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要らなくなったから、捨てたのです。2
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マイラの話を聞いて、フォート家の為に頑張った私は世間を知らなかった己を恥じた…
「へぇ知らなかった」
確かに、夫は誰が見てもモテる部類とは認識していたが、私が彼を伯爵家当主として頑張れば頑張るほど、彼に近付きたい夫人、令嬢がいる事実に気付がずにいたなんて間抜けでしか無い。
私は自分の愚かさに恥かしくて知り得なかった事実にカタカタと手が震えた…
「アメリア…」
マイラはそっと震える私の手を握りしめ、お渡様と会うことを提案してきた。
「マイラ、そんなに簡単に、お渡様に会えるの?」
「実は、お渡様は私の名付け親なの。悩みから抜け出せなくなったら、いつも私は、お渡様の所に行くの。きっとアリシアの事、助けてくれるわ」
数日後、マイラから連絡が来て、お渡様から会いたいと言われた事に私は嬉しさでいっぱいになった。
相変わらずゲイルは妻の私より、リリア夫人を優先して買い物に行ったりしていた…
ーーーーある日の出来事ーーーー
「ゲイル、大事な商談があるのに貴方は参加しないの?伯爵当主はゲイル、貴方よ?」
「僕が態々行かなくても君がいれば大丈夫だろう?それに僕はリリア夫人との約束を先にしていたし」
「アメリア様、ごめんなさいね。ねぇゲイル様ぁ、私、マダム フランチェのドレスが欲しい」
「あぁ。良いよ。君は何着ても似合うから…」
2人寄り添い出かける姿を見て、言い返したい気持ちをグッと堪え私は着ている服のスカートを握りしめた…
きっとゲイルを狙う婦女子達からしたら〝お金を産む〟しか能の無い間抜けな伯爵夫人としか見えてないんだろうな…
ーーーーーーーー
「アメリア、ここが、お渡様のお屋敷♪」
見慣れた商店街からちょっとだけ脇に入ると普通に見過ごす所に扉が浮き上がる…
マイラは躊躇いなく開けて吸い込まれる様に入っていった…
「ほら、アメリア」
伸ばした彼女の手を握ると私も吸い込まれる。
「カイリさーん。いる?」
「マイラ、いらっしゃい。彼女が例の従姉妹?」
「お渡様、初めまして…マイラの従姉妹のアメリア フォートと申します」
「あー堅っ苦しい挨拶は抜き抜き。私はセリカ カイドウ。カイリって呼んで」
お渡様は背が高く、この国では珍しい黒髪で短髪の女性。
屈託の無い笑顔で片手を振る。
「コーヒーで良い?もしかして、貴族は紅茶しか嗜まいって事ないよね?」
「あっ。お構いなく…確かに生まれも育ちも貴族ですが、我が家は商人に近いので」
気さくな方だなぁマイラが気にいるのは納得する。
立ち振る舞いも〝淑女〟らしくなく、どちらかと言うと〝男性的〟来ている服も男性の様にパンツスタイルだけど長身に長い足だから、とても似合っていた。
女性であることが勿体無い。
「粗方の話はマイラから聞いてるよ。小さい頃から、みんなの為に1人で頑張って偉いね。アメリア…」
カイリ様はそっと私の頭を撫でられ、今まで張り詰めていたものが〝プツリ〟と切れ、涙が溢れた。
「たくさん泣いていいよ。誰も貴女を責めないから」
私は、幼子の様に声を張り上げて泣いてしまった。
「ぐすっ…ずっ…ずびばぜん(すみません)」
「今まで我慢してきたんだから、仕方ないよ。へぇ…これが結婚誓約書…書類は大事だよ自分を守る最強の武器だ。私は賢い子は好きよ。アメリア…マイラから聞いたけど、貴女の実家の家訓から今の貴女は外れてない?」
