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愛されヒロインの末路
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皆さん、考えたことはあるだろうか?
今、流行りの乙女ゲーム。
攻略対象の男の子達と恋人未満の関係を保ちながら最後は本命の恋人、または婚約者を蹴落とし、自身が、その恋人の座に就き、かつての元カノを更に攻略対象の男の子達が追及するゲーム。
エンディングには2人が互いが〝真実の愛〟で結ばれた事に酔いしれ、周りに祝福され、華やかな結婚式でエンドロールが流れゲームは終了。
これは、あくまでゲームの話。しつこいようだけど、あくまで。
人は身の丈以上の幸せを求めてはいけないと、私は身を持って知っている。
◇
◇
◇
〝阿婆擦れ女‼︎〟
〝この売女‼︎〟
〝リジイア様を返せ‼︎〟
〝悪女‼︎〟
エメラルドグリーンの両目は焼かれ、自慢だったピンクブロンドの長い髪は、斬バラに切られ、そして声を発せないように喉を潰され、逃げ出さないよう両足の骨を折られた私は、石や物を投げつけられ、罵声を浴びながら処刑場にいる。
「貴女の犯した罪は、身の丈以上に、他人のモノを欲しがり、奪った結果。恨むなら、己の強欲さを恨みなさい」
神に仕える神父にさえ最期は懺悔を許してもらえず、私は処刑された。
◇
◇
◇
「リジイア ボルドー公爵令嬢。今日を持って貴様との婚約を破棄し、我が隣にいるアマリリス コーラル男爵令嬢を新たな婚約者として迎え入れる」
学生最後の夜会で、高位貴族の婚約者が居た王太子、シャルダン カベネルと私、アマリリス コーラルは想いが通じ合い、皆の前で婚約宣言をした。
リジイア ボルドー公爵令嬢は、未来の国王となる、シャルダンを支え〝国母〟となる為に、幼い頃から王太子妃教育を受け、王太子の代わりに政務に携わり様々な成果を上げたにも拘らず、彼女の今までの努力が全て水の泡になった瞬間でもあった。
「然様でございますか…シャルダン殿下。私達の婚姻は将来的に殿下の為だと私は心得てましたが、どうやら違ったようですね」
これだけ騒がしい状況でも、眉一つ動かさず、淡々と骨身にまで叩き込まれた淑女らしく彼女は振る舞う。
「私は、心休まる場が欲しいのだ。リジイアより、アマリリスと居る方が私の心が休まる。それに、貴様は私とアマリリスの仲に嫉妬し数々の嫌がらせ、仮にも王太子妃候補で公爵令嬢であるのに、恥ずかしいと思わぬのか‼︎」
「お言葉を返す様ですが、私は一切、コーラル男爵令嬢に危害を加えた覚えはございません‼︎」
「この後に於いて、まだ言い訳するか‼︎見苦しいぞ‼︎リジイア‼︎」
シャルダンは自分の側近のソアーベと近衛騎士団団長子息のメルロウに視線を向け、リジイアを取り押さえる。
「放しなさい‼︎私の身体に気安く触れないで‼︎」
リジイアが2人から逃れようと体を捻った時にメルロウの手が彼女の背中に入り、彼が力任せに引っ張った為、ドレスが引き裂かれた。
リジイアの肌が露わになり、コルセットで押さえつけていた胸が溢れる。
「キャァァ‼︎‼︎‼︎」
咄嗟に胸を隠し、蹲り震え、リジイアは涙を流す。
直様、メルロウがマントで彼女の体を隠すが時 既に遅しだった。
騒つく会場。婚約破棄され、傷物令嬢になり、更に、嘗ての婚約者である王太子、そして親にさえ見せた事ない素肌を公衆の面前で晒されたのだ…
そして、パーティが終わった3日後、リジイア ボルドー公爵令嬢は自宅の浴室で自ら命を絶った。
この醜聞は瞬く間に平民にまで一気に行き渡る。
「何て事をしてくれたんだ…シャルダン」
「父上、私は自分が好いた令嬢と共に国を支えたかっただけです」
「この能無しが‼︎暫く、シャルダンを始め、ポート侯爵子息、ソアーベ、並びに近衛騎士団団長ブラン伯爵子息メルロウそしてメドック宰相の子息ピノワール…リジイア ボルドー公爵令嬢の葬儀が落ち着くまで、謹慎とする。原因であるコーラル男爵令嬢も含める」
承認無しに派手な婚約破棄を行い、王太子の婚約者だった公爵令嬢は命を絶ち、何もかも取り返しが着かない事を悟った国王は異例中の異例で家格が全く合わない男爵令嬢アマリリス コーラルを王太子妃として迎えるしかなかった。
