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何事も「ごめん」で済む訳ではない。2
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◇◇◇~回想~◇◇◇
私は、自分の記憶とルリエラちゃんの記憶が一気に混ざり合いキャパオーバーを起こし倒れた。
「ここは、どこよぉ?」
夢の中なのか、よく分からない仄暗い空間で1人立ち、絶望感漂うルリエラちゃんを見つけた。
「貴女、ルリエラちゃん?ごめんねぇ。分かんないうちに、貴女の体に入り込んじゃって…大丈夫?…って大丈夫じゃなさそうね…」
パキパキと身体中にヒビが入り今にも消え入りそうなルリエラ。
「あの…初対面の貴女に、こんなことを申し上げていいのか分かりませんが、私の話を聞いてくださいますか?」
私より若いのに確りとした話し方…とてもいい育ちの子って直ぐに分かる。
「心に澱を残すのは良く無いわ‼︎喋っちゃいなさい‼︎オネェさんが聞いてあげるから、ここに座りなさいよ…ね?」
私は手を差し伸べ、彼女に座る様に促す。
ルリエラの頭を撫でながら彼女の話に耳を傾けた。
ルリエラちゃんは後悔と絶望の念で心が擦り切れて壊れる寸前。
ポロポロと玉の雫の様な涙を流しながら、ポツリポツリと言葉を紡ぐ。
「辛かったわね…ルリエラちゃん…」
「幼かったとは言え私が、お茶会の意味を理解していなかった為に、アゼイル様を選んでしまったから…」
幼い頃、ルリエラちゃんは他の令嬢達と王子達の妃候補を選ぶ、お茶会に参加した。
本来ならルリエラちゃんは王妃様の息子を選べば問題はなかっただろう…しかし運が悪く、アゼイルを選んだ為に筆頭公爵で最大の権力があるザイゼル家は仕方なくアゼイルの後ろ盾となり、アゼイルは王太子の座に着くことが出来たと…
「結果がどうであれ、自分の〝初恋〟を粗末に扱っちゃダメよ‼︎ルリエラちゃん。恋ってものは〝好き〟になってしまったら止まらないものだから…」
私はルリエラちゃんに優しく諭す。
「規矩さん…ありがとうございます」
「やぁだぁ本名じゃなくて〝ボンバー〟で良いって」
始まった〝王妃教育〟は10年にも及ぶが、当のアゼイルはサボるし面倒事はルリエラちゃんに押し付け好き放題。周りに厳しく諌められたら〝ごめん〟の一言に一時だけ優しく構うことの繰り返し…
何かコレってクズ男の常套句じゃなくて?
真面目なルリエラちゃんは〝選んだ責任〟を感じてアゼイルを後の国王として支えなくちゃって頑張っていたけど、あのパーティの出来事で自分の努力が全て〝無駄〟と悟った瞬間に一気に絶望したわけね…
「私が早く気付いていれば家族にもフロイド様にも迷惑をかけずに済んだのに」
「あ~あ泣かないの、泣かないの。ルリエラちゃんは一生懸命、頑張っていたのはみんな知っているから…今はゆっくり休みなさい」
話し終えたルリエラちゃんはニコッと美しい微笑みを私に向けた。
「ありがとうございます。規矩さん。私、規矩さんに出会えて良かった…」
「ルリエラちゃん?ちょっと(汗)ちょっと待って」
「私、もう疲れてしまって…また立ち直ってルリエラ ザイゼルとして生きる事は無理みたい」
どんどん空間と溶けるかの様にルリエラちゃんの身体は風に舞う花びらの様に散り始める。
「規矩さん…私の身体を差し上げます。私の話を聞いてくれてありがとうございます」
そう言葉を残しルリエラちゃんは消えてしまったのだ…
「ルリエラちゃん…今度は周りばかりではなく、自分自身をちゃんと愛してあげて…」
私は先程まで触れていたルリエラちゃんの面影を思い、掌を握り締めた。
ーーーーーーーー
「よく、私がルリエラちゃんじゃ無いって気付いたわよね。貴方エスパー?」
「は?そんなんじゃねーよ」
「やだっ‼︎もしかしてルリエラちゃんの好きだったとか?キャー♡それって三角…いや、あのメイナて子もいるから四角関係?何それぇ。切なさと萌えで鼻血が出そ」
「ばっバカ言うなよ(汗)」
飲んでいたお茶を吹くのを堪えフロイド殿下は否定した。
「何よぉ違うのぉ?何か損した気分」
「何だそれ?勝手に、お前…ボンバー?が盛り上がっただけだろ?」
「ねぇ貴方、王子様らしく無いわよねぇイケメンなは確かだけど」
「仕様がねーだろアゼイルと違って俺は戦地に行く方が多いし荒くれ者に混じって生活してるから」
そう言いながらでもアゼイルと違って王族の人間としての務めをサラリとしてるんだから、格好いいわよ…ルリエラちゃん何で彼を選ばなかったのかしら?