私は暫く考えた…ゲイルは子供の頃からの付き合いだからゲイルは私の夫だから必ず私の元へ戻って来ると私は、与えてもらってすら無い彼の愛情を、いつかはと言う僅かな期待に縋り、真実を見る事に目を背け曇らせていた事に気づいた…
「あ…④真実を見る目を養え」
「今の貴女に足りないのはソレ。で、どうする?アメリア」
先日のゲイルとリリア夫人の態度を思い出す…
「別れたいです。今まで我慢していた分、全て吐き出したいしゲイルもリリア夫人も恥を掻けばいい」
「そう来なくっちゃ。良いか?アメリア。浮気は病気だから治らねぇ。キッツイお灸を据えないといけんねぇんだよ。それにアメリア、貴女には私とマイラがいるから1人で戦うわけじゃないから大丈夫」
ニヤっと笑うカイリ様に、思わずドキッとしたが、別れたら私は新たにやり直せるし、ゲイルが居なくても、実家に戻れなくても、先の幸せの裏打ちは出来ている。
「まず何から始めたら良いですか?」
「まだ実験中だが、これを持って行くといい」
コロンとした丸く中央が透明になっている黒いキャンディくらいの大きさの石を渡された。
「アメリア、これは物見石に遠隔魔法を付与した球。これに条件魔法をかけてリリア夫人の部屋に置きな。唯、さらに胸を抉る事を眼にするかもしれないが耐えられるか?」
何を意味するかは自ずとわかっていた…
「アメリア…大丈夫?」
マイラが心配そうに私の顔を覗き込む…
「耐えて見せます。覚悟は出来てるわ。もう我慢しない。あいつらの好きな様にさせない」
私はカイリ様から頂いた球にリリア夫人と夫が2人で入室したら作動する様に条件魔法をかけた。
私がリリア夫人の部屋に入るのは怪しまれる。その為リリア夫人の部屋掃除担当のメイドに依頼した。
幸い邸の使用人達は皆んな私の味方だった為、協力してくれた。
「奥様、どんな事があっても私達は奥様の味方です。あの女狐…失礼しました。ランバドール男爵元夫人の態度ったら…旦那様もそうです!奥様を蔑ろにして…奥様、ギャフンと言わせましょう‼︎」
私より生き生きしている使用人達に驚く。
扉からベッドまで見えやすい場所に置いてる花瓶の装飾部に、あの球を嵌め込んだとの事。
「奥様は1人じゃありません私達が付いてます大丈夫です」
あまりの嬉しさに涙が溢れると
「まだ嬉し涙は出してはいけませんよ奥様。勝利を確信してから流すんです。まだ我慢ですよ」
厳しく諌められた。
ーーーー1週間後ーーーー
石を回収し、マイラと一緒にカイリ様の元へ行く。
「いらっしゃい。アメリア。覚悟は出来てるかい?」
カイリ様の家には、マイラの旦那様と2人が紹介した弁護士、私の父とゲイルの両親が居た。
「ニース。例のものを持って来て」
カイリ様が、そう言うとオリーブグリーンに黒の縁取りし、金糸で刺繍されたローブを見に纏った男性が大きな鈍色レンズを木枠で挟んだ物を出してきた。
「彼はニース。私が思い付いた物を使い魔道具を作ってもらっている元王宮魔道士」
スゴい。王宮に、お勤めの方なんて滅多に見られないのでびっくりした。
「この巨大レンズはテレビ石…ウレキサイトと言ったら通じるか?まぁ見たら分かるよ」
そう言うと、石を装置に嵌め込み、巨大レンズに向けると石が光だしレンズに映像が浮かび上がった…
映し出された映像を見て私の体の血液がサーっと一気に冷たくなっていくのを感じた。
リリアの部屋に入り込んだ2人は、扉を閉めると同時に貪る様な口付けを交わしベッドに倒れ互いに服を脱がし合い嬉々としながら求め合っていた。
「あぁん。ゲイル様ぁもっと…もっと激しくして」
と端なく求め喘ぐリリアと激しく彼女の中に打ち付けながら甘く囁くゲイルの姿。
肌同時がぶつかる音に淫らな水音と恍惚に快楽に耽る2人の映像を私は声ひとつ上げずに黙って見ていた。