ーーーーーーー
春の穏やかな晴れた日の空の下、大聖堂でシャルダンと私は永遠の愛を誓う…
貴族達は私達の結婚に難色を露わに示すが、平民達は巷で流行りの灰被り姫物語をリアルで感じ、お祝いムード。
〝シャルダン王太子、アマリリス王太子妃おめでとうございます〟
〝いつか縁が有れば私達も、お姫様になれるのかしら?〟
〝王室に新しい風が吹いた〟
〝シャルダン王太子。アマリリス王太子妃に栄光の幸あれ〟
恐らく、これが、私達の幸せの絶頂だったのかもしれない。
◇
◇
◇
私の母親、マーガレット コーラルは、王都の中心地の飲食店の給仕をしていた。
そこに、私の父であるコーラル男爵が食事に来て、目に留まり愛妾となったのだ。
コーラル男爵と男爵夫人には2人の男の子が居たが、夫人との関係は冷え切ったものだと母親から聞いた。
男爵夫人は、ある寒い冬に、流感に罹り命を落とされる。夫人の喪が明けた年、私が3歳の時に母はコーラル男爵夫人の座についた。
歳が離れ私が幼かった事もあり、前妻の子である異母兄達は私の事を可愛がってくれた。
「可愛いアーリー。これをお食べ」
「この服はアーリーによく似合う」
爵位は男爵ではあったが〝成金男爵〟と揶揄する者もいた。
お金に不自由する事なく、私は〝嫌なものはイヤ〟〝欲しいものは絶対に欲しい〟と物事の背景に何があるかを全く理解どころか考えもせず私は、自分がしたい様に振る舞い、そのまま成長した。
ーーーーーーーー
13歳を迎え、私は貴族達が通う学園に入学。
私は、自分で言うのも何だけど〝男ウケがいい女〟だったことは自負していた
学園生活4年、私は17歳になる。
男性が欲しい言葉や仕草は手に取るように分かり、数々の令嬢達から涙ながらに「私の婚約者を返して」と言う言葉をよく言われるようになった。
「〝返して〟と言われても、困りますわ。私は何もしてなくてよ?勝手に男性達がしてくれてるんですもの」
その言葉を聞いて涙する令嬢は後を立たない。
「如何なさったの?」
柔らかい口調だが、ピンと糸が張った緊張を孕んだ声が響く。
声の主に一斉に令嬢達は振り向き「リジイア様」と彼女の名を読んだ。
リジイア ボルドー公爵令嬢。この国の王太子、シャルダン カベネルの婚約者で〝未来の王太子妃〟。
文学、芸術にも長けており令嬢達の憧れ、まさに〝淑女の鑑〟と謳われる。
「1人の令嬢に何人も群がって…」
「リジイア様、聞いて下さい‼︎アマリリス令嬢ったら、〇〇令嬢の婚約者を誑かしてるんです
」
「いえ!〇〇令嬢だけではありません‼︎他の令嬢達の婚約者達にも、同じ事をしておりまして注意をしたんですが改める気もない様でして…」
ここぞとばかりに令嬢達はリジイアに私の行いで婚約者が振り向いてくれない事を訴えた。
「……貴女方の言い分は理解しました。しかし、それをアマリリス令嬢だけが悪いと責め立てるのも宜くなくてよ?殿方も自分の置かれてる立場分かって無いですし…」
「「「「リジイア様」」」」
シュンと肩を竦めた令嬢達を見た後、私に振り返る。
「コーラル男爵令嬢。貴女も貴女ですよ?淑女なら、男性達との距離を考えませんと…幾ら、学園内での身分は関係ないと言っても…特に婚約者がいる令息との距離は、互いに外聞を悪くするだけで何の得にもなりません。今、私の言葉は、貴女にとって、とても耳が痛い話だと思いますが、貴女の為に言ってるんです。留意してください。さ、この話は、これでおしまい。互いに婚約者達と、よく話し合いなさい。解決が見えないようでしたら、ご両親と相談なさいませ…私は、これにて失礼致しますわ」
私の心を見透かすように、サラリと注意を促しリジイアは去って行った。
「流石はリジイア様だわ」
「そうよね。先ずは話し合わないと」
さっきまで私に嫉妬を露わにして食って掛かってきた令嬢達は冷静さを取り戻す。
「アマリリス令嬢。リジイア様が仲介に入ってくださったから、ここまでで済みましたが、私達は許してなくてよ‼︎」
最後に余計な釘を刺して去る令嬢も居た。
今、流行りの乙女ゲーム。
