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何事も「ごめん」で済む訳ではない。3
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「そうよ。私は転生者よ。この世界とは全く違うところからの…そういう殿下も転生者?」
「違うよ。俺じゃなくて母親が転生者」
「えっ?王妃様がぁ?」
何か違う設定のストーリーになってないかしら?
あっ!でも王妃様が〝転生者〟ならこの世界が乙ゲーか小説か正体がわかるわね。
「ねぇ。王妃様に謁見できないかしら?出来れば、なる早で」
「俺の一存じゃ無理だから時間をくれ」
「分かったわよ。良い返事ちょうだいね♡フロイド殿下」
少しは道が拓けたんじゃなぁい?
流石にゲームか小説か全く分からない世界に来ちゃったから、私1人では、どうする事出来ないし….
本来ならアゼイルとメイナに関わらない事が1番だけど、私はルリエラちゃんの仇を取りたい。
あんなに良い子で、一生懸命、皆の為に頑張っていた娘を貶し陥れて壊したんだから‼︎
この訳の分からない世界が許しても、この私が許さないんだからねっ‼︎
私は片足を椅子に乗せ、力強く握りしめ拳を作る。
「おい!お前、すでに令嬢が執る仕草じゃねーぞ」
「っさいわね!お黙んなさい‼︎」
私は決意を固めた…
ーーーーーーーー
皆さんこんにちは。
ニューハーフ ショーパブ〝Balon〟のムードメーカーポジのボンバーちゃんの事改め、2週間前から、筆頭公爵令嬢ルリエラ ザイゼルにジョブチェンジした、矢車規矩です。
さて、問題です。
私はどこにいるでしょうか?
正
解
は
「ルリエラ嬢、アゼイルがバカなことを言って、ごめんなさいねー。一時的な気の迷いよアゼイルにはルリエラ嬢が必要なんだから♪ほほほほほ~」
はい。
バカ太子の母親の部屋でしたぁ。
もぅなぁに?この女…ピーチクパーチク煩い…笑い声も本っ当耳障りっ‼︎
「アゼイルが、どうしても!って言ったらメイナ嬢を〝側室〟にしなさいって言ったから‼︎だからアゼイルの言葉を真に受けないで!」
この人、何言ってるのかしら?
自分自身も〝側室〟なのに、〝王太子の母〟=王妃にでもなったつもりの口調…不愉快だわぁ。
まぁ〝真実の愛〟とやらに酔いしれ婚約破棄宣言する息子より立場を理解しているから、私に取り入るのに必死なわけよね。
〝国王の子供を産んだ〟以外、カリエスの、立場は使用人と何ら変わらないし。
国王はフロイド殿下の母親であるミシャル王妃陛下を心から愛している。
現に、ミシャル王妃との間には5人の子供がいるが、カリエス側室にはアゼイル1人…
愛されてない側室と揶揄されるカリエスとしては、〝ルリエラの選択〟を逃すわけにはいかない…だから私に必死に取り繕っているわけね。
可哀想と思うけど思うだけで同情は無いわ。
カリエス側室は文官を務める伯爵家の娘として育てられ、我が儘放題に育つ。
当時、王太子だった現国王の妃の座を欲しがり婚約者候補を獲得したが、当時、国王は現王妃陛下の出身国、インディシア外交で滞在していた。
そこで出逢ったのがインディシア王女、ミシャル様…国王は彼女を一目見て息する事を忘れるくらいに心を奪われる…要は一目惚れね。
国王は滞在期間中、ミシャル様に何度も何度も告白するけど袖にされる…
異国の方を嫁に迎えるなんて国交の理由での政略結婚が殆どだしぃ〝お妃様〟の席であっても〝側室〟と変わらないからね。
しかし諦めきれない国王の出した答えは自国の婚約者候補を全て解消してミシャル様を〝王太子妃〟として迎える事が出来ないなら〝国を捨てる〟と言う大胆な事を言い出したの。
心底、惚れてるのねぇ…羨ましいわっ。
女って〝愛されてなんぼ〟だからね♡
しかし〝貴族〟とは厄介な生き物なのね…
自国の令嬢を妃に迎えるのが慣習って考える凝り固まった頑固ちゃん達ばかりがいるから…
言い方を悪く言えば
〝異国から王太子妃迎える代わりに純国産の王子を産んでね〟
とばかりにカリエスを差し向けたの。
あ〰︎貴族ってこわいっ。
カリエス様自身は〝王太子妃〟の座じゃないから不満はあるけど、国王も愛する女を守る為に〝国王の義務〟としてカリエス様を側室として迎え約束通りアゼイルが生まれたわけ…
ルリエラちゃんが、お茶会でアゼイルを見染めたから何としても〝側室〟から脱却したいわけよね。
だけど、この人、全く公務に携わらず、好き放題しているからアゼイルが仮に王太子として国の顔になっても、面汚しにしかならないと私は思うけど?
