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要らなくなったから、捨てたのです。【閑話】お渡様とニース
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「カイリ様と過ごした人生、本当に、本当に楽しかった」
シワシワになった手で私の手を握るマイラ…
「「「お母さん」」」
「「「「おばあちゃん」」」」
3人の子供と10人の孫に恵まれた彼女は皆んなに見守られ静かに最期を迎えた。
こういう時って歳を取らない自分に嫌気が差す…あのイカれ野郎に条件を出したのは誰でも無い私だから感傷に浸る権利は無いか…
「カイリ様、そろそろ…」
「あぁ分かってるよ。じゃあね。可愛いマイラ…私も貴女の人生に寄り添えて本当に良かったよ」
私はマイラの部屋を後にした。
ーーーーーーーー
「カイリ様、コーヒーこちらに置いておきますね」
ニースがテーブルにコーヒーを置いた。
私は窓の桟に片方だけ足を掛け腰を下ろし外の景色を眺めながらコーヒーを飲んだ。
夕陽に映える王城がなんだかノスタルジックに見え、思いに耽る…
今日、旅立ったマイラは私が初めて名付けた子だった。
明るく元気で他人のことを第一に考える可愛い子。
彼女が初めて歩いた日、学校に通い、恋愛して結婚して家族を作って…
そうそう従姉妹の旦那の浮気の糾弾もしたな。
あれから、アメリアは離婚の慰謝料として、もらった領地で、手腕を奮い数々の事業を成功させた。
しかし、彼女は元旦那、ゲイルとの結婚生活で懲りたせいか暫く独身を通すが隣接国の公爵からの熱烈なアプローチに根負けして結婚した。
アメリアの噂は隣接国まで届いていたらしく、始めは興味本位で平民に扮した公爵がアメリアへ接触したんだが、彼女の人柄に惹かれ、あの手この手とアプローチかけるも、アメリアは恋愛に関しては貝のように心を閉じて袖にされ続けた。
普通なら諦めるんだろうが、彼は諦めず強制的に出るかと思ったが、祭りの演舞台の挨拶の席で、まさかの泣き威に土下座をした。
そりゃあ、話題にもなる。
「アメリア、私は貴女なしでは生きていけません、貴女と共に人生を分かち合えるなら、他に何も要りません。公爵と言う身分が嫌なら捨てます。どうか私と結婚してください‼︎」
この公爵のプロポーズが話題となり、この祭りの日は今現在も結婚を決めたい男性が公開プロポーズが風物詩となっている。
アメリアは公爵との間に一男一女を授かり、今もまだ、孫の世話をしながら前線で頑張っていると聞く。
「よかったな…アメリア幸せになって…あれから50年経つのか…早いものだな」
この世界に来て、やがて80年近く、ガスランプが主流だった街の灯りを火力発電を作り、電灯が夜の街を明るく照らす…
「もう、この世界で私は必要ないだろ?ニース…いやシヴェル」
「やっぱバレちゃうよねー♪」
「王宮にいた時点で知っていたからな?おまけに、歳取らないって私はシヴェルですってネタバレしてるからな?神様なのにバカなのか?お前」
「相変わらず私に対しての言葉遣い酷いね」
「当たり前だろ…んまぁ、なんだかんだ言って愉しんだけどな」
「元の世界に帰る?」
「そこなんだよなぁ〰︎よくまぁ住めば都と言う意味がよく分かるよ。で、お前は大丈夫なのか?神様だろう一応…王宮から、ずっと、そばに居るけど」
「神様だから大丈夫なんだよ」
相変わらず軽いヤツ…
「ねぇ。どうするか決めた?」
「急かすなよ」
目をキラキラして私を見つめるシヴェル私の本心を見透かしてんだろうなぁ…きっと。
「なぁ、シヴェル」
「ん?」
「ん…あ〰︎えっと…凄く癪なんだが、次の世界に渡りたいって思う自分がいるんだよな」
「んじゃあ、次行くぅ?」
「行くよ‼︎だけど、最新のスマホと後やっぱパソコンも欲しい」
「そこは変わらず欲張りだよねー」
そう言いながらシヴェルはタブレットとキーボードを渡す。
「違う(怒)コレじゃないっ‼︎」
「カイリさんなら何とかするから、コレで大丈夫♪」
「相変わらず、私の扱い雑だな‼︎」
「では〝お渡様〟次の世界へ参りましょう」
「お前も着いていくのかよ?」
「カイリさんと居ると何かと楽しいですから」
本当にコイツ神様か?