攻略対象の男の子達と恋人未満の関係を保ちながら最後は本命の恋人、または婚約者を蹴落とし、自身が、その恋人の座に就き、かつての元カノを更に攻略対象の男の子達が追及するゲーム。
エンディングには2人が互いが〝真実の愛〟で結ばれた事に酔いしれ、周りに祝福され、華やかな結婚式でエンドロールが流れゲームは終了。
これは、あくまでゲームの話。しつこいようだけど、あくまで。
人は身の丈以上の幸せを求めてはいけないと、私は身を持って知っている。
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〝阿婆擦れ女‼︎〟
〝この売女‼︎〟
〝リジイア様を返せ‼︎〟
〝悪女‼︎〟
エメラルドグリーンの両目は焼かれ、自慢だったピンクブロンドの長い髪は、斬バラに切られ、そして声を発せないように喉を潰され、逃げ出さないよう両足の骨を折られた私は、石や物を投げつけられ、罵声を浴びながら処刑場にいる。
「貴女の犯した罪は、身の丈以上に、他人のモノを欲しがり、奪った結果。恨むなら、己の強欲さを恨みなさい」
神に仕える神父にさえ最期は懺悔を許してもらえず、私は処刑された。
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「リジイア ボルドー公爵令嬢。今日を持って貴様との婚約を破棄し、我が隣にいるアマリリス コーラル男爵令嬢を新たな婚約者として迎え入れる」
学生最後の夜会で、高位貴族の婚約者が居た王太子、シャルダン カベネルと私、アマリリス コーラルは想いが通じ合い、皆の前で婚約宣言をした。
リジイア ボルドー公爵令嬢は、未来の国王となる、シャルダンを支え〝国母〟となる為に、幼い頃から王太子妃教育を受け、王太子の代わりに政務に携わり様々な成果を上げたにも拘らず、彼女の今までの努力が全て水の泡になった瞬間でもあった。
「然様でございますか…シャルダン殿下。私達の婚姻は将来的に殿下の為だと私は心得てましたが、どうやら違ったようですね」
これだけ騒がしい状況でも、眉一つ動かさず、淡々と骨身にまで叩き込まれた淑女らしく彼女は振る舞う。
「私は、心休まる場が欲しいのだ。リジイアより、アマリリスと居る方が私の心が休まる。それに、貴様は私とアマリリスの仲に嫉妬し数々の嫌がらせ、仮にも王太子妃候補で公爵令嬢であるのに、恥ずかしいと思わぬのか‼︎」
「お言葉を返す様ですが、私は一切、コーラル男爵令嬢に危害を加えた覚えはございません‼︎」
「この後に於いて、まだ言い訳するか‼︎見苦しいぞ‼︎リジイア‼︎」
シャルダンは自分の側近のソアーベと近衛騎士団団長子息のメルロウに視線を向け、リジイアを取り押さえる。
「放しなさい‼︎私の身体に気安く触れないで‼︎」
リジイアが2人から逃れようと体を捻った時にメルロウの手が彼女の背中に入り、彼が力任せに引っ張った為、ドレスが引き裂かれた。
リジイアの肌が露わになり、コルセットで押さえつけていた胸が溢れる。
「キャァァ‼︎‼︎‼︎」
咄嗟に胸を隠し、蹲り震え、リジイアは涙を流す。
直様、メルロウがマントで彼女の体を隠すが時 既に遅しだった。
騒つく会場。婚約破棄され、傷物令嬢になり、更に、嘗ての婚約者である王太子、そして親にさえ見せた事ない素肌を公衆の面前で晒されたのだ…
そして、パーティが終わった3日後、リジイア ボルドー公爵令嬢は自宅の浴室で自ら命を絶った。
この醜聞は瞬く間に平民にまで一気に行き渡る。
「何て事をしてくれたんだ…シャルダン」
「父上、私は自分が好いた令嬢と共に国を支えたかっただけです」
「この能無しが‼︎暫く、シャルダンを始め、ポート侯爵子息、ソアーベ、並びに近衛騎士団団長ブラン伯爵子息メルロウそしてメドック宰相の子息ピノワール…リジイア ボルドー公爵令嬢の葬儀が落ち着くまで、謹慎とする。原因であるコーラル男爵令嬢も含める」
承認無しに派手な婚約破棄を行い、王太子の婚約者だった公爵令嬢は命を絶ち、何もかも取り返しが着かない事を悟った国王は異例中の異例で家格が全く合わない男爵令嬢アマリリス コーラルを王太子妃として迎えるしかなかった。
ーーーーーーー
春の穏やかな晴れた日の空の下、大聖堂でシャルダンと私は永遠の愛を誓う…