私からしたら、国王陛下と王妃陛下が可哀想だわ。
「……エラ嬢…ルリエラ嬢、私の気持ち、お分かり頂ける?」
あらヤダ‼︎カリエス側室の声が耳障りだったから色々、考えたら話の殆ど聞いてなかったわ。
「返事し兼ねます」
あっぶなぁい。勝手に返事したら、ルリエラちゃんが味わった事を、今度は私がする所だったわ(汗)
私は身体に残るルリエラちゃんの記憶とフロイド殿下から話し方を教わり自己研鑽したおかげで今の所、誰にも疑われていない。
やっぱり勉強は大事だわ…そう思った矢先に勢い良く扉が開き、挨拶も無しにアゼイルが入って来た。
「アゼイル、いくら親子でも先触れ無しに来るなんて失礼じゃなくて?」
「ルリエラが来ていると聞いて、居ても立っても居られなく、お許しを…母上…」
うわぁ…2人して演技かかってるぅ。
「ルリエラ…先日のパーティーでは悪かった…どうか、どうか愚かな私を許してくれないか」
眉をハの字に下げ許しを請う様な瞳で私の髪を1掬い取り口付けした…
い''ゃあ"~~~‼︎
ん"あ''あ''あ''
気持ちの悪いものを見たように、ゾクゾクと鳥肌が立つ…
さらにアゼイルは私の手を取り満面の笑みで取った私の手を自分の頬に当て微笑みかけた。
私はアゼイルいやクズだわ‼︎
脳内で、このクズをタコ殴りする所を想像して冷静を装う。
「アゼイル様、皆様が見ています、おやめください…」
密林の奥地で原住民から芋虫を貰って初めて口にする様な気持ち悪さっ。
コレ分かるぅ?
顔が良かろうと気持ち悪いって事‼︎
顔面蒼白になり倒れそうになった。
「あ…アゼイル様っ申し訳ございません。急に具合が悪くなりましたので帰らせていただきます」
「ルリエラ?」
「カリエス様、先程のお話は、聞かなかった事にします」
私はハンカチを口で抑え馬車に乗り込み家路に着いた。
あ"〰︎〰︎堪んないわっ‼︎
しょっ消毒しなくちゃ‼︎
私は侍女に着ていたドレスを捨てさせ湯浴みを依頼する。
何回も何回もクズが触った所を念入りに洗った。
物には罪はないけど、外的要因は排除しないとダメダメ☆
もうルリエラちゃん、あんなので絆されたの?
しかしアゼイルの態度を見る限り、カリエス様の他にメイナのアドバイスを真に受けて慌てて来たんだろう。
「やっぱり、金太郎飴みたいにクズは、どこを切ってもクズなわけね」
早くミシャル王妃陛下に会いたいと私は願った。
「違うよ。俺じゃなくて母親が転生者」
「えっ?王妃様がぁ?」
何か違う設定のストーリーになってないかしら?
あっ!でも王妃様が〝転生者〟ならこの世界が乙ゲーか小説か正体がわかるわね。
「ねぇ。王妃様に謁見できないかしら?出来れば、なる早で」
「俺の一存じゃ無理だから時間をくれ」
「分かったわよ。良い返事ちょうだいね♡フロイド殿下」
少しは道が拓けたんじゃなぁい?
流石にゲームか小説か全く分からない世界に来ちゃったから、私1人では、どうする事出来ないし….
本来ならアゼイルとメイナに関わらない事が1番だけど、私はルリエラちゃんの仇を取りたい。
あんなに良い子で、一生懸命、皆の為に頑張っていた娘を貶し陥れて壊したんだから‼︎
この訳の分からない世界が許しても、この私が許さないんだからねっ‼︎
私は片足を椅子に乗せ、力強く握りしめ拳を作る。
「おい!お前、すでに令嬢が執る仕草じゃねーぞ」
「っさいわね!お黙んなさい‼︎」
私は決意を固めた…
ーーーーーーーー
皆さんこんにちは。
ニューハーフ ショーパブ〝Balon〟のムードメーカーポジのボンバーちゃんの事改め、2週間前から、筆頭公爵令嬢ルリエラ ザイゼルにジョブチェンジした、矢車規矩です。
さて、問題です。
私はどこにいるでしょうか?
正
解
は
「ルリエラ嬢、アゼイルがバカなことを言って、ごめんなさいねー。一時的な気の迷いよアゼイルにはルリエラ嬢が必要なんだから♪ほほほほほ~」
はい。
バカ太子の母親の部屋でしたぁ。
もぅなぁに?この女…ピーチクパーチク煩い…笑い声も本っ当耳障りっ‼︎
「アゼイルが、どうしても!って言ったらメイナ嬢を〝側室〟にしなさいって言ったから‼︎だからアゼイルの言葉を真に受けないで!」
この人、何言ってるのかしら?
