続・骸行進（裏怪談）

フリーターの青年 「芦屋（仮名）君」の話。

このコは誰？ １

次に芦屋君が語ってくれた恐怖体験。

当時、彼は探偵補佐の業務をバイトで行っていたそうだ。
そんなある日、一人の女性が探偵事務所の戸を開いた。

女性の名は「鳥本（仮名）さん」。

早速、探偵が話を聞いたという。

「先日、小学校時代の同級生を集めた同窓会が合って
そこに参加したんです。
数人が卒業アルバムを持って参加してまして。
皆で、見返そうって話になり写真を眺めていた時
・・・全く覚えのない子が一人、映ってまして・・・。」

彼女は、幾つかの写真を提示してきたそうだ。
映っているメンバーは皆バラバラだったが、どの写真にも
共通して映っている女の子が居た。
それが、彼女の語る「覚えのない子」だそうだ。

「ほかの同級生に聞いても、知らない。って言うんです。」

鳥本さんは、試しに写真に写っていた同級生たちにも声を掛けたそうだが
「女の子」の正体は分からなかった。

アルバムの最終ページ。
クラス名簿を見て分かったが「女の子」の名前は「菅原　佳乃（仮名）」という名前だったそうだ。

だが・・・名前を聞いても思い出せない。
そもそも、そんな名前の子は居なかった。と主張する同級生も出始めたそうだ。

だが、現に彼女の存在は名簿にもしっかりと記載されている。
その場では
ただ単に、影の薄い子だったのだろう。という結論に至ったそうだ。

しかし、その後数日間
彼女は「佳乃ちゃん」について頭を抱える事となった。

「影が薄いだけ」にしては、アルバム写真の至る所に彼女の姿がある。
これだけ見ると「むしろ活発な子」だったのでは？と推測できるほどに。

それ故に、彼女は「探偵事務所」を訪れる事となったのだ。

「この子が当時、本当に実在していたのか・・・調べて欲しいんです。」

それが、彼女からの依頼だった。

依頼を請け負った探偵だが、調査当初は非常に難航していたのだそうだ。
というのも、当時をしる教員がその学校には殆ど残っておらず
教員の足取りを追う事から始まったのだそうだ。

足取りを掴み訪ねた先では、既に亡くなって居たり
当時、他の学年を担当しており、殆ど情報を持っていなかったり。と
空振りが続いた。

そこで、今度は生徒側への聞き込みに切り替えたそうだ。
同窓会当日、参加していた生徒とそうでない生徒とを分けて
片方ずつ調査していく事となった。

当初、開始されたのは同窓会へ参加したメンバーからの聞き込みであり
その期間は2ヶ月にも及んだという。

しかし、これといった成果も挙げられず
続く不参加であった同級生たちへの聞き込み調査が行われたそうだ・・・。