貴族達は私達の結婚に難色を露わに示すが、平民達は巷で流行りの灰被り姫物語をリアルで感じ、お祝いムード。
〝シャルダン王太子、アマリリス王太子妃おめでとうございます〟
〝いつか縁が有れば私達も、お姫様になれるのかしら?〟
〝王室に新しい風が吹いた〟
〝シャルダン王太子。アマリリス王太子妃に栄光の幸あれ〟
恐らく、これが、私達の幸せの絶頂だったのかもしれない。
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私の母親、マーガレット コーラルは、王都の中心地の飲食店の給仕をしていた。
そこに、私の父であるコーラル男爵が食事に来て、目に留まり愛妾となったのだ。
コーラル男爵と男爵夫人には2人の男の子が居たが、夫人との関係は冷え切ったものだと母親から聞いた。
男爵夫人は、ある寒い冬に、流感に罹り命を落とされる。夫人の喪が明けた年、私が3歳の時に母はコーラル男爵夫人の座についた。
歳が離れ私が幼かった事もあり、前妻の子である異母兄達は私の事を可愛がってくれた。
「可愛いアーリー。これをお食べ」
「この服はアーリーによく似合う」
爵位は男爵ではあったが〝成金男爵〟と揶揄する者もいた。
お金に不自由する事なく、私は〝嫌なものはイヤ〟〝欲しいものは絶対に欲しい〟と物事の背景に何があるかを全く理解どころか考えもせず私は、自分がしたい様に振る舞い、そのまま成長した。
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13歳を迎え、私は貴族達が通う学園に入学。
私は、自分で言うのも何だけど〝男ウケがいい女〟だったことは自負していた
学園生活4年、私は17歳になる。
男性が欲しい言葉や仕草は手に取るように分かり、数々の令嬢達から涙ながらに「私の婚約者を返して」と言う言葉をよく言われるようになった。
「〝返して〟と言われても、困りますわ。私は何もしてなくてよ?勝手に男性達がしてくれてるんですもの」
その言葉を聞いて涙する令嬢は後を立たない。
「如何なさったの?」
柔らかい口調だが、ピンと糸が張った緊張を孕んだ声が響く。
声の主に一斉に令嬢達は振り向き「リジイア様」と彼女の名を読んだ。
リジイア ボルドー公爵令嬢。この国の王太子、シャルダン カベネルの婚約者で〝未来の王太子妃〟。
文学、芸術にも長けており令嬢達の憧れ、まさに〝淑女の鑑〟と謳われる。
「1人の令嬢に何人も群がって…」
「リジイア様、聞いて下さい‼︎アマリリス令嬢ったら、〇〇令嬢の婚約者を誑かしてるんです
」
「いえ!〇〇令嬢だけではありません‼︎他の令嬢達の婚約者達にも、同じ事をしておりまして注意をしたんですが改める気もない様でして…」
ここぞとばかりに令嬢達はリジイアに私の行いで婚約者が振り向いてくれない事を訴えた。
「……貴女方の言い分は理解しました。しかし、それをアマリリス令嬢だけが悪いと責め立てるのも宜くなくてよ?殿方も自分の置かれてる立場分かって無いですし…」
「「「「リジイア様」」」」
シュンと肩を竦めた令嬢達を見た後、私に振り返る。
「コーラル男爵令嬢。貴女も貴女ですよ?淑女なら、男性達との距離を考えませんと…幾ら、学園内での身分は関係ないと言っても…特に婚約者がいる令息との距離は、互いに外聞を悪くするだけで何の得にもなりません。今、私の言葉は、貴女にとって、とても耳が痛い話だと思いますが、貴女の為に言ってるんです。留意してください。さ、この話は、これでおしまい。互いに婚約者達と、よく話し合いなさい。解決が見えないようでしたら、ご両親と相談なさいませ…私は、これにて失礼致しますわ」
私の心を見透かすように、サラリと注意を促しリジイアは去って行った。
「流石はリジイア様だわ」
「そうよね。先ずは話し合わないと」
さっきまで私に嫉妬を露わにして食って掛かってきた令嬢達は冷静さを取り戻す。
「アマリリス令嬢。リジイア様が仲介に入ってくださったから、ここまでで済みましたが、私達は許してなくてよ‼︎」
最後に余計な釘を刺して去る令嬢も居た。
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