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要らなくなったから、捨てたのです。3アメリア、ゲイルとリリアのその後

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「お義父様…頭を上げて下さい。私は領地の5/1だけ頂けたら十分です。商売は、また1から始めれば良いだけですから」

「アメリア…」

「今後、迎える新当主の為にも、お金は必要です。この際ですから申し上げますと、私、ゲイルと、別れられる思うと嬉しくて仕方ないんです」

「「「「は?」」」」

「確かにリリア夫人の件、周りが私に対しての印象に就いては悔しくて仕方ありませんが、気付けて良かったと思ってますし、それにゲイルは私の初恋の相手で彼の優しさで結婚しましたが、です」

周りは私の言葉に目を丸めた。

「だって子供の頃からゲイルの尻拭い後始末ばかりしていたんですよ私。幾らで絆されていたとしても長年付き合わされれば冷めてしまいます」

リリアとゲイルの情交を見て私の中で目から鱗が落ちる様に、ゲイルな対してのが着いたのだ。


ーーーー数日後ーーーー

ゲイルとリリアの浮気報道とリリアの男性関係の暴露がマイラの旦那様の新聞社で独占報道された。

リリアと関係があった男性達は堪ったもんじゃないだろう…

婚約破棄だの、離婚調停だの貴族院は疎か、平民にまで影響が及んでいる。

ある意味スゴい話である。

私は離婚届をゲイルに渡し、纏めた荷物と、私の傍に居たいと懇願する家令を始め10数人使用人達と家を出ようとする。

「ゲイル…いえフォート伯爵様、今まで、お世話になり…いえ、なってないから、。さようなら」

「アメリア、待ってくれ、私は、お前と別れるなんて決めてないし考えでない‼︎」 

子供の様に駄々こねて最後まで彼は昔と全く変わっておらず呆れを通り越し褒めるしかない。

「本当に貴方は子供の頃から全く変わらず、身体だけ大人になったんですね。子供の頃は宿題を私に押し付て、中途半端に投げ出した問題の他に、貴方の浮気下半身の始末まで押し付ける気?バカも休み休みに言って頂戴。あっバカだから分からないのか…可哀想」

私は鼻でゲイルを笑い見下す。

「夫である私を愚弄するとは…」

「もう、夫ではありませーん。婚約式と結婚式に誓約書を読み上げたでしょ?覚えてないの?ハイ。写しがあるから、よく読んで、そのの頭で理解して頂戴」

「アメリア…もう一度チャンスをくれよ」

「ムリ。阿婆擦れリリア夫人竿姉妹身体の共有なんて考えただけで気持ち悪い。ゲイル様、私としてる暇ないですよ。早く、ご自身の身の振り方を考えなくちゃ」

私は使用人達と頂いた領地新居へ向かうのであった。

「さよーならー。お元気で」

私は馬車から身を乗り出し大きく手を振り、膝を崩し座り込むゲイルに笑顔を送る。

私は頂いた領地で使用人達や領民達と和気藹々で暮らし、豊かな領地を作り上げている。

隣接していた国と姉妹都市を結んだりと、好きな事をして過ごしている。

結婚?
もう男のお世話は懲り懲りなんですが最近、隣接国の公爵家の方にアプローチされているんですが、悩んでいます。

ーーーーーーーー

⌘ ゲイル視点 ⌘

子供の頃から何も言わず、俺の微笑みに頬を染めていた少女アメリアは、とても頭が良く、宿題も手伝ってくれていた。

優しい言葉と微笑みだけで許してくれたアメリアは私に離婚届を叩きつけた。

しかもリリアとの醜聞と情事の映像をセットにして…鼻で私を嗤い見下す。

「もう、夫ではありませーん。婚約式と結婚式に誓約書を読み上げたでしょ?覚えてないの?ハイ。写しがあるから、よく読んで、そのの頭で理解して頂戴」

結婚誓約書に目を通し私が伯爵家当主から引き摺り下ろされる事を意味している事に気付き、アメリアに懇願するが彼女の心が私に関心がない事を突きつけられた。

「ムリ。阿婆擦れリリア夫人竿姉妹身体の共有なんて考えただけで気持ち悪い。ゲイル様、私としてる暇ないですよ。早く、ご自身の身の振り方を考えなくちゃ」

アメリアは馬車から身を乗り出し大手を振り10数人の使用人達と新天地へ旅立った。

ーーーーーーーー

「この面汚しが!」

父親から拳で顔を思いっきり殴られ、尻餅をついた。

「伯爵家の為、お前の為に私がトプソン子爵に頭を下げてアメリアを嫁に迎えたか分かっているのか‼︎」

10数年ぶりに怒りに満ちた父上の顔を見て震え上がる。

「私は、婚約が決まった際に、お前になんて言ったか?」

「伯爵家を盛り立てる様、努力しろ。アメリアを…」

私は、ハッとした…

「漸く思い出したか?この馬鹿者が」

〝アメリアを大切にしろ〟僕は床に跪いたまま父上から頭を殴られながら説教された。

「本来ならアメリアは、お前には勿体無い娘だ…トプソン子爵もアメリアは他国の上位貴族に嫁にやる予定をしていたが、私を助けるべく、可愛い愛娘を差し出してくれたのだ…それを、お前は…お前は…ランバドールの女狐にうつつを抜かしよってアメリアを蔑ろにするどころか傷つけやがって」

