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オカルト好きの友人「沢木(仮名)」の話
「相棒が消えた」 1
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今回の主役「沢木」は、私の古くからの友人である。
私が学生の頃から、ネットで議論を交わしたり、実際に会い言葉を交わす仲だった。
そして、この話にはもう一人・・・。
「津田(仮名)」という友人も登場する。
実は、我々はそれぞれ得意な分野が違った。
私が「心霊」を
沢木が「UMA」を
津田が「都市伝説」を得意としていたのだ。
例えば・・・だ。
学校で有名な「トイレの花子さん」も我々に掛かれば「無限の可能性」に変わる。
私が通説通り「少女の念」を押し
沢木が「壁や扉をすり抜けるUMA」の存在を匂わせ
津田は「異界の住民説」を熱弁した。
しかし、我々は仲が悪かった訳ではなく
互いの信じる可能性について「違う角度からの意見」を求めていた。
そんなある日の事だった。
「メカ氏、最近津田と連絡取った?」
彼から来たメールだった。
詳しく話を聞くと、当時彼等は
議論に華を咲かせるべく、待ち合わせの約束を行っていたという。
だが、待ち合わせ場所に津田が現れる事は無く数日が過ぎても連絡が帰って来なかったという。
当初、沢木は「何か気に障ったか?」と心配していたそうだが
案の定、私からの連絡も津田は応答がなかった。
数日間、一方的な連絡を送る事になったがとうとう彼からの返信はなく
沢木と情報共有をするべく、とあるファミレスで落ち合った。
結果、分かったのは
津田が最近、ある「都市伝説」について熱心に調べていた事が分かった。
皆も聞いた事はあるだろう。
「エレベーターを使った異世界へ行く方法」だ。
その方法については専門外(単に知識不足)の為、省くが
津田は、その方法について話題が過ぎて数年が経っても、研究を続けていたそうだ。
不幸中の幸いだったのは
沢木が津田の実家を知っていた事だ。
といっても、その実家は既に無人であり
津田が別荘の様に使っていたという。
津田は、社会人になると同時に独り立ち。
その後数年して、母が病で亡くなった。
父親は、喪失感から立ち直る事無く、精神的な病に罹り入院。
近年においては、若年性健忘が加わり会話もままならない状態であったそうだ。
我々が津田の実家を訪れた際
その実家は鍵が開いていた。
「不用心な・・・。」とも思ったのだが
その理由は直ぐに分かった。
ある一室を除いて・・・「何も残っていなかった」のだ。
その一室というのが、恐らく「かつて津田が使っていた私室」であり
外側から南京錠が掛けられていた。
非常時の可能性も考えた我々は、その南京錠を破壊。
津田の私室へと足を踏み入れた。
津田の私室も「殆ど何も無かった」。
キャンプ用の小さなパイプ椅子が一脚と幾つかの道具だった。
その椅子の上に、ハガキが一枚だけ・・・。ハガキは、津田の両親が健在な時に
彼自身が年越しの挨拶として送ったハガキだった。
我々は、その住所へ足を運ぶ事にした・・・。
私が学生の頃から、ネットで議論を交わしたり、実際に会い言葉を交わす仲だった。
そして、この話にはもう一人・・・。
「津田(仮名)」という友人も登場する。
実は、我々はそれぞれ得意な分野が違った。
私が「心霊」を
沢木が「UMA」を
津田が「都市伝説」を得意としていたのだ。
例えば・・・だ。
学校で有名な「トイレの花子さん」も我々に掛かれば「無限の可能性」に変わる。
私が通説通り「少女の念」を押し
沢木が「壁や扉をすり抜けるUMA」の存在を匂わせ
津田は「異界の住民説」を熱弁した。
しかし、我々は仲が悪かった訳ではなく
互いの信じる可能性について「違う角度からの意見」を求めていた。
そんなある日の事だった。
「メカ氏、最近津田と連絡取った?」
彼から来たメールだった。
詳しく話を聞くと、当時彼等は
議論に華を咲かせるべく、待ち合わせの約束を行っていたという。
だが、待ち合わせ場所に津田が現れる事は無く数日が過ぎても連絡が帰って来なかったという。
当初、沢木は「何か気に障ったか?」と心配していたそうだが
案の定、私からの連絡も津田は応答がなかった。
数日間、一方的な連絡を送る事になったがとうとう彼からの返信はなく
沢木と情報共有をするべく、とあるファミレスで落ち合った。
結果、分かったのは
津田が最近、ある「都市伝説」について熱心に調べていた事が分かった。
皆も聞いた事はあるだろう。
「エレベーターを使った異世界へ行く方法」だ。
その方法については専門外(単に知識不足)の為、省くが
津田は、その方法について話題が過ぎて数年が経っても、研究を続けていたそうだ。
不幸中の幸いだったのは
沢木が津田の実家を知っていた事だ。
といっても、その実家は既に無人であり
津田が別荘の様に使っていたという。
津田は、社会人になると同時に独り立ち。
その後数年して、母が病で亡くなった。
父親は、喪失感から立ち直る事無く、精神的な病に罹り入院。
近年においては、若年性健忘が加わり会話もままならない状態であったそうだ。
我々が津田の実家を訪れた際
その実家は鍵が開いていた。
「不用心な・・・。」とも思ったのだが
その理由は直ぐに分かった。
ある一室を除いて・・・「何も残っていなかった」のだ。
その一室というのが、恐らく「かつて津田が使っていた私室」であり
外側から南京錠が掛けられていた。
非常時の可能性も考えた我々は、その南京錠を破壊。
津田の私室へと足を踏み入れた。
津田の私室も「殆ど何も無かった」。
キャンプ用の小さなパイプ椅子が一脚と幾つかの道具だった。
その椅子の上に、ハガキが一枚だけ・・・。ハガキは、津田の両親が健在な時に
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