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何事も「ごめん」で済む訳ではない。6

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⌘ ミシャル視点 ⌘

「ミーシャ、来月には隣国の使節団がレクシェルに来るなんだが…」

「丁度、祭りの日と重なり合いますね…」

ルドと一緒に政務の話をしていると、いきなり扉が開き、挨拶も無しにカリエスが乱入してきた。

「陛下、これは、どう言うことですか?アゼイルが王太子剥奪とは…しかも王族に向かって損害賠償を請求するとはザイゼル公爵は付け上がっております!」

「カリエス、私は王妃と政の話をしている最中だ。ノックや挨拶もせず乱入する君の方がの身分でありながら礼儀を弁えてない方に問題があると思うのだが…」

ルドルフは突き刺すような口調で言葉を放った。

「っ‼︎もっ申し訳ございません…つい感情的になってしまいまして…」

「それにアゼイルの王太子剥奪?ザイゼル公爵家が損害賠償請求とは何の話だ?」

「あのっ(汗)いえっ…私の聞き違いかもしれません…」

「カリエス、答えられないのか⁈」

ジリジリとカリエスは後ろへ下がる。

「側室のお前に私は何の権限も与えてない筈だが…使用人達に対しての横柄な態度、王妃であるミシャルに対しての無礼な振る舞い、私が何も知らぬとでも?」

ルド、何故か怒ってるわね?
私は彼女カリエスの態度、気にしてないけど?

本来なら私と彼女の立場は逆だったから…

「暫く、自室から出ることを禁ず」

ルドルフは鈴を鳴らし護衛を呼んだ。
カリエスを自室から出さない様に託ける…そう、いわゆる軟禁を命じた。

「まさか、こうも簡単に引っ掛かるとは…王宮の体制を全体的に見直さねば…」

「ル‥.陛下、一緒に考えましょう」

私は彼の手をそっと握り励ます。

詳しく調べると、情報漏洩者は王宮内務者であるカリエスの父親と近衛隊隊長…その話を近くで聞いていた者達が、さらに噂を広げていた…

そして、近衛隊隊長はカリエスと通じ合っており、隊長の息子はメイナ パンジー嬢に懸想していた。

厄介なのはメイナは〝魅了〟の能力があるのだろうかと思うほど、アゼイルや近衛隊隊長の息子の他にも異性交流者も多く、中には他国の貴族も彼女に心酔する者もいた…

ーーーーーーーー

国王陛下から、メイナ パンジー嬢を王宮へ召喚命令が出た。

「ってぇな。離せよ‼︎」

こちらが本性かしら?可愛い見た目が台無しじゃない。

抵抗する、腹黒ちゃんを馬車に乗せ王宮へ向かう。

王宮の広間へ着くとアゼイル殿下、カリエス様、カリエス様の父親の伯爵、近衛師団長に腹黒ちゃんに心酔していた…誰だっけ?

まぁ中央に集められ、他は彼らと関わりある貴族達…

結構な人数ね。

玉座には国王陛下とミシャル様が座しており、合同演習から戻って来たフロイド様が傍に立っていた。

演習から戻って来たばかりのか更に精悍さが増したわね。

緊張感走る広間に国王陛下の声が響く。

「ここに集まる者達は、何故呼ばれたか理解しているか?」

互いに顔を見合わせザワザワと騒ぎ出し1人の貴族が声を上げる。

「国王陛下、我々は何故 呼ばれたのでしょうか?」

「ん?分からぬか?おしゃべりが悪い訳ではない…この王宮に勤める者ならば情報の扱い方はと私は思っていたが、そうでは無かった様でな、この際、人事を一掃しようと思ってな」

国王陛下の言葉に更にざわつく。

そして陛下は王宮内の情報が外部に漏れてる可能性があり、どこから漏れてるか調べる為に、3つの噂を流したことを話す。

①アゼイルの婚約解消を機にザイゼル公爵家はアゼイル、婚約解消のきっかけになったメイナ パンジー嬢に損害賠償を請求する。

②婚約解消が決まり、アゼイルを王太子を剥奪し、フロイドを王太子に擁立する。

③アゼイルと婚約解消後、ルリエラ嬢は修道院へ自ら望み神に使える事にした。

〝なんか聞いたことある話が入ってるぞ〟

〝まさか調べるための噂だったなんて〟

心当りがある者達は動揺を隠せず様々な方向へ視線を逸らした。

呆れるくらいに、おしゃべりちゃんが多いのね。

「私が言った意味は理解したか?そして…今、中央へ集められた者達は己の立場を理解しながらも愚かにも外部へ漏らす罪を犯したのだ‼︎国内だけと思っている様だが、では済まされない事が分からぬ訳ではなかろう?」