更に手に持っていた杖の柄で力一杯殴られ、頭から血が流れた…

「ヒィヒィ…血が血が」

「お前より邸の使用人達の方が、アメリアの価値を知り大事にしていた…だから、彼女が、この屋敷を去ると同時に家令を始め殆どの使用人達が彼女を追って出て行ったんだ」

ポタポタ頭から流れる血を手で抑え、父上の憤怒に恐れ震える。

「もう、あの娘は二度とお前や私達の前には現れないし接触も不可能だろう…ゲイル、金輪際、お前とは親でも子でも無い好きな様にしろ‼︎来月にはフィアの息子が我が家に来るからアメリアが紹介した家庭教師を付け、フォート家の跡継ぎにする。アメリアの方が、ずっと我が家の事を慮っていた…恩を仇で返すってこの事だ‼︎出て行けー!」

「ゲイル‼︎」

母親が呼び止めようとしたが、僕は逃げる様に家を飛び出した。

「あーあーあー痛そう」

悪友3人が僕の邸にやって来た。

「てか、お前の報道見て、ビックリしたよ」

「というと、お前も?」

「マジ?お前達も?」

どうやら僕達4人はリリアと穴兄弟身体の共有者と発覚した。

今まで誰にもバレなかったリリアの手管に舌を巻く。

「俺達も、お前と同じ訳。俺とコイツは婚約解消、アイツは彼女と別れるし散々だぜ」

「…で、元凶の当事者リリア夫人は?」

「あの報道直前に煙の様に消えたよ」

「誰か関係者がリークしたんじゃ?」

俺達以外にも彼女リリア夫人を躍起になって探してるのは間違い無いだろう。

見つかったら、真面な姿で帰って来れない事ぐらいバカな僕でも理解してる。

リリアを探すか探さないかと悪友達と話していくうちに夜が明け、直面しないといけない現実が突きつけられる。

「まだ、この邸にいたのか」

怒り冷め止まない父親が邸にやって来た。悪友達は蜘蛛の子が散る様に慌て邸を出ていく。

「身の振り方は考えたのか?先程の輩は、あの阿婆擦れと関係があった奴らだろう…類は友を呼ぶとは正にこの事だな」

虫ケラを見るかの様に僕を睨め付けた。

ジャラッと皮袋が目の前に置かれた。

「阿婆擦れを探し出して一緒になるのも良し、己の愚かさを見つめ直し人生をやり直すのも良し、お前の好きにしろ!但し私の前に二度と現れるな‼︎」

皮袋の中には金貨が50枚

「アメリアに感謝しろ‼︎お前に、こんな大金を支払っても大丈夫なくらいに彼女は、この伯爵家を、盛り返したんだ…もう今更、言っても遅い話だ来月からフィアの息子が我が家に来る。アメリアの紹介で家庭教師が来るから、お前みたいなのにならない様にしないとな‼︎」

そう言葉を吐き捨て僕はを追い出された。

追い出されて暫くは悪友達と飲み食いしながらリリアを探しすが見つからない。もらったお金も、いつまで持つか分からない為。事業を考えたりしたが上手くいかない…アメリアに任せっぱなしの結果だと悟った。 

漸くリリアを悪友達と見つけたが、性奴隷市場の見せ物として3人の筋骨隆々した覆面の男達に口と下の二穴を嬲られ狂喜し腰を揺らし涎と精液を垂れ流し嘗ての美しさは無く目は虚だった。

彼女リリアの末路を知る者の話によれば、あの報道の直前に逃げた彼女は、関係を持った男達の伴侶や恋人達に直ぐに捕まり身を焼く様な拷問は無かったが精神的なダメージを与える魔法を掛けられ、さらに強力な媚薬で性的な快楽無しでは生きられなくなってしまったらしい。

お金を払い面会できる機会を貰ったが、彼女は既に

「あぁん…あっあ…ねぇ…に貴方達のをちょおだい。疼くのぉ…早くぅ…ああぁ気が狂いそう」

股を広げ自身の胸と秘部を指で弄りながら物足りなさそうに僕らを求める。

悪友達は彼女を性の捌け口の様に乱暴に犯すが悲鳴をあげるどころか悦び、嘗て僕に求めた時の様に男達に強請る。

「あぁん。もっとぉ。もっと激しく突いて中にいっぱいちょぉだぁい」

嬌声をあげニヒニヒと与えられた肉体の快楽に溺れていた。

「はぁぁん。いくぅ…ああっ…いっぱいイキたいのぉ…もっとぉ…私を犯してぇ」

「ゲイル、お前も混ざれよ。あぁヤベェ…後ろも気持ちいい」

リリア1人に混じり合う悪友達の姿が獣の様に感じ。僕は急に怖くなり、悪友達とリリアを置いて逃げた。

逃げるだけ逃げて辿り着いたのは古びた教会…

僕は教会の中の小窓のある部屋に吸い込まれる様に入った。

顔は見えないが優しい声の男性から声をかけられ、幼い頃からアメリアにして来た事、結婚後も彼女に頼りっぱなしで何もせず好き勝手して捨てられた事。

そして、アメリアを更に蔑ろにした原因のリリアが性奴隷の見せ物として男達に慰み者として嬲られ、与えられた肉体の快楽でしか生きられなくなってしまっていた事を話した。

「貴方は、どうしたいんだい?」

結局、僕は、どうこう足掻いてもで中身が空っぽだったって現実を突きつけられた…

「僕は何も出来る事は有りません…全て〝他人ひと任せ〟の人生でした」

「己の無力に気付いたなら、今からでも遅くない」

僕は神父の言葉を信じ、この古びた教会に住み修道士として生きていく事にした。




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