まぁ、しょうがない。かと言う私も他人と過ごすことが苦手なのに、コイツと一緒に居ても苦痛ではないし。
「旅は道連れ……か」
私達は、まだ知らない世界に旅立つのだった。
シワシワになった手で私の手を握るマイラ…
「「「お母さん」」」
「「「「おばあちゃん」」」」
3人の子供と10人の孫に恵まれた彼女は皆んなに見守られ静かに最期を迎えた。
こういう時って歳を取らない自分に嫌気が差す…あのイカれ野郎に条件を出したのは誰でも無い私だから感傷に浸る権利は無いか…
「カイリ様、そろそろ…」
「あぁ分かってるよ。じゃあね。可愛いマイラ…私も貴女の人生に寄り添えて本当に良かったよ」
私はマイラの部屋を後にした。
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「カイリ様、コーヒーこちらに置いておきますね」
ニースがテーブルにコーヒーを置いた。
私は窓の桟に片方だけ足を掛け腰を下ろし外の景色を眺めながらコーヒーを飲んだ。
夕陽に映える王城がなんだかノスタルジックに見え、思いに耽る…
今日、旅立ったマイラは私が初めて名付けた子だった。
明るく元気で他人のことを第一に考える可愛い子。
彼女が初めて歩いた日、学校に通い、恋愛して結婚して家族を作って…
そうそう従姉妹の旦那の浮気の糾弾もしたな。
あれから、アメリアは離婚の慰謝料として、もらった領地で、手腕を奮い数々の事業を成功させた。
しかし、彼女は元旦那、ゲイルとの結婚生活で懲りたせいか暫く独身を通すが隣接国の公爵からの熱烈なアプローチに根負けして結婚した。
アメリアの噂は隣接国まで届いていたらしく、始めは興味本位で平民に扮した公爵がアメリアへ接触したんだが、彼女の人柄に惹かれ、あの手この手とアプローチかけるも、アメリアは恋愛に関しては貝のように心を閉じて袖にされ続けた。
普通なら諦めるんだろうが、彼は諦めず強制的に出るかと思ったが、祭りの演舞台の挨拶の席で、まさかの泣き威に土下座をした。
そりゃあ、話題にもなる。
「アメリア、私は貴女なしでは生きていけません、貴女と共に人生を分かち合えるなら、他に何も要りません。公爵と言う身分が嫌なら捨てます。どうか私と結婚してください‼︎」
この公爵のプロポーズが話題となり、この祭りの日は今現在も結婚を決めたい男性が公開プロポーズが風物詩となっている。
アメリアは公爵との間に一男一女を授かり、今もまだ、孫の世話をしながら前線で頑張っていると聞く。
「よかったな…アメリア幸せになって…あれから50年経つのか…早いものだな」
この世界に来て、やがて80年近く、ガスランプが主流だった街の灯りを火力発電を作り、電灯が夜の街を明るく照らす…
「もう、この世界で私は必要ないだろ?ニース…いやシヴェル」
「やっぱバレちゃうよねー♪」
「王宮にいた時点で知っていたからな?おまけに、歳取らないって私はシヴェルですってネタバレしてるからな?神様なのにバカなのか?お前」
「相変わらず私に対しての言葉遣い酷いね」
「当たり前だろ…んまぁ、なんだかんだ言って愉しんだけどな」
「元の世界に帰る?」
「そこなんだよなぁ〰︎よくまぁ住めば都と言う意味がよく分かるよ。で、お前は大丈夫なのか?神様だろう一応…王宮から、ずっと、そばに居るけど」
「神様だから大丈夫なんだよ」
相変わらず軽いヤツ…
「ねぇ。どうするか決めた?」
「急かすなよ」
目をキラキラして私を見つめるシヴェル私の本心を見透かしてんだろうなぁ…きっと。
「なぁ、シヴェル」
「ん?」
「ん…あ〰︎えっと…凄く癪なんだが、次の世界に渡りたいって思う自分がいるんだよな」
「んじゃあ、次行くぅ?」
「行くよ‼︎だけど、最新のスマホと後やっぱパソコンも欲しい」
「そこは変わらず欲張りだよねー」
そう言いながらシヴェルはタブレットとキーボードを渡す。
「違う(怒)コレじゃないっ‼︎」
「カイリさんなら何とかするから、コレで大丈夫♪」
「相変わらず、私の扱い雑だな‼︎」
「では〝お渡様〟次の世界へ参りましょう」
「お前も着いていくのかよ?」
「カイリさんと居ると何かと楽しいですから」
本当にコイツ神様か?
まぁ、しょうがない。かと言う私も他人と過ごすことが苦手なのに、コイツと一緒に居ても苦痛ではないし。
「旅は道連れ……か」
私達は、まだ知らない世界に旅立つのだった。
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