情交の後に私の事を〝働く事しか能のない女〟〝妻の役割を果たさない女〟ベッドの中で私を嘲笑っていた。
私は悔しさでギュッと手を握り締めていた掌から血液が流れた。
「アメリア‼︎これ以上、見ちゃダメ‼︎」
マイラが涙を流しながら私の前に現れギュッと抱きしめた。
「これは、どういう事でしょうか?フォート元伯爵?伯爵家の再建の為に頭を下げられたから仕方なく嫁がせた我が娘が身を粉にして働いているのに協力どころか、この様な真似をして」
唸る様な低い声でお父様が義父に尋ねたが、状況に着いて行けない義両親目固まるしか無かった…
「次いでに」
と言ってカイリ様は別の石を取り出し装置に嵌め込むと、リリアがゲイル以外に他の男性達との関係がある映像が流れた。
「クックックククっ飛んだ阿婆擦れだな」
カイリ様は苦笑いする。
「アメリア…君の名誉は守る。だから記事にさせてくれないか?」
マイラの旦那様が新聞記事にしたいと言い出すとマイラが諌める。
「ちっちょっと!何言ってるの?アメリアの傷口に塩を塗る気?」
「記事にしてくれ‼︎発売された日にちに合わせゲイルを伯爵当主剥奪と除籍を済ませ、娘フィアの息子を養子を迎える手筈を整える」
暫く黙っていた義父が口を開いた。
「あなた。ゲイルは私達の息子なんですよ?正気?」
「何なら、お前もゲイルと一緒にフォート家から出るか?私達はアメリアに対し、恩を仇で返す行為をした事が、お前には分からないのか!お前は、もう少し賢い女と思っていたが私の買い被りか…理解しきれないなら好きな様にすれば良い。但し、私は知らん」
「あなた…」
「トプソン子爵…そしてアメリア…本当に申し訳ない事をした。我が家の再建の為に尽力し半ば白い結婚強いてしまい…ゲイルも理解していると思っていたが当主としての器どころか人間としての器が未熟…全ての責は私にある。結婚誓約書の条件を全て飲もう」
床に膝をつき義父が詫びた。
「へぇ知らなかった」
確かに、夫は誰が見てもモテる部類とは認識していたが、私が彼を伯爵家当主として頑張れば頑張るほど、彼に近付きたい夫人、令嬢がいる事実に気付がずにいたなんて間抜けでしか無い。
私は自分の愚かさに恥かしくて知り得なかった事実にカタカタと手が震えた…
「アメリア…」
マイラはそっと震える私の手を握りしめ、お渡様と会うことを提案してきた。
「マイラ、そんなに簡単に、お渡様に会えるの?」
「実は、お渡様は私の名付け親なの。悩みから抜け出せなくなったら、いつも私は、お渡様の所に行くの。きっとアリシアの事、助けてくれるわ」
数日後、マイラから連絡が来て、お渡様から会いたいと言われた事に私は嬉しさでいっぱいになった。
相変わらずゲイルは妻の私より、リリア夫人を優先して買い物に行ったりしていた…
ーーーーある日の出来事ーーーー
「ゲイル、大事な商談があるのに貴方は参加しないの?伯爵当主はゲイル、貴方よ?」
「僕が態々行かなくても君がいれば大丈夫だろう?それに僕はリリア夫人との約束を先にしていたし」
「アメリア様、ごめんなさいね。ねぇゲイル様ぁ、私、マダム フランチェのドレスが欲しい」
「あぁ。良いよ。君は何着ても似合うから…」
2人寄り添い出かける姿を見て、言い返したい気持ちをグッと堪え私は着ている服のスカートを握りしめた…
きっとゲイルを狙う婦女子達からしたら〝お金を産む〟しか能の無い間抜けな伯爵夫人としか見えてないんだろうな…
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「アメリア、ここが、お渡様のお屋敷♪」
見慣れた商店街からちょっとだけ脇に入ると普通に見過ごす所に扉が浮き上がる…
