骸行進

メカ

文字の大きさ
上 下
332 / 336
(現段階では)最終章 ~後に新たな話も追加されるかも~

人食い民家 3

しおりを挟む
桑名さん宅へ入って30分ほど経った時。
遠藤が言う。

「なぁ、あの二階の入り口ってさ、なんで封鎖されたんだろう?」

その疑問は、私も思う所があった。

「状況証拠でしかないけど・・・多分、この家の異常性は
その原因が二階にあると俺は踏んでる。」

誰でも予想が付きそうなものだ・・・。
でも、一抹の不安があった。

「そもそも、問題があったなら、もっと早くに誰かからクレームが入ってたはずだ。」

そう。
最後の住民が此処までの暴挙に出る以前から、何かしら情報が
桑名さんか娘さんの元に届いていた筈だ。
しかし、二人からそれらしい情報は聞いていない。

「二階を塞いでるベニヤ・・・外すか?」

思考を巡らせる私の横で、遠藤が袖を捲る。

「待ってよ。何の準備もなしに変な事しちゃダメだってw」

冗談半分に静止する私の指示を遠藤はきっちりと聞いてくれる。
ソレが、長い事共にやって来た友人同士・・・「阿吽の呼吸」とでもいえるだろう。

だが・・・この家の一階で見るべきものは見尽くした。
残るは二階だけだ・・・。

悩んでいた所、遠藤の携帯が鳴る。

相手は、桑名さんの娘だった。

「もしもし。」

「あ、遠藤君?実は実家の事で新しい事が分かって・・・。
その家、本当に危険なモノかも知れない。一度戻ってくれる?」

「・・・分かりました。」

娘さんの指示により、我々は桑名さんが生活しているマンションへ向かった。

「二人とも、忙しい所悪いね。・・・娘が家の事で調べてくれたようでね。
もうすぐ娘も来る。話を聞いて行ってくれるね?」

「はい。」

その後、加わった娘さんの話により以下の事が分かった。

・桑名さんが怪しいと踏み、遡った住民(5組)の内、二組は既に全員の死亡が確認された。
・そして残る二組の内、一組の家族は理由までは不明だが一家離散。
・足後の一組については、詳細は不明。

との事だ。

どの住民も、退去する際
桑名さんや娘さんとは「極力」関わらない様、そそくさと出て行った印象だったそうだ。

「別段、避けられている。という訳ではなさそうだった。
でも出来る事なら此処から早く出たい。そんな風に映った。
最後の住民との事を考えると人を避けるというより、家を避けている様な・・・。」
と娘さんは語った。

この時点で、私は確信していた。
「やはり、原因は二階にあるのだろう。」と・・・。

我々は、何時でも調査出来る様に。と
桑名さんから自宅の鍵を預かった。

それ以降、数日に分けて我々二人は桑名さん宅を訪れ怪異の調査に当たった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

意味がわかるとえろい話

山本みんみ
ホラー
意味が分かれば下ネタに感じるかもしれない話です(意味深)

意味が分かると怖い話 考察

井村つた
ホラー
意味が分かると怖い話 の考察をしたいと思います。 解釈間違いがあれば教えてください。 ところで、「ウミガメのスープ」ってなんですか?

意味がわかると下ネタにしかならない話

黒猫
ホラー
意味がわかると怖い話に影響されて作成した作品意味がわかると下ネタにしかならない話(ちなみに作者ががんばって考えているの更新遅れるっす)

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

本当にあった怖い話

邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。 完結としますが、体験談が追加され次第更新します。 LINEオプチャにて、体験談募集中✨ あなたの体験談、投稿してみませんか? 投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。 【邪神白猫】で検索してみてね🐱 ↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください) https://youtube.com/@yuachanRio ※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

【本当にあった怖い話】

ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、 取材や実体験を元に構成されております。 【ご朗読について】 申請などは特に必要ありませんが、 引用元への記載をお願い致します。

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

処理中です...