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(現段階では)最終章 ~後に新たな話も追加されるかも~
人食い民家 3
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桑名さん宅へ入って30分ほど経った時。
遠藤が言う。
「なぁ、あの二階の入り口ってさ、なんで封鎖されたんだろう?」
その疑問は、私も思う所があった。
「状況証拠でしかないけど・・・多分、この家の異常性は
その原因が二階にあると俺は踏んでる。」
誰でも予想が付きそうなものだ・・・。
でも、一抹の不安があった。
「そもそも、問題があったなら、もっと早くに誰かからクレームが入ってたはずだ。」
そう。
最後の住民が此処までの暴挙に出る以前から、何かしら情報が
桑名さんか娘さんの元に届いていた筈だ。
しかし、二人からそれらしい情報は聞いていない。
「二階を塞いでるベニヤ・・・外すか?」
思考を巡らせる私の横で、遠藤が袖を捲る。
「待ってよ。何の準備もなしに変な事しちゃダメだってw」
冗談半分に静止する私の指示を遠藤はきっちりと聞いてくれる。
ソレが、長い事共にやって来た友人同士・・・「阿吽の呼吸」とでもいえるだろう。
だが・・・この家の一階で見るべきものは見尽くした。
残るは二階だけだ・・・。
悩んでいた所、遠藤の携帯が鳴る。
相手は、桑名さんの娘だった。
「もしもし。」
「あ、遠藤君?実は実家の事で新しい事が分かって・・・。
その家、本当に危険なモノかも知れない。一度戻ってくれる?」
「・・・分かりました。」
娘さんの指示により、我々は桑名さんが生活しているマンションへ向かった。
「二人とも、忙しい所悪いね。・・・娘が家の事で調べてくれたようでね。
もうすぐ娘も来る。話を聞いて行ってくれるね?」
「はい。」
その後、加わった娘さんの話により以下の事が分かった。
・桑名さんが怪しいと踏み、遡った住民(5組)の内、二組は既に全員の死亡が確認された。
・そして残る二組の内、一組の家族は理由までは不明だが一家離散。
・足後の一組については、詳細は不明。
との事だ。
どの住民も、退去する際
桑名さんや娘さんとは「極力」関わらない様、そそくさと出て行った印象だったそうだ。
「別段、避けられている。という訳ではなさそうだった。
でも出来る事なら此処から早く出たい。そんな風に映った。
最後の住民との事を考えると人を避けるというより、家を避けている様な・・・。」
と娘さんは語った。
この時点で、私は確信していた。
「やはり、原因は二階にあるのだろう。」と・・・。
我々は、何時でも調査出来る様に。と
桑名さんから自宅の鍵を預かった。
それ以降、数日に分けて我々二人は桑名さん宅を訪れ怪異の調査に当たった。
遠藤が言う。
「なぁ、あの二階の入り口ってさ、なんで封鎖されたんだろう?」
その疑問は、私も思う所があった。
「状況証拠でしかないけど・・・多分、この家の異常性は
その原因が二階にあると俺は踏んでる。」
誰でも予想が付きそうなものだ・・・。
でも、一抹の不安があった。
「そもそも、問題があったなら、もっと早くに誰かからクレームが入ってたはずだ。」
そう。
最後の住民が此処までの暴挙に出る以前から、何かしら情報が
桑名さんか娘さんの元に届いていた筈だ。
しかし、二人からそれらしい情報は聞いていない。
「二階を塞いでるベニヤ・・・外すか?」
思考を巡らせる私の横で、遠藤が袖を捲る。
「待ってよ。何の準備もなしに変な事しちゃダメだってw」
冗談半分に静止する私の指示を遠藤はきっちりと聞いてくれる。
ソレが、長い事共にやって来た友人同士・・・「阿吽の呼吸」とでもいえるだろう。
だが・・・この家の一階で見るべきものは見尽くした。
残るは二階だけだ・・・。
悩んでいた所、遠藤の携帯が鳴る。
相手は、桑名さんの娘だった。
「もしもし。」
「あ、遠藤君?実は実家の事で新しい事が分かって・・・。
その家、本当に危険なモノかも知れない。一度戻ってくれる?」
「・・・分かりました。」
娘さんの指示により、我々は桑名さんが生活しているマンションへ向かった。
「二人とも、忙しい所悪いね。・・・娘が家の事で調べてくれたようでね。
もうすぐ娘も来る。話を聞いて行ってくれるね?」
「はい。」
その後、加わった娘さんの話により以下の事が分かった。
・桑名さんが怪しいと踏み、遡った住民(5組)の内、二組は既に全員の死亡が確認された。
・そして残る二組の内、一組の家族は理由までは不明だが一家離散。
・足後の一組については、詳細は不明。
との事だ。
どの住民も、退去する際
桑名さんや娘さんとは「極力」関わらない様、そそくさと出て行った印象だったそうだ。
「別段、避けられている。という訳ではなさそうだった。
でも出来る事なら此処から早く出たい。そんな風に映った。
最後の住民との事を考えると人を避けるというより、家を避けている様な・・・。」
と娘さんは語った。
この時点で、私は確信していた。
「やはり、原因は二階にあるのだろう。」と・・・。
我々は、何時でも調査出来る様に。と
桑名さんから自宅の鍵を預かった。
それ以降、数日に分けて我々二人は桑名さん宅を訪れ怪異の調査に当たった。
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