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ソフィーの新婚生活

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 ウィリアムが来た効果は絶大だった。

「確かにここに空間があった気がする。壁を壊してみろ。」

 ウィリアムがそう言っただけですべてが解決した。目が泳いでいたので、ウィリアムはあまりハイの絵について記憶していないのではとライは密かに思ったが、この場を治める力への嫉妬がそう思わせただけかもしれない。ソフィーの大切な物について大切にしていないウィリアム。ライはそう思いたかった。

 ウィリアムが嵐のように去った後、壁を騎士団で破壊した。

 壁の中からは予想通り証拠が出てきた。カムイは真面目なだけで悪い人間ではない。きちんとライやテオソフィーに謝罪をし、証拠の精査について引き受けると言って書類を持って出ていった。

 ソフィーは今、壁の中のマントルピースに夢中になっている。ライは周囲に人がいない事を確認してソフィーに近づいた。

「ソフィー、自分の身分を捨てた事。後悔していないか?」

 ソフィーはキョトンとしてライを見上げる。

「もし、ソフィア・クマゲラのままだったなら、さっきの王太子のようにすぐに話を信用してもらえる。」

 ライは祈るような気持ちでソフィーの瞳を覗き込んだ。

「確かにライの役に立とうと思ったのにウィルお兄様にその役目を取られてしまったのはちょっと悔しいわ。ウィルお兄様が来て下さらなくても、きっと私はうまく出来たのに。」

 ソフィーが頬を膨らます。

 ライはソフィーの態度にホッとして力を抜く。忙しい中でわざわざ来たウィリアムにはちょっとだけ同情した。

「私はライと一緒にいられるなら他はどうでもいいの。」

 ソフィーが満面の笑みで飛びついてくる。ライはソフィーを抱きとめて笑った。

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