30 / 72
4.安らげる場所
9.潜入
しおりを挟む
アメリアは、ジェラルドの手を借りて馬車から降りた。この地域は夜でも賑わいを見せている中心街とは違い、街灯があまりないので馬車の外は真っ暗で不気味だ。
「リア、君は私の愛人だからね。」
「恋人でいいでしょ。」
「愛人の方が雰囲気出るだろ?」
アメリアを不安にさせないためか、ジェラルドはくだらない事を言ってくる。長い付き合いなので、アメリアの気持ちは、ジェラルドに筒抜けだ。
アメリアはジェラルドが差し出した腕に自分の腕を絡める。なんだか悔しいけれど、よく知るジェラルドのぬくもりは、アメリアを自然と落ち着かせてくれた。
ジェラルドにエスコートされて歩いていくと、怪しい雰囲気の漂う扉の前に、正装した男が2人立っていた。建物の護衛も兼ねているのだろう。鍛えあげられているのが服の上からでもわかる。
「いらっしゃいませ。招待状はお持ちですか?」
「ああ、持ってきたよ。」
ジェラルドが男に一枚のカードを差し出す。このカードは騎士団が手に入れた本物で、出発前の会議でジェラルドが受け取っていたものだ。男がカードを念入りに調べるとジェラルドとアメリアを値踏みするように見てきた。アメリアは緊張してジェラルドの腕をぎゅっと引き寄せる。
「リア、緊張してるの?」
アメリアが見上げると、ジェラルドが優しく微笑む。空いている手をアメリアの頬に添えるとジェラルドはアメリアの唇に触れるだけの口づけをした。アメリアは予想外の行動に顔を赤くするが、ジェラルドは仮面をしていても分かるような悪い笑みを一瞬浮かべると、今度は深くアメリアの唇を味わうように奪った。
「雰囲気になれれば、リアもきっと楽しめると思うよ。」
ジェラルドはとても楽しそうだ。アメリアを落ち着かせたいのか、動揺させたいのか分からない。それでも受付を無事に通過する助けにはなったようだ。受付の男は呆れた顔をしながら、ジェラルドとアメリアを建物の中に通した。
(私、ちゃんとできるかな。)
「アメリアは俺だけを見ていればいい。」
男たちから見えない位置まで来ると、アメリアの思いを見透かしたようにジェラルドが耳元で囁く。アメリアは任務も忘れて顔を真っ赤にして俯いた。
会議で見せられた見取図によると、賭博場は地下にあるはずだ。アメリアは階段を降りながら、気持ちを立て直した。
「リア、この扉の先が賭博場だよ。」
「楽しみね。」
はしゃいだような声での会話だったが、ジェラルドの準備はいいかというメッセージに、アメリアが問題ないと答えた形だ。
ジェラルドは満足そうに頷いて扉を開けた。
静かだったここまでとは違って、会場はたくさんの人で賑わっていた。ジェラルドのエスコートでさり気なく会場を回って仲間の居場所を確認する。アメリアたちが最後に入ることになっていたため、他の2組は予定通り問題なく配置についていた。その確認が終わると、アメリアもジェラルドとともに指示されていた場所付近に並んで座る。
アメリアの目の前にあるのは、回転する円形の台にボールを入れて、ボールが止まった場所の数字を当てるものだ。ジェラルドは現金を賭博場専用のコインに換金すると賭けを始めた。ここからは、時間がくるまで怪しまれないように過ごせればいい。
ジェラルドはアメリアの肩を抱き寄せながら、「リアは黒と赤どっちが好き? 私は紫かな。」と言って仮面をつけたアメリアの目元に口づけしてきたり、「リアの生まれた日に賭けるよ。」と微笑んでみたり、なんだか楽しそうだ。
普段とは違う王子らしいジェラルドに、公式行事のときの変貌ぶりが重なって見える。人前に立つときのジェラルドは、いつもアメリアの横でキラキラしている。ある意味いつも通りなのだ。その様子を見ていると、アメリアは落ち着いて周囲を観察することができた。
予定時刻が迫ってくる頃には、人は一段と多くなっていた。賭博場の関係者は剣を持っているが、客で武器を持っているものはいないようだ。アメリアの見立てでは、クロやトビのような人間も紛れていない。
バタン
急に騒がしくなって扉が乱暴に開く。
ミカエルとヴィクトルを先頭に近衛騎士が数人、続いて警備騎士団の者たちが多勢入ってきた。
「皇太子殿下の名のもとに、この場を改めさせて頂く。全員立ち上がって手を上げろ。怪しい動きをした者は命の保証はしない。」
ミカエルが声を張り上げている間にも一部の人間が逃げようと走り出す。
アメリアは近くで走り出した男にトビ特製の小さいボールを投げつけた。
男の首元にボールが当たって砕けると、受け身も取らずに、その場でバタンと男が倒れた。効き目の強さに一瞬アメリアも唖然とする。
他にも動く者がいるので躊躇している暇はない。アメリアは周囲の安全を確認しながら、ポケットからボールを取り出して次々と首元に投げた。ジェラルドも側で数人拘束している。
周囲が落ち着いてきて、アメリアが全体を見回すと数ヶ所で騎士と賭博場の男が剣を構えて睨みあっていた。一番近い場所に加勢に向かおうとするが、ジェラルドに腕を掴まれてしまう。
