骸行進

メカ

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(現段階では)最終章 ~後に新たな話も追加されるかも~

人食い民家 1

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これは極最近、私の元に持ち込まれていた話である。

話を持ち込んだのは友人「遠藤」。

「クポー(私のあだ名)、悪いんだけどさ。知り合いの家、行ってみて欲しい。」

彼から、「そういう(心霊系)頼み」をされるのは珍しい事だ。

何でも、知り合いは一軒家を貸家として提供していたそうだ。
だが、ここ数年で「不審な出入り」が激しくなった。

異変に気付いた頃には既に何人も「出入りした後」で
よくよく思い返すと、それらしい兆候はいくつもあった。
しかし、その知り合いは「気にしていなかった」のだ。

そして
現在その一軒家は使われていない。

最後の住民となった人物によって「奇妙な工作」が施され
それを見た知り合いが、家の貸し出しを断念したからだ。

ここで、その知り合いについて聞くと
その人の名は「桑名(仮名)さん」。
遠藤の家系で遠い親戚筋に当たる人だという。
高齢の男性であり、現在は介護付きのマンションへ移住した。

その関係で、空き家となった自宅を貸し出す事にしたそうだ。

桑名さんには娘が居た。
桑名さんに代わって自宅を管理していたのは、その娘さんだったそうだ。

そして、貸家最後の住民となった人物から「自宅の鍵」を預かり
中を確認した所、驚くべき光景が広がっていたという。

それは、娘さんの手によって写真が取られ
直ぐに桑名さんの元へ送られた。

私が聞き及んだのは、ごく一部の話だが
家の中にある家財道具が、まるっきり天地が逆になった状態で配置されていたという。
更に、二階へ上がる階段はベニヤ板で塞がれ
規制線でも張るかの様にロープでぴっちりと塞がれ、釘止めまでされていたという。

何より「異常極まれり」と言わしめた行為がある。

廊下からリビングまで続くスペースの端を
経本がずらりと敷き詰められていた。というのだ。

実際、私もその自宅へお邪魔させてもらったが
玄関を開けて直ぐには、異常に気付かなかった。
しかし
リビングに続く、Ł字の廊下を曲がった先にその光景は広がっていた。

一瞬「奥に進むのを躊躇う程の奇行」である。

そして、何より・・・その「奇行」より先に気になったのは
「臭い」だ。

私は鼻炎持ちの為、臭いには疎い方だ。
だが、その私でも分かる「汚水」の臭い。

水回りはキッチンを除いて、一切使われていなかったのだろう。
トイレや風呂場はキレイなままだ。
だが、それらの扉を開ける度、きつくなる臭気。

正直、吐き気すら覚えた。
その日、共に来ていた遠藤も
きっと私と同じ思いだったはずだ。

終始無言の二人は一階の探索を終え、外に出る。

私自身、此処までの奇行を見た事がない。
その後も暫く、無言が続いた・・・。
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