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オカルト好きの友人「沢木(仮名)」の話
「相棒が消えた」 2
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ハガキに記された住所は、神奈川県某所にあるアパートだった。
そのアパート自体は、ごく普通の一般的なものだ。
「なぁ、沢吉(沢木のあだ名)。ツダチョ(津田のあだ名)は
異世界エレベーターを調べてたんだよな?」
「うん。直前までそう言ってた。」
「ならさ・・・。ツダチョの事だし、実験に使えそうな建物を選ぶと思うんだけど・・・。」
私の中途半端な知識でも「異世界エレベーター」は確か「10階以上ある建物」
が望ましいと記憶している。
諸説ある為、絶対という訳ではないにしろ
我々の眼前にある建物は「3階建て」だった。
我々の知る「津田」という男は「妙に合理的」「ストイック」という印象だった。
ある年の夏。
彼は「くねくねの調査をする!」と仕事の夏季休暇を使い
秋田まで、短期の住み込みバイトに行くような男だった。
それ故に、今回も
「どうせ調査するなら、序に住める建物が良いよね」と
てっきり高層マンションでも借りているものと思っていたのだ。
目的の部屋のチャイムを鳴らすと、予想に反し「女性」が顔を覗かせた。
「え?」
「あの、どちら様ですか?」
「・・・え。」
この時、顔を突き合わせた3人には、不自然な間が出来てしまったものだ。
「こちらに、津田さんという男性は居ますか?」
「津田・・・あぁ、敦の・・・何?アンタ達、敦の知り合い?」
沢木が女性に尋ねると、女性は途端に怒りの表情へ変わった。
「え・・・いやまぁ、友人ですけど・・・連絡が付かなくて。」
「・・・アンタ達も騙された口?ウケんだけど。入りなよ。」
女性の名は「小園 舞香(仮名)」。
津田の婚約者だったようだ。
津田の失踪直前、彼女は津田に80万もの大金を貸していたそうだ。
仕事が終わった後、話し合いを設けようとしていたそうだが
その日、彼女が仕事から帰ると津田は置手紙を残し姿を消していたという。
このアパートは彼女の部屋だったようだ。
「津田とは、同棲を?」
「当たり前でしょ、もうすぐ結婚ってとこまで話が出てたんだから。」
「その・・・置手紙の内容は・・・?」
「一言だけ『調査してくる。』って。意味不明でしょ?」
彼女には、その一言が「支離滅裂な一言」だったようだが
我々二人の中では、その言葉が「繋がってしまった」のだ。
だが、唯一不可解だったのは「彼女から借りたという80万」の金額だ。
「沢吉、まさかアイツどっか遠征してる訳じゃないよな?」
「まさか・・・。10階建てなら都内にだってワンサカあるし、わざわざ遠出なんて。」
我々は、小園からより詳しく話を聞く事となったのだが
小園の語る「津田」は、とてもではないが、我々の知っている「津田」ではなかった。
「あいつ、ロクに仕事もしないで家でゴロゴロ。休日はギャンブル三昧。
それでも、貯金はあったみたいで『指輪見て来る』って
たまに出掛ける事も有ったし、一緒に行った事も有る。
で、先日『そろそろ指輪オーダーしなきゃね』って事で、二人合わせて160万くらいで
作る予定だったの。」
「それで、お金を渡した。と・・・。」
しかし、この一言に対して
沢木はとても強い姿勢で彼女の意見を真っ向から否定したのだ・・・。
そのアパート自体は、ごく普通の一般的なものだ。
「なぁ、沢吉(沢木のあだ名)。ツダチョ(津田のあだ名)は
異世界エレベーターを調べてたんだよな?」
「うん。直前までそう言ってた。」
「ならさ・・・。ツダチョの事だし、実験に使えそうな建物を選ぶと思うんだけど・・・。」
私の中途半端な知識でも「異世界エレベーター」は確か「10階以上ある建物」
が望ましいと記憶している。
諸説ある為、絶対という訳ではないにしろ
我々の眼前にある建物は「3階建て」だった。
我々の知る「津田」という男は「妙に合理的」「ストイック」という印象だった。
ある年の夏。
彼は「くねくねの調査をする!」と仕事の夏季休暇を使い
秋田まで、短期の住み込みバイトに行くような男だった。
それ故に、今回も
「どうせ調査するなら、序に住める建物が良いよね」と
てっきり高層マンションでも借りているものと思っていたのだ。
目的の部屋のチャイムを鳴らすと、予想に反し「女性」が顔を覗かせた。
「え?」
「あの、どちら様ですか?」
「・・・え。」
この時、顔を突き合わせた3人には、不自然な間が出来てしまったものだ。
「こちらに、津田さんという男性は居ますか?」
「津田・・・あぁ、敦の・・・何?アンタ達、敦の知り合い?」
沢木が女性に尋ねると、女性は途端に怒りの表情へ変わった。
「え・・・いやまぁ、友人ですけど・・・連絡が付かなくて。」
「・・・アンタ達も騙された口?ウケんだけど。入りなよ。」
女性の名は「小園 舞香(仮名)」。
津田の婚約者だったようだ。
津田の失踪直前、彼女は津田に80万もの大金を貸していたそうだ。
仕事が終わった後、話し合いを設けようとしていたそうだが
その日、彼女が仕事から帰ると津田は置手紙を残し姿を消していたという。
このアパートは彼女の部屋だったようだ。
「津田とは、同棲を?」
「当たり前でしょ、もうすぐ結婚ってとこまで話が出てたんだから。」
「その・・・置手紙の内容は・・・?」
「一言だけ『調査してくる。』って。意味不明でしょ?」
彼女には、その一言が「支離滅裂な一言」だったようだが
我々二人の中では、その言葉が「繋がってしまった」のだ。
だが、唯一不可解だったのは「彼女から借りたという80万」の金額だ。
「沢吉、まさかアイツどっか遠征してる訳じゃないよな?」
「まさか・・・。10階建てなら都内にだってワンサカあるし、わざわざ遠出なんて。」
我々は、小園からより詳しく話を聞く事となったのだが
小園の語る「津田」は、とてもではないが、我々の知っている「津田」ではなかった。
「あいつ、ロクに仕事もしないで家でゴロゴロ。休日はギャンブル三昧。
それでも、貯金はあったみたいで『指輪見て来る』って
たまに出掛ける事も有ったし、一緒に行った事も有る。
で、先日『そろそろ指輪オーダーしなきゃね』って事で、二人合わせて160万くらいで
作る予定だったの。」
「それで、お金を渡した。と・・・。」
しかし、この一言に対して
沢木はとても強い姿勢で彼女の意見を真っ向から否定したのだ・・・。
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