マイラは躊躇いなく開けて吸い込まれる様に入っていった…
「ほら、アメリア」
伸ばした彼女の手を握ると私も吸い込まれる。
「カイリさーん。いる?」
「マイラ、いらっしゃい。彼女が例の従姉妹?」
「お渡様、初めまして…マイラの従姉妹のアメリア フォートと申します」
「あー堅っ苦しい挨拶は抜き抜き。私はセリカ カイドウ。カイリって呼んで」
お渡様は背が高く、この国では珍しい黒髪で短髪の女性。
屈託の無い笑顔で片手を振る。
「コーヒーで良い?もしかして、貴族は紅茶しか嗜まいって事ないよね?」
「あっ。お構いなく…確かに生まれも育ちも貴族ですが、我が家は商人に近いので」
気さくな方だなぁマイラが気にいるのは納得する。
立ち振る舞いも〝淑女〟らしくなく、どちらかと言うと〝男性的〟来ている服も男性の様にパンツスタイルだけど長身に長い足だから、とても似合っていた。
女性であることが勿体無い。
「粗方の話はマイラから聞いてるよ。小さい頃から、みんなの為に1人で頑張って偉いね。アメリア…」
カイリ様はそっと私の頭を撫でられ、今まで張り詰めていたものが〝プツリ〟と切れ、涙が溢れた。
「たくさん泣いていいよ。誰も貴女を責めないから」
私は、幼子の様に声を張り上げて泣いてしまった。
「ぐすっ…ずっ…ずびばぜん(すみません)」
「今まで我慢してきたんだから、仕方ないよ。へぇ…これが結婚誓約書…書類は大事だよ自分を守る最強の武器だ。私は賢い子は好きよ。アメリア…マイラから聞いたけど、貴女の実家の家訓から今の貴女は外れてない?」
私は暫く考えた…ゲイルは子供の頃からの付き合いだからゲイルは私の夫だから必ず私の元へ戻って来ると私は、与えてもらってすら無い彼の愛情を、いつかはと言う僅かな期待に縋り、真実を見る事に目を背け曇らせていた事に気づいた…
「あ…④真実を見る目を養え」
「今の貴女に足りないのはソレ。で、どうする?アメリア」
先日のゲイルとリリア夫人の態度を思い出す…
「別れたいです。今まで我慢していた分、全て吐き出したいしゲイルもリリア夫人も恥を掻けばいい」
「そう来なくっちゃ。良いか?アメリア。浮気は病気だから治らねぇ。キッツイお灸を据えないといけんねぇんだよ。それにアメリア、貴女には私とマイラがいるから1人で戦うわけじゃないから大丈夫」
ニヤっと笑うカイリ様に、思わずドキッとしたが、別れたら私は新たにやり直せるし、ゲイルが居なくても、実家に戻れなくても、先の幸せの裏打ちは出来ている。
「まず何から始めたら良いですか?」
「まだ実験中だが、これを持って行くといい」
コロンとした丸く中央が透明になっている黒いキャンディくらいの大きさの石を渡された。
「アメリア、これは物見石に遠隔魔法を付与した球。これに条件魔法をかけてリリア夫人の部屋に置きな。唯、さらに胸を抉る事を眼にするかもしれないが耐えられるか?」
何を意味するかは自ずとわかっていた…
「アメリア…大丈夫?」
マイラが心配そうに私の顔を覗き込む…
「耐えて見せます。覚悟は出来てるわ。もう我慢しない。あいつらの好きな様にさせない」
私はカイリ様から頂いた球にリリア夫人と夫が2人で入室したら作動する様に条件魔法をかけた。
私がリリア夫人の部屋に入るのは怪しまれる。その為リリア夫人の部屋掃除担当のメイドに依頼した。
幸い邸の使用人達は皆んな私の味方だった為、協力してくれた。
「奥様、どんな事があっても私達は奥様の味方です。あの女狐…失礼しました。ランバドール男爵元夫人の態度ったら…旦那様もそうです!奥様を蔑ろにして…奥様、ギャフンと言わせましょう‼︎」
私より生き生きしている使用人達に驚く。
