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風俗嬢の知り合い「カリン(仮名)さん」の話
客の男
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今回の話は、今から凡そ3年前の話だそうだ。
その年、彼女を震撼させた一人の客に纏わる話。
その客の男はいわゆる「常連」だった。
無茶な注文も付けず、楽しく時間を過ごしては颯爽と帰っていく。
彼女たちからすれば、その手の客はとても「良客」だ。
だが、その年
常連であった男の足はしばらくの間、遠退いたという。
帰還にすれば凡そ5か月。
その客はぱったりと来なくなった。
しかし、再びその客の男が現れた時
カリンさんは、不思議な事に遭遇した。
・・・どうにも、男と会話が噛み合わないのだという。
男が言うには、この5か月間も、余裕を見ては足しげく通っていた。というのだ。
しかも、男は「カリンさん」を直接指名しての来店であったというのだ。
「ほら、コレ。二か月前の写真。」
そこには、男とツーショットで映る自身の姿があった。
「え・・・。」
まったく身に覚えのない写真に、恐怖を覚えたそうだ。
だが、今のご時世
写真の加工などは十分に可能性がある。
しかし、今回に限って言えば、ソレを行う理由も、嘘を吐く理由もない。
この事を、男と擦り合わせた結果
男にはある心当たりがあったそうだ。
というのも、カリンさんだけではなく
男の仕事関係の人物にも数人「暫く会っていなかった」と言い出す者が居たそうだ。
それ故、出会った人物と写真やメールなりを交わし、証拠を残す様にしていたのだという。
「最初はね、ドッペルゲンガー?とかって笑い話に出来たんだけど
そんなのが何人も出てきちゃうと、笑い話にもならなくてさ。
・・・だって、皆真顔で否定してくるんだもの。『こんなの知らない。』ってさ。
だんだん、怖くなってきちゃうよね・・・。」
その日を境に、男の来店は間が開くようになったという。
しかし、それでもこまめにやって来る男から近況報告などを聞いていたそうだ。
そんな事が続いた男は、とうとう人間不信気味になり
仕事も辞め、引きこもりがちになった。
必要最低限の給料だけ稼ぐため、アルバイトや日雇いで食いつないでいたという。
そんな生活が1年続いたそうだ。
・・・男は、ある日線路に飛び込んだ・・・。
目撃者の話によれば「自由になるんだ。」と小声で繰り返しぼやきつつ
遮断機を潜っていったのだという。
その線路というのが、これまた有名で
巷では「自殺者を誘う」などと噂されているのだ。
しかし、男は元々そんな願望など微塵もない社会人だった・・・。
だが、カリンさんは言う。
「あの線路の踏切は、立っているだけで気が滅入る時がある。
そして、男性の話では通勤時、良くその踏切を通行していたようです・・・。」
もしかすると
その線路は「自殺者を誘う」のではなく、ごく普通のメンタルバランスの人でも
お構いなしに「強引に引っ張っていく」場所なのかもしれない・・・。
結局、男が会っていたという「カリンさんや他の人たち」については
何一つ、分からず仕舞いである・・・。
その年、彼女を震撼させた一人の客に纏わる話。
その客の男はいわゆる「常連」だった。
無茶な注文も付けず、楽しく時間を過ごしては颯爽と帰っていく。
彼女たちからすれば、その手の客はとても「良客」だ。
だが、その年
常連であった男の足はしばらくの間、遠退いたという。
帰還にすれば凡そ5か月。
その客はぱったりと来なくなった。
しかし、再びその客の男が現れた時
カリンさんは、不思議な事に遭遇した。
・・・どうにも、男と会話が噛み合わないのだという。
男が言うには、この5か月間も、余裕を見ては足しげく通っていた。というのだ。
しかも、男は「カリンさん」を直接指名しての来店であったというのだ。
「ほら、コレ。二か月前の写真。」
そこには、男とツーショットで映る自身の姿があった。
「え・・・。」
まったく身に覚えのない写真に、恐怖を覚えたそうだ。
だが、今のご時世
写真の加工などは十分に可能性がある。
しかし、今回に限って言えば、ソレを行う理由も、嘘を吐く理由もない。
この事を、男と擦り合わせた結果
男にはある心当たりがあったそうだ。
というのも、カリンさんだけではなく
男の仕事関係の人物にも数人「暫く会っていなかった」と言い出す者が居たそうだ。
それ故、出会った人物と写真やメールなりを交わし、証拠を残す様にしていたのだという。
「最初はね、ドッペルゲンガー?とかって笑い話に出来たんだけど
そんなのが何人も出てきちゃうと、笑い話にもならなくてさ。
・・・だって、皆真顔で否定してくるんだもの。『こんなの知らない。』ってさ。
だんだん、怖くなってきちゃうよね・・・。」
その日を境に、男の来店は間が開くようになったという。
しかし、それでもこまめにやって来る男から近況報告などを聞いていたそうだ。
そんな事が続いた男は、とうとう人間不信気味になり
仕事も辞め、引きこもりがちになった。
必要最低限の給料だけ稼ぐため、アルバイトや日雇いで食いつないでいたという。
そんな生活が1年続いたそうだ。
・・・男は、ある日線路に飛び込んだ・・・。
目撃者の話によれば「自由になるんだ。」と小声で繰り返しぼやきつつ
遮断機を潜っていったのだという。
その線路というのが、これまた有名で
巷では「自殺者を誘う」などと噂されているのだ。
しかし、男は元々そんな願望など微塵もない社会人だった・・・。
だが、カリンさんは言う。
「あの線路の踏切は、立っているだけで気が滅入る時がある。
そして、男性の話では通勤時、良くその踏切を通行していたようです・・・。」
もしかすると
その線路は「自殺者を誘う」のではなく、ごく普通のメンタルバランスの人でも
お構いなしに「強引に引っ張っていく」場所なのかもしれない・・・。
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