「冗談は、ここまでとして、話は戻るけど、一言しか交わしてないのに何故分かったの?」
「まぁ話し方と雰囲気…後は勘?」
「まぁ鋭い人‼︎そんなに話し方が違ったのかしら」
「あぁ。違うさ。俺のことが苦手かなんか知らねーけどオドオドしていたからな」
「明白に苦手にされてると分かっているに、臆せずに来る貴方のメンタルの強さに感心するわね」
「改めて聞くが、お前、転生者だろ?」
フロイドの言葉に私の胸は先の尖ったもので刺された様な感覚になった…
「ねぇ、さっきから私の話す言葉に対して疑問を持たなかったから不思議に感じたけど、何で貴方が、そのワードを知ってるの?」
ーーーーーーーーー
⌘ アゼイル視点 ⌘
「今、此処で私、レクシェル王国、王太子アゼイル フェン レクシェルはザイゼル筆頭公爵令嬢、ルリエラ ザイゼルと婚約破棄を宣言する‼︎そして、メイナ パンジー子爵令嬢と婚約する」
やっとメイナ パンジーとの真実の愛を皆の前に知らしめる事が出来た…
ルリエラは可笑しな行動をした後、ショックで、その場に倒れたが構うもんか‼︎
パーティから一夜明け。私は上機嫌で母上の元に向かった。
✴︎バチーン✴︎
挨拶する間も与えず母上は扇子で私の頬を叩いた。
「この愚か者‼︎恥を知りなさい‼︎」
「何故、叩かれなくちゃいけないんです?母上‼︎」
「私が、折角、王妃を出し抜いて、お前を王太子の座に着きやすくするように画策したのに…お前って子は…」
はっ?言っている意味がわからない?
「貴方が〝王太子〟の座にいるのはルリエラの、お陰…貴方の事だから#王太子に就いたからルリエラと婚約したと思っているんじゃなくて?」
「母上、違うのですか?」
「何の後ろ盾の無い側室の私から生まれた、お前が王太子になれたのはルリエラの家ザイゼル公爵家の力のお陰。そこを履き違えてはならないのに…それを公の場で婚約破棄宣言して…」
「宣言してはいけなかったのですか?私が愛してるのはメイナだけです‼︎」
「貴方が、そこまで理解出来ない人だったなんて…育て方を間違えたみたい」
母上は顔を顰めながら額に手を当てていた。
私には母上が言った意味を理解せず聞き流した。
要はいつもの様に〝すまなかったルリエラ〟と言って適当に構ってあげれば丸く治ると軽い気持ちで考えていた。
私は、自分の記憶とルリエラちゃんの記憶が一気に混ざり合いキャパオーバーを起こし倒れた。
「ここは、どこよぉ?」
夢の中なのか、よく分からない仄暗い空間で1人立ち、絶望感漂うルリエラちゃんを見つけた。
「貴女、ルリエラちゃん?ごめんねぇ。分かんないうちに、貴女の体に入り込んじゃって…大丈夫?…って大丈夫じゃなさそうね…」
パキパキと身体中にヒビが入り今にも消え入りそうなルリエラ。
「あの…初対面の貴女に、こんなことを申し上げていいのか分かりませんが、私の話を聞いてくださいますか?」
私より若いのに確りとした話し方…とてもいい育ちの子って直ぐに分かる。
「心に澱を残すのは良く無いわ‼︎喋っちゃいなさい‼︎オネェさんが聞いてあげるから、ここに座りなさいよ…ね?」
私は手を差し伸べ、彼女に座る様に促す。
ルリエラの頭を撫でながら彼女の話に耳を傾けた。
ルリエラちゃんは後悔と絶望の念で心が擦り切れて壊れる寸前。
ポロポロと玉の雫の様な涙を流しながら、ポツリポツリと言葉を紡ぐ。
「辛かったわね…ルリエラちゃん…」
「幼かったとは言え私が、お茶会の意味を理解していなかった為に、アゼイル様を選んでしまったから…」
幼い頃、ルリエラちゃんは他の令嬢達と王子達の妃候補を選ぶ、お茶会に参加した。
本来ならルリエラちゃんは王妃様の息子を選べば問題はなかっただろう…しかし運が悪く、アゼイルを選んだ為に筆頭公爵で最大の権力があるザイゼル家は仕方なくアゼイルの後ろ盾となり、アゼイルは王太子の座に着くことが出来たと…
「結果がどうであれ、自分の〝初恋〟を粗末に扱っちゃダメよ‼︎ルリエラちゃん。恋ってものは〝好き〟になってしまったら止まらないものだから…」
私はルリエラちゃんに優しく諭す。
「規矩さん…ありがとうございます」
「やぁだぁ本名じゃなくて〝ボンバー〟で良いって」
始まった〝王妃教育〟は10年にも及ぶが、当のアゼイルはサボるし面倒事はルリエラちゃんに押し付け好き放題。周りに厳しく諌められたら〝ごめん〟の一言に一時だけ優しく構うことの繰り返し…
何かコレってクズ男の常套句じゃなくて?
