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触れると解かる占い師の友人「ざっちん」の話
有名人からの依頼 2
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スターさんの話では、その「物品」が手元に届いてから
悪夢に魘され、ロクに眠れなくなったという。
不眠が影響して、仕事の合間にも、眩暈などの体調不良を起こしていたそうだ。
実際、どのような悪夢だったかは聞き取っては居ないが
スターさんの口調から、その疲労度合いは良く分かった。
何よりも、スターさんが持参している紙袋が私達は恐ろしかった。
そして、会話の流れからスターさんが紙袋から出してきた物・・・。
「自作されたフィギュア」だった。
大きさは、一般的なプラモデルや市販のフィギュアと同程度。
そして、その「自作品」はスターさんを象ったものであった。
それが机の上に出された時
なんと、ざっちんの体調不良が最高潮に達した様で
その場で、吐いたのだ。
そして、隣に居た私もある声を聴き、思わず耳を塞いだものだ。
当時の私は
その近年、類を見ない「ゾッとした」感覚を覚えた。
分かるだろうか。
冷や汗や鳥肌の様に「じわじわ来る」ものではなく
一気に心臓を握られたような「一瞬の破壊力」が・・・。
ほんのひと時、呼吸が出来なくなる様なあの感覚を・・・。
スターさんは我々の変貌をみて、慌ててその品を紙袋に戻り床へ置いた。
しかし、一度体調を崩したざっちんの気分はその後もしばらくは戻らず
少しの間、トイレに篭っていたほどだ。
その間に、私が代行で話を聞いた所
冒頭で語られた「異変」を耳にしたのだ。
より細かな、情報として
とある番組の収録後、ファンを語る一人の人物が
半ば押し掛けの様に控室にやって来たのだという。
しかし、当人はスタジオからまだ戻っておらず、その間に
マネージャーによって「物品」の授受が行われたそうだ。
そして、そのマネージャーの話から
ファンを語る人物は「テレビ関係者」ではないか?との推測が立った。
というのも、一般の観客が収録後に控室のあるフロアをうろつくなど
考えにくい。
それも、収録が終わった直後に・・・だ。
ある程度、収録のタイムテーブルや局の内部構造などを熟知した「関係者」でなければ
ピンポイントでその時間を狙う事は難しいだろう。との事だった。
この時、私は「聴いた声」について語るべきか迷った。
相手は有名人である。
羨望や嫉妬、応援や批判など様々な声がある事は当の本人が一番分かっている事だろう。
だからこそ、その「声」もその一部と割り切ってしまえば
どうという事は無いのだろう。
しかし、紛れもなく「声」が原因でスターさん本人の体調にも悪影響が出ている。
そして、テレビの世界とは残酷だ。
ソレすらネタに「視聴率」を取りたがる事だろう。
それを思って、私は安易なアドバイスをしない方が・・・と迷ったのだ。
・・・その結果、後に待つ悲劇を知らずに・・・。
悪夢に魘され、ロクに眠れなくなったという。
不眠が影響して、仕事の合間にも、眩暈などの体調不良を起こしていたそうだ。
実際、どのような悪夢だったかは聞き取っては居ないが
スターさんの口調から、その疲労度合いは良く分かった。
何よりも、スターさんが持参している紙袋が私達は恐ろしかった。
そして、会話の流れからスターさんが紙袋から出してきた物・・・。
「自作されたフィギュア」だった。
大きさは、一般的なプラモデルや市販のフィギュアと同程度。
そして、その「自作品」はスターさんを象ったものであった。
それが机の上に出された時
なんと、ざっちんの体調不良が最高潮に達した様で
その場で、吐いたのだ。
そして、隣に居た私もある声を聴き、思わず耳を塞いだものだ。
当時の私は
その近年、類を見ない「ゾッとした」感覚を覚えた。
分かるだろうか。
冷や汗や鳥肌の様に「じわじわ来る」ものではなく
一気に心臓を握られたような「一瞬の破壊力」が・・・。
ほんのひと時、呼吸が出来なくなる様なあの感覚を・・・。
スターさんは我々の変貌をみて、慌ててその品を紙袋に戻り床へ置いた。
しかし、一度体調を崩したざっちんの気分はその後もしばらくは戻らず
少しの間、トイレに篭っていたほどだ。
その間に、私が代行で話を聞いた所
冒頭で語られた「異変」を耳にしたのだ。
より細かな、情報として
とある番組の収録後、ファンを語る一人の人物が
半ば押し掛けの様に控室にやって来たのだという。
しかし、当人はスタジオからまだ戻っておらず、その間に
マネージャーによって「物品」の授受が行われたそうだ。
そして、そのマネージャーの話から
ファンを語る人物は「テレビ関係者」ではないか?との推測が立った。
というのも、一般の観客が収録後に控室のあるフロアをうろつくなど
考えにくい。
それも、収録が終わった直後に・・・だ。
ある程度、収録のタイムテーブルや局の内部構造などを熟知した「関係者」でなければ
ピンポイントでその時間を狙う事は難しいだろう。との事だった。
この時、私は「聴いた声」について語るべきか迷った。
相手は有名人である。
羨望や嫉妬、応援や批判など様々な声がある事は当の本人が一番分かっている事だろう。
だからこそ、その「声」もその一部と割り切ってしまえば
どうという事は無いのだろう。
しかし、紛れもなく「声」が原因でスターさん本人の体調にも悪影響が出ている。
そして、テレビの世界とは残酷だ。
ソレすらネタに「視聴率」を取りたがる事だろう。
それを思って、私は安易なアドバイスをしない方が・・・と迷ったのだ。
・・・その結果、後に待つ悲劇を知らずに・・・。
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