「落ち着け、リアが行く必要はない。」
アメリアはジェラルドに手を引かれて手近な椅子に座った。ジェラルドは騎士に拘束された者たちが近くを騒ぎながら通って行くのも気にせずに、アメリアの全身をくまなく確認している。
「怪我なんてしてないわ。」
アメリアが言っても、ジェラルドは聞こえないふりをしていて、取り合ってくれない。しつこいくらい確認して、やっと納得したのかジェラルドはゆっくり息を吐き出した。
「アメリア、さっき何を投げてたんだ?」
ジェラルドはアメリアの隣の椅子にドカリと座ると、アメリアの手に視線を向ける。
「これだけど、何なのかは知らないわ。」
アメリアはボールの残りをポケットから出してジェラルドに見せた。
アメリアは力が弱いので、短剣を致命傷になる位置に投げつけて逃げる訓練を中心に行ってきた。それ以外の戦闘もそれなりには出来るが、相手を拘束したり気絶させたりするために敵に近づく事は、護衛が許可しなかった。かわりに渡してくれたのがこのボールだ。
宿屋で襲われた際に相手を殺してしまうことが恐ろしくて何も出来なかった事が、このボールを用意してもらった一番の原因だが、それに関してはジェラルドに伝えるつもりはアメリアにはない。
「トビが作ってくれたのよ。2日くらいすれば目を覚ますって言ってたわ。」
アメリアが説明すると、ジェラルドが少し顔を引き攣らせた。こんなに驚いているところをみると、騎士団にはない技術なのかもしれない。
このボールは劣化が激しいため作り置きできず、使う事が前から分かっているときにしか用意できない。逆にすぐに毒性がなくなるので、顔の近くに投げつけられた相手にしか被害はない。アメリアはジェラルドにそう説明した。
「分かった。とにかく危ないから、もう持ち歩くなよ。」
安全だと説明したのに、ジェラルドはそんな事を真面目な顔をして言ってくる。アメリアは仕方がないので頷いておくことにした。必要ならジェラルドに内緒でトビに用意して貰えばいい。そう密かに考えていた。
「リア、君は私の愛人だからね。」
「恋人でいいでしょ。」
「愛人の方が雰囲気出るだろ?」
アメリアを不安にさせないためか、ジェラルドはくだらない事を言ってくる。長い付き合いなので、アメリアの気持ちは、ジェラルドに筒抜けだ。
アメリアはジェラルドが差し出した腕に自分の腕を絡める。なんだか悔しいけれど、よく知るジェラルドのぬくもりは、アメリアを自然と落ち着かせてくれた。
ジェラルドにエスコートされて歩いていくと、怪しい雰囲気の漂う扉の前に、正装した男が2人立っていた。建物の護衛も兼ねているのだろう。鍛えあげられているのが服の上からでもわかる。
「いらっしゃいませ。招待状はお持ちですか?」
「ああ、持ってきたよ。」
ジェラルドが男に一枚のカードを差し出す。このカードは騎士団が手に入れた本物で、出発前の会議でジェラルドが受け取っていたものだ。男がカードを念入りに調べるとジェラルドとアメリアを値踏みするように見てきた。アメリアは緊張してジェラルドの腕をぎゅっと引き寄せる。
「リア、緊張してるの?」
アメリアが見上げると、ジェラルドが優しく微笑む。空いている手をアメリアの頬に添えるとジェラルドはアメリアの唇に触れるだけの口づけをした。アメリアは予想外の行動に顔を赤くするが、ジェラルドは仮面をしていても分かるような悪い笑みを一瞬浮かべると、今度は深くアメリアの唇を味わうように奪った。
「雰囲気になれれば、リアもきっと楽しめると思うよ。」
ジェラルドはとても楽しそうだ。アメリアを落ち着かせたいのか、動揺させたいのか分からない。それでも受付を無事に通過する助けにはなったようだ。受付の男は呆れた顔をしながら、ジェラルドとアメリアを建物の中に通した。
(私、ちゃんとできるかな。)
「アメリアは俺だけを見ていればいい。」
男たちから見えない位置まで来ると、アメリアの思いを見透かしたようにジェラルドが耳元で囁く。アメリアは任務も忘れて顔を真っ赤にして俯いた。
会議で見せられた見取図によると、賭博場は地下にあるはずだ。アメリアは階段を降りながら、気持ちを立て直した。
「リア、この扉の先が賭博場だよ。」
「楽しみね。」
はしゃいだような声での会話だったが、ジェラルドの準備はいいかというメッセージに、アメリアが問題ないと答えた形だ。
ジェラルドは満足そうに頷いて扉を開けた。
静かだったここまでとは違って、会場はたくさんの人で賑わっていた。ジェラルドのエスコートでさり気なく会場を回って仲間の居場所を確認する。アメリアたちが最後に入ることになっていたため、他の2組は予定通り問題なく配置についていた。その確認が終わると、アメリアもジェラルドとともに指示されていた場所付近に並んで座る。
アメリアの目の前にあるのは、回転する円形の台にボールを入れて、ボールが止まった場所の数字を当てるものだ。ジェラルドは現金を賭博場専用のコインに換金すると賭けを始めた。ここからは、時間がくるまで怪しまれないように過ごせればいい。