真面目なルリエラちゃんは〝選んだ責任〟を感じてアゼイルを後の国王として支えなくちゃって頑張っていたけど、あのパーティの出来事で自分の努力が全て〝無駄〟と悟った瞬間に一気に絶望したわけね…
「私が早く気付いていれば家族にもフロイド様にも迷惑をかけずに済んだのに」
「あ~あ泣かないの、泣かないの。ルリエラちゃんは一生懸命、頑張っていたのはみんな知っているから…今はゆっくり休みなさい」
話し終えたルリエラちゃんはニコッと美しい微笑みを私に向けた。
「ありがとうございます。規矩さん。私、規矩さんに出会えて良かった…」
「ルリエラちゃん?ちょっと(汗)ちょっと待って」
「私、もう疲れてしまって…また立ち直ってルリエラ ザイゼルとして生きる事は無理みたい」
どんどん空間と溶けるかの様にルリエラちゃんの身体は風に舞う花びらの様に散り始める。
「規矩さん…私の身体を差し上げます。私の話を聞いてくれてありがとうございます」
そう言葉を残しルリエラちゃんは消えてしまったのだ…
「ルリエラちゃん…今度は周りばかりではなく、自分自身をちゃんと愛してあげて…」
私は先程まで触れていたルリエラちゃんの面影を思い、掌を握り締めた。
ーーーーーーーー
「よく、私がルリエラちゃんじゃ無いって気付いたわよね。貴方エスパー?」
「は?そんなんじゃねーよ」
「やだっ‼︎もしかしてルリエラちゃんの好きだったとか?キャー♡それって三角…いや、あのメイナて子もいるから四角関係?何それぇ。切なさと萌えで鼻血が出そ」
「ばっバカ言うなよ(汗)」
飲んでいたお茶を吹くのを堪えフロイド殿下は否定した。
「何よぉ違うのぉ?何か損した気分」
「何だそれ?勝手に、お前…ボンバー?が盛り上がっただけだろ?」
「ねぇ貴方、王子様らしく無いわよねぇイケメンなは確かだけど」
「仕様がねーだろアゼイルと違って俺は戦地に行く方が多いし荒くれ者に混じって生活してるから」
そう言いながらでもアゼイルと違って王族の人間としての務めをサラリとしてるんだから、格好いいわよ…ルリエラちゃん何で彼を選ばなかったのかしら?
「冗談は、ここまでとして、話は戻るけど、一言しか交わしてないのに何故分かったの?」
「まぁ話し方と雰囲気…後は勘?」
「まぁ鋭い人‼︎そんなに話し方が違ったのかしら」
「あぁ。違うさ。俺のことが苦手かなんか知らねーけどオドオドしていたからな」
「明白に苦手にされてると分かっているに、臆せずに来る貴方のメンタルの強さに感心するわね」
「改めて聞くが、お前、転生者だろ?」
フロイドの言葉に私の胸は先の尖ったもので刺された様な感覚になった…
「ねぇ、さっきから私の話す言葉に対して疑問を持たなかったから不思議に感じたけど、何で貴方が、そのワードを知ってるの?」
ーーーーーーーーー
⌘ アゼイル視点 ⌘
「今、此処で私、レクシェル王国、王太子アゼイル フェン レクシェルはザイゼル筆頭公爵令嬢、ルリエラ ザイゼルと婚約破棄を宣言する‼︎そして、メイナ パンジー子爵令嬢と婚約する」
やっとメイナ パンジーとの真実の愛を皆の前に知らしめる事が出来た…
ルリエラは可笑しな行動をした後、ショックで、その場に倒れたが構うもんか‼︎
パーティから一夜明け。私は上機嫌で母上の元に向かった。
✴︎バチーン✴︎
挨拶する間も与えず母上は扇子で私の頬を叩いた。
「この愚か者‼︎恥を知りなさい‼︎」
「何故、叩かれなくちゃいけないんです?母上‼︎」
「私が、折角、王妃を出し抜いて、お前を王太子の座に着きやすくするように画策したのに…お前って子は…」
はっ?言っている意味がわからない?
「貴方が〝王太子〟の座にいるのはルリエラの、お陰…貴方の事だから#王太子に就いたからルリエラと婚約したと思っているんじゃなくて?」
「母上、違うのですか?」
「何の後ろ盾の無い側室の私から生まれた、お前が王太子になれたのはルリエラの家ザイゼル公爵家の力のお陰。そこを履き違えてはならないのに…それを公の場で婚約破棄宣言して…」
「宣言してはいけなかったのですか?私が愛してるのはメイナだけです‼︎」
「貴方が、そこまで理解出来ない人だったなんて…育て方を間違えたみたい」
母上は顔を顰めながら額に手を当てていた。
私には母上が言った意味を理解せず聞き流した。
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