26 / 72
4.安らげる場所
5.パンケーキ
しおりを挟む
すっかり上機嫌になったジェラルドが話を元に戻す。
アメリアの馬車が襲われたのは、ジェラルドと辺境伯への脅しではないかとジェラルドたちは考えた。2人の周りで弱い人間。悔しいがアメリアしかいない。
辺境伯はアメリアにはイジメや嫉妬を避けるためと嘘をついて辺境伯領に閉じ込め、影武者を学園に通わせた。
「辺境伯領にいれば、アメリアの側にはこの国で一番恐ろしい集団がついているからな。」
アメリアが領地にいる間、辺境伯軍特殊部隊の誰かがいつも側にいてくれた。襲撃があったのなら、辺境伯がアメリアを領地に閉じ込めたことも理解できる。
学園生活を送りながら皇弟を見張り続けたジェラルドたちは、今年に入り皇弟の計画を具体的に知った。もう泳がせる必要もない。辺境伯と相談して協力者を徐々に排除していく事にした。
「追い詰められたら逆恨みして、俺の大切にしているものを捨て身で害そうとする可能性もある。辺境伯軍特殊部隊が側にいても安心しきれなかった。」
ジェラルドとの関係がなくなれば、アメリアは安全だ。そう考えて実行されたのが、卒業パーティーでの偽装婚約破棄だった。
「辺境伯はどこまで偽装のつもりだったか分からないけどな。」
きっと辺境伯なら婚約破棄になったら喜びそうだとアメリアも思う。そういうとジェラルドが顔を引き攣らせた。
「辺境伯はちゃんと書類を用意して婚約破棄しようとしてたんだ。俺が卒業パーティーで騒ぎを起こした方が、本当に破棄するより効果があるって言って、なんとか説得した。」
ジェラルドの目論見通り、婚約破棄の報道は過熱しており、今では国中が知っている。
「卒業パーティーは『皇太子殿下の恋人』の名場面を再現したの? ジェラルドが読んでいたなんてびっくりした。」
「まぁ、うん。あのときは怒鳴って追い出したりして悪かったな。」
子供の頃の事なのに、ジェラルドが気不味そうに謝るので、アメリアは少し笑ってしまう。素敵な小説だったでしょとアメリアが聞くとジェラルドは曖昧に笑った。
最終的には辺境伯もジェラルドの意見を受け入れ、婚約破棄は偽装にする事となった。辺境伯はアメリアには全てが終わってから伝えるべきだと言って、ジェラルドもそれに同意した。アメリアが自らに降りかかるかもしれない危険を知って、不安になるのを避けたかったのだそう。
影武者のミケは演技だとしても、アメリアには先に婚約破棄について説明してほしいと訴えていたようだが、皆に説得されて卒業パーティーでもアメリアを演じた。
「アメリアは何も知らないまま、辺境伯領でパンケーキでも食べて、のんびりしていてもらうつもりだったんだ。領内には情報が入らないようにしてあったしな。」
「あ、そういえば、私のお気に入りのパンケーキ屋さん、辺境伯領にも出店したんだよ。」
「知ってる。その店を辺境伯領に作らせたの俺だから。アメリアがパンケーキ食べたさに王都に来ちゃうんじゃないかって心配だったからな。」
アメリアは呆れてジェラルドを見たが、黄金色の瞳があまりに真剣だったので、黙ってため息をつく。引っかかることはあるが、あのパンケーキを3年も食べられなくて悲しかったのは事実だ。
「パンケーキ屋さん、作ってくれてありがとう。」
「なっ! アメリアが素直にお礼を言うなんて……イテッ」
アメリアに叩かれてジェラルドが大げさに痛がってみせた。こんな風に2人で他愛のないやり取りができることが、アメリアには嬉しかった。
「ねぇ、ジェラルド。そんな状況だったのに、私はどうして領地を出て王都に来られたの? お父様に閉じ込められていても不思議じゃないよね?」
辺境伯が婚約破棄を事前に知っていたにも関わらず、卒業パーティーから1週間も経っていたのに、あの日アメリアは城下に降りてパンケーキを食べる事ができていた。アメリアが婚約破棄を知れば王都に行く可能性は充分予想できたはずだ。
「それは辺境伯軍の特殊部隊とアメリアの関係が良好すぎるからだな。」
「どういう事?」
ジェラルドも辺境伯に聞いただけのようだがアメリアに話してくれた。
だいぶ前から特殊部隊は、辺境伯よりアメリアの気持ちを優先して動くような事があった。辺境伯は愛する娘を最優先にしてくれているならと容認し、どちらかと言えば進んでそうなるようにも動いてしまっていた。どんな状況でもアメリアが守られるようにと願って。
卒業パーティーでの偽装婚約破棄を決めたとき、それが問題になってしまった。
辺境伯はアメリアにこの問題を隠したい。だが、アメリアは知りたいと思うだろう。特殊部隊はアメリアのためにどうするだろうか?