自分自身も〝側室〟なのに、〝王太子の母〟=王妃にでもなったつもりの口調…不愉快だわぁ。
まぁ〝真実の愛〟とやらに酔いしれ婚約破棄宣言する息子より立場を理解しているから、私に取り入るのに必死なわけよね。
〝国王の子供を産んだ〟以外、カリエスの、立場は使用人と何ら変わらないし。
国王はフロイド殿下の母親であるミシャル王妃陛下を心から愛している。
現に、ミシャル王妃との間には5人の子供がいるが、カリエス側室にはアゼイル1人…
愛されてない側室と揶揄されるカリエスとしては、〝ルリエラの選択〟を逃すわけにはいかない…だから私に必死に取り繕っているわけね。
可哀想と思うけど思うだけで同情は無いわ。
カリエス側室は文官を務める伯爵家の娘として育てられ、我が儘放題に育つ。
当時、王太子だった現国王の妃の座を欲しがり婚約者候補を獲得したが、当時、国王は現王妃陛下の出身国、インディシア外交で滞在していた。
そこで出逢ったのがインディシア王女、ミシャル様…国王は彼女を一目見て息する事を忘れるくらいに心を奪われる…要は一目惚れね。
国王は滞在期間中、ミシャル様に何度も何度も告白するけど袖にされる…
異国の方を嫁に迎えるなんて国交の理由での政略結婚が殆どだしぃ〝お妃様〟の席であっても〝側室〟と変わらないからね。
しかし諦めきれない国王の出した答えは自国の婚約者候補を全て解消してミシャル様を〝王太子妃〟として迎える事が出来ないなら〝国を捨てる〟と言う大胆な事を言い出したの。
心底、惚れてるのねぇ…羨ましいわっ。
女って〝愛されてなんぼ〟だからね♡
しかし〝貴族〟とは厄介な生き物なのね…
自国の令嬢を妃に迎えるのが慣習って考える凝り固まった頑固ちゃん達ばかりがいるから…
言い方を悪く言えば
〝異国から王太子妃迎える代わりに純国産の王子を産んでね〟
とばかりにカリエスを差し向けたの。
あ〰︎貴族ってこわいっ。
カリエス様自身は〝王太子妃〟の座じゃないから不満はあるけど、国王も愛する女を守る為に〝国王の義務〟としてカリエス様を側室として迎え約束通りアゼイルが生まれたわけ…
ルリエラちゃんが、お茶会でアゼイルを見染めたから何としても〝側室〟から脱却したいわけよね。
だけど、この人、全く公務に携わらず、好き放題しているからアゼイルが仮に王太子として国の顔になっても、面汚しにしかならないと私は思うけど?
私からしたら、国王陛下と王妃陛下が可哀想だわ。
「……エラ嬢…ルリエラ嬢、私の気持ち、お分かり頂ける?」
あらヤダ‼︎カリエス側室の声が耳障りだったから色々、考えたら話の殆ど聞いてなかったわ。
「返事し兼ねます」
あっぶなぁい。勝手に返事したら、ルリエラちゃんが味わった事を、今度は私がする所だったわ(汗)
私は身体に残るルリエラちゃんの記憶とフロイド殿下から話し方を教わり自己研鑽したおかげで今の所、誰にも疑われていない。
やっぱり勉強は大事だわ…そう思った矢先に勢い良く扉が開き、挨拶も無しにアゼイルが入って来た。
「アゼイル、いくら親子でも先触れ無しに来るなんて失礼じゃなくて?」
「ルリエラが来ていると聞いて、居ても立っても居られなく、お許しを…母上…」
うわぁ…2人して演技かかってるぅ。
「ルリエラ…先日のパーティーでは悪かった…どうか、どうか愚かな私を許してくれないか」
眉をハの字に下げ許しを請う様な瞳で私の髪を1掬い取り口付けした…
い''ゃあ"~~~‼︎
ん"あ''あ''あ''
気持ちの悪いものを見たように、ゾクゾクと鳥肌が立つ…
さらにアゼイルは私の手を取り満面の笑みで取った私の手を自分の頬に当て微笑みかけた。
私はアゼイルいやクズだわ‼︎
脳内で、このクズをタコ殴りする所を想像して冷静を装う。
「アゼイル様、皆様が見ています、おやめください…」
密林の奥地で原住民から芋虫を貰って初めて口にする様な気持ち悪さっ。
コレ分かるぅ?
顔が良かろうと気持ち悪いって事‼︎
顔面蒼白になり倒れそうになった。
「あ…アゼイル様っ申し訳ございません。急に具合が悪くなりましたので帰らせていただきます」
「ルリエラ?」
「カリエス様、先程のお話は、聞かなかった事にします」
私はハンカチを口で抑え馬車に乗り込み家路に着いた。
あ"〰︎〰︎堪んないわっ‼︎
しょっ消毒しなくちゃ‼︎
私は侍女に着ていたドレスを捨てさせ湯浴みを依頼する。
何回も何回もクズが触った所を念入りに洗った。
物には罪はないけど、外的要因は排除しないとダメダメ☆
もうルリエラちゃん、あんなので絆されたの?
しかしアゼイルの態度を見る限り、カリエス様の他にメイナのアドバイスを真に受けて慌てて来たんだろう。
「やっぱり、金太郎飴みたいにクズは、どこを切ってもクズなわけね」
早くミシャル王妃陛下に会いたいと私は願った。
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