腹黒ちゃんを除き皆、口をつぐみ、ことの重大さを悟る。

陛下は、それぞれに罰を下した。
アゼイル殿下は王太子、及び継承権剥奪し王国の最果ての領主として母親カリエス様と追放。

そしてカリエス様のお父様は降爵は免れたが文官の任を解かれ王都追放された。

近衛隊隊長も任を解かれたが彼はカリエス様と恋仲って事を陛下もご存知で、彼もカリエス様達と同じ最果ての地に行く様命じた。

「カリエス、本来なら蟄居を命じれのだが、私も其方も国の習わしに躍らされた人間だ…せめて最後ぐらいは愛してくれる男と過ごすが良い…」

〝愛されてない側室〟そう揶揄されていた…。
確かに国王陛下はカリエス様をしかしに仕方なく身体を重ねアゼイル様を孕らせた事の謝罪。

しかし腹黒ちゃんだけ納得せず歯向かう。

「ねえぇ!離せってば!私はヒロインよ‼︎何でこんな仕打ちされないといけないのよ‼︎ねぇ〰︎♡アズくん助けてぇ」

「メイナ…」

アゼイル殿下は王太子、王位継承権も剥奪されたショックが強く、戸惑う。

「だって納得いかないし‼︎誰1人死んでもないんだしぃ?ルリエラさんだって婚約破棄されても平気な顔してるじゃない」

1ですって?
私はカッと頭に血が上り、ズカズカと腹黒ちゃんの前に立ち平手打ちをした。

「あんた‼︎いい加減にしなさいよ!貴女のした行動で、どれだけの人が傷付き周りに影響を与えてしまった事に自覚はないの?確かにになった人はいないわ。だけど心が壊れた人はいるのよ‼︎あんたにとっては、ただのゲーム感覚のつもりかもしれないけど、私達はこの世界で、きちんと生きているの‼︎それすらわからないの?」

「っ‼︎ルリエラさん…もしかして…」

腹黒ちゃんの言葉に被せる様に国王陛下が言葉を述べる

「メイナ パンジー嬢…いや、メイナ…其方の振る舞いは行く行くは我が国を揺るがす危険因子の恐れがある。更生しようと考える姿も無い…よって白き部屋に隔離する」

〝白き部屋〟とは貴族専用の更生施設ではなく何もない真っ白の部屋に裸で閉じ込め、幻覚作用の入った食事以外は与えず人としての尊厳を毀していき、精神破壊していく部屋らしい…一層、死んだ方がマシかと思うくらいに…

「いやー!私はヒロインよ!私は絶対に幸せにならないといけないんだから‼︎」

喚きながら腹黒ちゃんは白き部屋に連れて行かれた。

「さて、残った者達は、どうしようかのう」

「国王陛下、どうか御慈悲を」

「ならぬ」

それぞれに処罰が下された。

「これでルリエラちゃんの仇はとれたのかしらね?」

私は空を見上げて呟いた。

ーーーーーーーー

真っ青に晴れ渡る青空に白い鳩が飛び渡り王都は1番に賑わっていた。

「「「「おめでとうございます」」」」

通る度にフラワーシャワーを浴び私はフロイド様と手を振っている。

あの事件から3年過ぎ、今日、私はフロイド様と結婚式を挙げたのだった。

これでハピエンでいいのかしら?

「規矩、俺達の結婚式なのに上の空だね」

フロイド様が私を抱き寄せ甘く微笑み額にキスをする。

えっ?えっ?フロイド様ってこんなに甘かった?
いゃん♡愛されたことが無いから、どうすればいいか困るぅ。

赤面する私に更に耳元で甘く低い声で囁く。

「夜が待ち遠しいな」

「〰︎〰︎〰︎〰︎っ」

私は、さらに顔を赤くした。食べたことはあっても食べられた事無かったから。

「赤くなって可愛いな」

なっなんて破廉恥な事言ってるのにイケメンて得よねっ‼︎

歯が浮くほどの甘い言葉も虫歯にならずに心絆されちゃうし。

そうこう迎えた初夜は宵が明け朝日が昇り夕方になるまで私はフロイド様に離されず寝かせてもらえなかった…

ちょっとぉ何?フロイド様って体力お化けなの?
毎回、こんなんじゃ私、身体持たないわよっ!←嬉しい意味で。

その後はフロイド様の火傷しそうな愛情と体力で私は沢山の子宝に恵まれたの。


                 おしまい
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