ジェラルドはアメリアの肩を抱き寄せながら、「リアは黒と赤どっちが好き? 私は紫かな。」と言って仮面をつけたアメリアの目元に口づけしてきたり、「リアの生まれた日に賭けるよ。」と微笑んでみたり、なんだか楽しそうだ。
普段とは違う王子らしいジェラルドに、公式行事のときの変貌ぶりが重なって見える。人前に立つときのジェラルドは、いつもアメリアの横でキラキラしている。ある意味いつも通りなのだ。その様子を見ていると、アメリアは落ち着いて周囲を観察することができた。
予定時刻が迫ってくる頃には、人は一段と多くなっていた。賭博場の関係者は剣を持っているが、客で武器を持っているものはいないようだ。アメリアの見立てでは、クロやトビのような人間も紛れていない。
バタン
急に騒がしくなって扉が乱暴に開く。
ミカエルとヴィクトルを先頭に近衛騎士が数人、続いて警備騎士団の者たちが多勢入ってきた。
「皇太子殿下の名のもとに、この場を改めさせて頂く。全員立ち上がって手を上げろ。怪しい動きをした者は命の保証はしない。」
ミカエルが声を張り上げている間にも一部の人間が逃げようと走り出す。
アメリアは近くで走り出した男にトビ特製の小さいボールを投げつけた。
男の首元にボールが当たって砕けると、受け身も取らずに、その場でバタンと男が倒れた。効き目の強さに一瞬アメリアも唖然とする。
他にも動く者がいるので躊躇している暇はない。アメリアは周囲の安全を確認しながら、ポケットからボールを取り出して次々と首元に投げた。ジェラルドも側で数人拘束している。
周囲が落ち着いてきて、アメリアが全体を見回すと数ヶ所で騎士と賭博場の男が剣を構えて睨みあっていた。一番近い場所に加勢に向かおうとするが、ジェラルドに腕を掴まれてしまう。
「落ち着け、リアが行く必要はない。」
アメリアはジェラルドに手を引かれて手近な椅子に座った。ジェラルドは騎士に拘束された者たちが近くを騒ぎながら通って行くのも気にせずに、アメリアの全身をくまなく確認している。
「怪我なんてしてないわ。」
アメリアが言っても、ジェラルドは聞こえないふりをしていて、取り合ってくれない。しつこいくらい確認して、やっと納得したのかジェラルドはゆっくり息を吐き出した。
「アメリア、さっき何を投げてたんだ?」
ジェラルドはアメリアの隣の椅子にドカリと座ると、アメリアの手に視線を向ける。
「これだけど、何なのかは知らないわ。」
アメリアはボールの残りをポケットから出してジェラルドに見せた。
アメリアは力が弱いので、短剣を致命傷になる位置に投げつけて逃げる訓練を中心に行ってきた。それ以外の戦闘もそれなりには出来るが、相手を拘束したり気絶させたりするために敵に近づく事は、護衛が許可しなかった。かわりに渡してくれたのがこのボールだ。
宿屋で襲われた際に相手を殺してしまうことが恐ろしくて何も出来なかった事が、このボールを用意してもらった一番の原因だが、それに関してはジェラルドに伝えるつもりはアメリアにはない。
「トビが作ってくれたのよ。2日くらいすれば目を覚ますって言ってたわ。」
アメリアが説明すると、ジェラルドが少し顔を引き攣らせた。こんなに驚いているところをみると、騎士団にはない技術なのかもしれない。
このボールは劣化が激しいため作り置きできず、使う事が前から分かっているときにしか用意できない。逆にすぐに毒性がなくなるので、顔の近くに投げつけられた相手にしか被害はない。アメリアはジェラルドにそう説明した。
「分かった。とにかく危ないから、もう持ち歩くなよ。」
安全だと説明したのに、ジェラルドはそんな事を真面目な顔をして言ってくる。アメリアは仕方がないので頷いておくことにした。必要ならジェラルドに内緒でトビに用意して貰えばいい。そう密かに考えていた。
245
お気に入りに追加
1,176
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
牢で死ぬはずだった公爵令嬢
鈴元 香奈
恋愛
婚約していた王子に裏切られ無実の罪で牢に入れられてしまった公爵令嬢リーゼは、牢番に助け出されて見知らぬ男に託された。
表紙女性イラストはしろ様(SKIMA)、背景はくらうど職人様(イラストAC)、馬上の人物はシルエットACさんよりお借りしています。
小説家になろうさんにも投稿しています。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています

婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。

0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始

婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる