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触れると解かる占い師の友人「ざっちん」の話
ドールハウスで再現を。
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これは、ざっちんが都内に遠征し、占いを行った時
訪れた「とあるカップル」の話だそうだ。
そのカップルの女性が紙袋を差し出して来た。
「視て欲しいのはコレなんです。」
紙袋から出てきたのは、両手に収まるかどうか位の大きさをしたドールハウスだ。
「これは?」
「あるハンドメイド作家さんに依頼して作っていただいた物です。」
「少し触っても?」
「はい。」
手渡されたドールハウス。
触れた途端、ざっちんは背筋が凍ったという。
「見られている。」そう感じたそうだ。
ざっちんは、直ぐにドールハウスを机に置き
カップルから詳しい話を聞く事にした。
聞けば、そのドールハウスが手元に届いてから
彼女宅では不自然な事が起きる様になったそうだ。
仕事で一日家を空け、自宅へ帰ると
小物や軽い家具の配置が、時折変わっているのだという。
最初は、彼氏のイタズラや友人達のドッキリを疑ったそうだ。
だが、そんな事は当然なく、今度は自宅への侵入者を疑う事になった。
・・・が、不審な証拠は一つも出てこなかったという。
「失礼ですが・・・お部屋の写真などありますか?」
「待ってください・・・。」
女性は、スマホを取り出し直ぐに写真を見せて来た。
だが、その部屋に不自然な部分も見当たらず、事態は難航の色を示した。
「申し訳ないですが、このドールハウスのお写真も何枚か取らせていただいても?」
「どうぞ。」
写真を取っている際、ざっちんは彼氏の顔色が優れない事に気が付いた。
「あの、男性の方。少し二人でお話をさせていただいて宜しい?」
「は・・・はい。」
実はこの男性は、ある変化について隠している事があった。
「彼女の部屋の変化・・・、ドールハウスで起こっている事そのままなんですよ。」
「え?」
「さっき、小物や家具が動いたって話でしたが・・・それ、ドールハウスを弄ったからなんです。
そのドールハウスとあの部屋・・・繋がってるんですよ!」
彼の話を聞き、ざっちんは彼女の部屋の写真と
自身で撮ったドールハウスの写真とを思い返す。
確かに、酷似していた。
だが、ざっちんはこのドールハウスが「それだけ」ではない事を感じている。
なぜなら、部屋の造りや家具を似せて作っただけだろう。という言い訳も出来てしまう。
そんな言い訳を残したまま、ドールハウスとリンクする。などと言われても信憑性に欠けてしまう。
そして、今度は彼女と二人で話す事に。
「このドールハウスを作った作家さんって?」
「〇〇という方です。」
その一言を聞いた時、ざっちんは怯えたそうだ。
その作家、実は界隈では有名な呪物創作を行っている作家でもあったのだ。
その呪物自体が本物かどうかはさておき、呪物を作るという試み自体がもう
「気持ち悪い」としか言いようがない。
そして、そんな作家と知らず、彼女は作家にドールハウスを依頼した・・・。
その時、ざっちんは視線の正体に気付いたそうだ・・・。
「このドールハウス。すぐに処分した方が良いです。」
その一言を、かけるのは精一杯のアドバイスであったそうだ・・・。
訪れた「とあるカップル」の話だそうだ。
そのカップルの女性が紙袋を差し出して来た。
「視て欲しいのはコレなんです。」
紙袋から出てきたのは、両手に収まるかどうか位の大きさをしたドールハウスだ。
「これは?」
「あるハンドメイド作家さんに依頼して作っていただいた物です。」
「少し触っても?」
「はい。」
手渡されたドールハウス。
触れた途端、ざっちんは背筋が凍ったという。
「見られている。」そう感じたそうだ。
ざっちんは、直ぐにドールハウスを机に置き
カップルから詳しい話を聞く事にした。
聞けば、そのドールハウスが手元に届いてから
彼女宅では不自然な事が起きる様になったそうだ。
仕事で一日家を空け、自宅へ帰ると
小物や軽い家具の配置が、時折変わっているのだという。
最初は、彼氏のイタズラや友人達のドッキリを疑ったそうだ。
だが、そんな事は当然なく、今度は自宅への侵入者を疑う事になった。
・・・が、不審な証拠は一つも出てこなかったという。
「失礼ですが・・・お部屋の写真などありますか?」
「待ってください・・・。」
女性は、スマホを取り出し直ぐに写真を見せて来た。
だが、その部屋に不自然な部分も見当たらず、事態は難航の色を示した。
「申し訳ないですが、このドールハウスのお写真も何枚か取らせていただいても?」
「どうぞ。」
写真を取っている際、ざっちんは彼氏の顔色が優れない事に気が付いた。
「あの、男性の方。少し二人でお話をさせていただいて宜しい?」
「は・・・はい。」
実はこの男性は、ある変化について隠している事があった。
「彼女の部屋の変化・・・、ドールハウスで起こっている事そのままなんですよ。」
「え?」
「さっき、小物や家具が動いたって話でしたが・・・それ、ドールハウスを弄ったからなんです。
そのドールハウスとあの部屋・・・繋がってるんですよ!」
彼の話を聞き、ざっちんは彼女の部屋の写真と
自身で撮ったドールハウスの写真とを思い返す。
確かに、酷似していた。
だが、ざっちんはこのドールハウスが「それだけ」ではない事を感じている。
なぜなら、部屋の造りや家具を似せて作っただけだろう。という言い訳も出来てしまう。
そんな言い訳を残したまま、ドールハウスとリンクする。などと言われても信憑性に欠けてしまう。
そして、今度は彼女と二人で話す事に。
「このドールハウスを作った作家さんって?」
「〇〇という方です。」
その一言を聞いた時、ざっちんは怯えたそうだ。
その作家、実は界隈では有名な呪物創作を行っている作家でもあったのだ。
その呪物自体が本物かどうかはさておき、呪物を作るという試み自体がもう
「気持ち悪い」としか言いようがない。
そして、そんな作家と知らず、彼女は作家にドールハウスを依頼した・・・。
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