もし選択によって、辺境伯軍や辺境伯領に不利益が起こるなら、特殊部隊は辺境伯の指示に従うだろう。残念ながらこの件にはそういった公的な話は関わってこない。
流石に辺境伯が領地にいて直接指示すれば特殊部隊も従うだろう。そう考えた辺境伯は影武者の卒業を見届けてから馬を飛ばして領地へ戻り、自ら直接特殊部隊に命令し、アメリアの情報を遮断するつもりでいた。
「そんな駆け引きみたいなことまで特殊部隊の人たちとしなくても、私に話してくれればそれで全部丸く治まったのに……」
アメリアが呆れてジェラルドを見ると、ジェラルドはさり気なく視線をそらして果実水を飲んだ。
「俺は側にいてやる事もできないのに、アメリアを不安にさせるような事を伝えたくはなかった。」
そんな風に言われてしまってはアメリアも言い返す言葉が見つからない。
幸い領地において、アメリアの周りには若い女性しかいない。馬の移動にかかる時間くらいは特殊部隊の力を借りなくても情報を遮断する事は可能だと思っていた。
「でも、知ってしまったのね。」
ジェラルドは頷く。女性の情報収集能力を見誤ったようだ。
「お父様にしては珍しいミスね。きっとお母様を基準にしてしまったのね。お母様はおっとりしていて人の噂なんて興味ないもの。」
ジェラルドは苦笑するだけで何も言わなかった。
アメリアの馬車が襲われたのは、ジェラルドと辺境伯への脅しではないかとジェラルドたちは考えた。2人の周りで弱い人間。悔しいがアメリアしかいない。
辺境伯はアメリアにはイジメや嫉妬を避けるためと嘘をついて辺境伯領に閉じ込め、影武者を学園に通わせた。
「辺境伯領にいれば、アメリアの側にはこの国で一番恐ろしい集団がついているからな。」
アメリアが領地にいる間、辺境伯軍特殊部隊の誰かがいつも側にいてくれた。襲撃があったのなら、辺境伯がアメリアを領地に閉じ込めたことも理解できる。
学園生活を送りながら皇弟を見張り続けたジェラルドたちは、今年に入り皇弟の計画を具体的に知った。もう泳がせる必要もない。辺境伯と相談して協力者を徐々に排除していく事にした。
「追い詰められたら逆恨みして、俺の大切にしているものを捨て身で害そうとする可能性もある。辺境伯軍特殊部隊が側にいても安心しきれなかった。」
ジェラルドとの関係がなくなれば、アメリアは安全だ。そう考えて実行されたのが、卒業パーティーでの偽装婚約破棄だった。
「辺境伯はどこまで偽装のつもりだったか分からないけどな。」
きっと辺境伯なら婚約破棄になったら喜びそうだとアメリアも思う。そういうとジェラルドが顔を引き攣らせた。
「辺境伯はちゃんと書類を用意して婚約破棄しようとしてたんだ。俺が卒業パーティーで騒ぎを起こした方が、本当に破棄するより効果があるって言って、なんとか説得した。」
ジェラルドの目論見通り、婚約破棄の報道は過熱しており、今では国中が知っている。
「卒業パーティーは『皇太子殿下の恋人』の名場面を再現したの? ジェラルドが読んでいたなんてびっくりした。」
「まぁ、うん。あのときは怒鳴って追い出したりして悪かったな。」
子供の頃の事なのに、ジェラルドが気不味そうに謝るので、アメリアは少し笑ってしまう。素敵な小説だったでしょとアメリアが聞くとジェラルドは曖昧に笑った。
最終的には辺境伯もジェラルドの意見を受け入れ、婚約破棄は偽装にする事となった。辺境伯はアメリアには全てが終わってから伝えるべきだと言って、ジェラルドもそれに同意した。アメリアが自らに降りかかるかもしれない危険を知って、不安になるのを避けたかったのだそう。
影武者のミケは演技だとしても、アメリアには先に婚約破棄について説明してほしいと訴えていたようだが、皆に説得されて卒業パーティーでもアメリアを演じた。
「アメリアは何も知らないまま、辺境伯領でパンケーキでも食べて、のんびりしていてもらうつもりだったんだ。領内には情報が入らないようにしてあったしな。」
「あ、そういえば、私のお気に入りのパンケーキ屋さん、辺境伯領にも出店したんだよ。」
「知ってる。その店を辺境伯領に作らせたの俺だから。アメリアがパンケーキ食べたさに王都に来ちゃうんじゃないかって心配だったからな。」
アメリアは呆れてジェラルドを見たが、黄金色の瞳があまりに真剣だったので、黙ってため息をつく。引っかかることはあるが、あのパンケーキを3年も食べられなくて悲しかったのは事実だ。
「パンケーキ屋さん、作ってくれてありがとう。」
「なっ! アメリアが素直にお礼を言うなんて……イテッ」
アメリアに叩かれてジェラルドが大げさに痛がってみせた。こんな風に2人で他愛のないやり取りができることが、アメリアには嬉しかった。
「ねぇ、ジェラルド。そんな状況だったのに、私はどうして領地を出て王都に来られたの? お父様に閉じ込められていても不思議じゃないよね?」
辺境伯が婚約破棄を事前に知っていたにも関わらず、卒業パーティーから1週間も経っていたのに、あの日アメリアは城下に降りてパンケーキを食べる事ができていた。アメリアが婚約破棄を知れば王都に行く可能性は充分予想できたはずだ。
「それは辺境伯軍の特殊部隊とアメリアの関係が良好すぎるからだな。」
「どういう事?」
ジェラルドも辺境伯に聞いただけのようだがアメリアに話してくれた。
だいぶ前から特殊部隊は、辺境伯よりアメリアの気持ちを優先して動くような事があった。辺境伯は愛する娘を最優先にしてくれているならと容認し、どちらかと言えば進んでそうなるようにも動いてしまっていた。どんな状況でもアメリアが守られるようにと願って。
卒業パーティーでの偽装婚約破棄を決めたとき、それが問題になってしまった。
辺境伯はアメリアにこの問題を隠したい。だが、アメリアは知りたいと思うだろう。特殊部隊はアメリアのためにどうするだろうか?
