。今モテてない?入れ食いぢゃね?食い放題ぢゃね?)


不埒なゼクシアさんでした。

ダンスパーティーが終わり、寮へ戻ったゼクシアは、さっそくシャンテに抱きついている。


「お疲れ様でしたゼクシア様。」

「幸せ♡」

「今年からマシル様も寮生活で、廊下でそのような事をするので見られてますが。」

「Σ(゚Д゚)ゥオッ!!」

「お疲れ様です( ≖_≖​)ゼクシア様の性癖を垣間見ました。」

「( ー̀罒ー́;) 性癖ゆーな…」

「それはさて置き、ゼクシードモデルの事でお話しがありまして。」

「ごめん、部屋どぅぞ。」

「有難うございます。」


とりあえずマシルに着替えを渡し、シャンテにお茶を入れてもらい、落ち着いた頃に話しを聞く事になった。


「で?ゼクシードモデルの事って?」

「はい、私がゼクシードのプロモーションモデルをしている事、けっこう知られてまして、どうやったら自分もモデルになれるのかとダンスパーティーで複数人に詰め寄られまして。」


(あれだけロゴを強調して入れたモデル用の服だから、そりゃ見りゃ分かるよね。パーカーなんて背中に[どーん]だし。)


「それはマシルだからだよ。」

「え?」

「マシルだからゼクシードのモデルに選んだんだよ?シャンテは私の腹心だし、レイシルさんはゼクシードのお客様第1号だから。」

「ではモデルは増えないんですね?」

「増やす予定はないかな。」

「良かったぁ~、あまり増えたらクビになるかと思いました。」

「モデルになったら服が貰えるんだよ?そんなにバカスカとモデル増やしたら誰も買わなくなって店が潰れるじゃないのw   マシルには可愛い系を担当してもらってるから、デザインが増えまくったら、マシル1人じゃムリなんでモデルも増えるかもだけどね。」

「‪Σ( ˙꒳​˙ ;)ビク‬」

「まだ増えないし、増えたとしてもマシルには続けて欲しいと思ってるよ。」

「しがみつきます( *˙ω˙*)و グッ!」

「マシルは可愛い系で、シャンテは清楚系、レイシルさんは大人の女性系?これから増えるとしてもレイシルさんのテリトリーだと思うよ。」


シャンテにマシルの侍女さんを呼んできてもらい、一緒にお茶をしたら、侍女さんの手が震えてます。


「パテル、ゼクシア様は怖い方ではないから大丈夫よ。」

「怖くないですよ:( ;´꒳`;):プルプル」

「ゼクシア様、普通、侍女は主人とテーブルを共にしません。」

「すいません。」

「あ、シャンテさん、パテルはゼクシア様が怖いんじゃなくて、前にいた屋敷でちょっとあったんですよ。」


(前に勤めてた家の令嬢に何かされたって所かな?トラウマになるほどに。)


「その令嬢、使用人が頑丈な道具にでも見えてるんでしょうね。で、ガイゼル家で雇ったと。」

「はい、私と名前が似てますし歳も近いので、寮での私の侍女を頼みました。」

「マシルさ、服どうしてる?コレクション?」

「はい、アレンジを着て、ベース服は部屋のクローゼットに保管してます…あ。」

「侍女さん連れて街で遊ぶとかしてみたら?マシルが良いと思った子なら、着せていぃし、譲ってもいぃんだよ。」

「 - ̗̀(˶'▽'˶) ̖́- 」

「どうせ1シーズン、その時しか着ないんだから、せいぜい店の宣伝してね(*^^*)」

「もう着ちゃダメなんですか?」

「ダメじゃないけど、どんどん出てくる新作デザイン着る機会が減るでしょ?」

「( ゚д゚)オッ!」

「1つのデザインにベースとアレンジの2着3着あったりするしねw」


楽しい突然のお茶会でワイワイ騒ぎ、マシル達はゴキゲンで帰っていった。

とりあえずパテルには怖がれなくなった気がする。


◇◆◇◆◇◆◇◆


いつものように中庭で昼食を取って寛いでいる。

変な集団きたよ?

聖女だ。なんか増えてないか?


「ごきげんようアーレンツ様。」

「ごきげんよう聖女様。」


(こいつ何がしたいんだ?)


「最近リーグラム様とはどうです?仲良くしてらっしゃいます?」


(お?いま名前で呼んだ?王族を本人の許可なく名前で呼ぶのは不敬罪になるんだぞ?なに?横取りしてくれんの?w)


「特に仲が悪いワケではありませんよ?」

「そうですか、では。」


(なんやねん(イラッ)  あれ?いま魔力を感じたぞ?)


「どうかされたのですか?」

「マシル、魔力って感じ取れる?」

「微量の魔力は感じ取るのはムリですね。」


(マシルは気がついてないって事は、微量の魔力を放出してるのか、回復魔法以外に何か使える魔法あるのか?微量の魔力を流し続ける魔法…なんだそれ?)


「聖女に気をつけてねマシル。」

「はい、あの人、なんかイヤなんで近付いたりはしませんよ。」


(相手から近付いてくるパターンもあるんだよね。あ、身体強化の魔法か?どこか悪いなら自分で治せるか。それにしても、マシルはガン無視ってより、居ないモノとしてたなアイツ、パテルにちょっかい出されるよりマシだけどな。)


モヤモヤする昼休みでした。








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