扉からベッドまで見えやすい場所に置いてる花瓶の装飾部に、あの球を嵌め込んだとの事。
「奥様は1人じゃありません私達が付いてます大丈夫です」
あまりの嬉しさに涙が溢れると
「まだ嬉し涙は出してはいけませんよ奥様。勝利を確信してから流すんです。まだ我慢ですよ」
厳しく諌められた。
ーーーー1週間後ーーーー
石を回収し、マイラと一緒にカイリ様の元へ行く。
「いらっしゃい。アメリア。覚悟は出来てるかい?」
カイリ様の家には、マイラの旦那様と2人が紹介した弁護士、私の父とゲイルの両親が居た。
「ニース。例のものを持って来て」
カイリ様が、そう言うとオリーブグリーンに黒の縁取りし、金糸で刺繍されたローブを見に纏った男性が大きな鈍色レンズを木枠で挟んだ物を出してきた。
「彼はニース。私が思い付いた物を使い魔道具を作ってもらっている元王宮魔道士」
スゴい。王宮に、お勤めの方なんて滅多に見られないのでびっくりした。
「この巨大レンズはテレビ石…ウレキサイトと言ったら通じるか?まぁ見たら分かるよ」
そう言うと、石を装置に嵌め込み、巨大レンズに向けると石が光だしレンズに映像が浮かび上がった…
映し出された映像を見て私の体の血液がサーっと一気に冷たくなっていくのを感じた。
リリアの部屋に入り込んだ2人は、扉を閉めると同時に貪る様な口付けを交わしベッドに倒れ互いに服を脱がし合い嬉々としながら求め合っていた。
「あぁん。ゲイル様ぁもっと…もっと激しくして」
と端なく求め喘ぐリリアと激しく彼女の中に打ち付けながら甘く囁くゲイルの姿。
肌同時がぶつかる音に淫らな水音と恍惚に快楽に耽る2人の映像を私は声ひとつ上げずに黙って見ていた。
情交の後に私の事を〝働く事しか能のない女〟〝妻の役割を果たさない女〟ベッドの中で私を嘲笑っていた。
私は悔しさでギュッと手を握り締めていた掌から血液が流れた。
「アメリア‼︎これ以上、見ちゃダメ‼︎」
マイラが涙を流しながら私の前に現れギュッと抱きしめた。
「これは、どういう事でしょうか?フォート元伯爵?伯爵家の再建の為に頭を下げられたから仕方なく嫁がせた我が娘が身を粉にして働いているのに協力どころか、この様な真似をして」
唸る様な低い声でお父様が義父に尋ねたが、状況に着いて行けない義両親目固まるしか無かった…
「次いでに」
と言ってカイリ様は別の石を取り出し装置に嵌め込むと、リリアがゲイル以外に他の男性達との関係がある映像が流れた。
「クックックククっ飛んだ阿婆擦れだな」
カイリ様は苦笑いする。
「アメリア…君の名誉は守る。だから記事にさせてくれないか?」
マイラの旦那様が新聞記事にしたいと言い出すとマイラが諌める。
「ちっちょっと!何言ってるの?アメリアの傷口に塩を塗る気?」
「記事にしてくれ‼︎発売された日にちに合わせゲイルを伯爵当主剥奪と除籍を済ませ、娘フィアの息子を養子を迎える手筈を整える」
暫く黙っていた義父が口を開いた。
「あなた。ゲイルは私達の息子なんですよ?正気?」
「何なら、お前もゲイルと一緒にフォート家から出るか?私達はアメリアに対し、恩を仇で返す行為をした事が、お前には分からないのか!お前は、もう少し賢い女と思っていたが私の買い被りか…理解しきれないなら好きな様にすれば良い。但し、私は知らん」
「あなた…」
「トプソン子爵…そしてアメリア…本当に申し訳ない事をした。我が家の再建の為に尽力し半ば白い結婚強いてしまい…ゲイルも理解していると思っていたが当主としての器どころか人間としての器が未熟…全ての責は私にある。結婚誓約書の条件を全て飲もう」
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