もし選択によって、辺境伯軍や辺境伯領に不利益が起こるなら、特殊部隊は辺境伯の指示に従うだろう。残念ながらこの件にはそういった公的な話は関わってこない。
流石に辺境伯が領地にいて直接指示すれば特殊部隊も従うだろう。そう考えた辺境伯は影武者の卒業を見届けてから馬を飛ばして領地へ戻り、自ら直接特殊部隊に命令し、アメリアの情報を遮断するつもりでいた。
「そんな駆け引きみたいなことまで特殊部隊の人たちとしなくても、私に話してくれればそれで全部丸く治まったのに……」
アメリアが呆れてジェラルドを見ると、ジェラルドはさり気なく視線をそらして果実水を飲んだ。
「俺は側にいてやる事もできないのに、アメリアを不安にさせるような事を伝えたくはなかった。」
そんな風に言われてしまってはアメリアも言い返す言葉が見つからない。
幸い領地において、アメリアの周りには若い女性しかいない。馬の移動にかかる時間くらいは特殊部隊の力を借りなくても情報を遮断する事は可能だと思っていた。
「でも、知ってしまったのね。」
ジェラルドは頷く。女性の情報収集能力を見誤ったようだ。
「お父様にしては珍しいミスね。きっとお母様を基準にしてしまったのね。お母様はおっとりしていて人の噂なんて興味ないもの。」
ジェラルドは苦笑するだけで何も言わなかった。
27
お気に入りに追加
476
あなたにおすすめの小説
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
契約結婚の終わりの花が咲きます、旦那様
日室千種・ちぐ
恋愛
エブリスタ新星ファンタジーコンテストで佳作をいただいた作品を、講評を参考に全体的に手直ししました。
春を告げるラクサの花が咲いたら、この契約結婚は終わり。
夫は他の女性を追いかけて家に帰らない。私はそれに傷つきながらも、夫の弱みにつけ込んで結婚した罪悪感から、なかば諦めていた。体を弱らせながらも、寄り添ってくれる老医師に夫への想いを語り聞かせて、前を向こうとしていたのに。繰り返す女の悪夢に少しずつ壊れた私は、ついにある時、ラクサの花を咲かせてしまう――。
真実とは。老医師の決断とは。
愛する人に別れを告げられることを恐れる妻と、妻を愛していたのに契約結婚を申し出てしまった夫。悪しき魔女に掻き回された夫婦が絆を見つめ直すお話。
全十二話。完結しています。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
死に役はごめんなので好きにさせてもらいます
橋本彩里(Ayari)
恋愛
フェリシアは幼馴染で婚約者のデュークのことが好きで健気に尽くしてきた。
前世の記憶が蘇り、物語冒頭で死ぬ役目の主人公たちのただの盛り上げ要員であると知ったフェリシアは、死んでたまるかと物語のヒーロー枠であるデュークへの恋心を捨てることを決意する。
愛を返されない、いつか違う人とくっつく予定の婚約者なんてごめんだ。しかも自分は死に役。
フェリシアはデューク中心の生活をやめ、なんなら婚約破棄を目指して自分のために好きなことをしようと決める。
どうせ何をしていても気にしないだろうとデュークと距離を置こうとするが……
お付き合いいただけたら幸いです。
たくさんのいいね、エール、感想、誤字報告をありがとうございます!
【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。
たろ
恋愛
幼馴染のロード。
学校を卒業してロードは村から街へ。
街の警備隊の騎士になり、気がつけば人気者に。
ダリアは大好きなロードの近くにいたくて街に出て子爵家のメイドとして働き出した。
なかなか会うことはなくても同じ街にいるだけでも幸せだと思っていた。いつかは終わらせないといけない片思い。
ロードが恋人を作るまで、夢を見ていようと思っていたのに……何故か自分がロードの恋人になってしまった。
それも女避けのための(仮)の恋人に。
そしてとうとうロードには愛する女性が現れた。
ダリアは、静かに身を引く決意をして………
★ 短編から長編に変更させていただきます。
すみません。いつものように話が長くなってしまいました。
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる