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視える友人「絢女」の話
胸焼け 2
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二人と落ち合って暫くの事。
私は、奇妙な物音を聞いた。
亜紀さんが状況説明を続ける中。
「ジュッ」という様な・・・何かゴムの様なモノが擦れる様な鈍い音。
それは一回だけではなく、数分~数十分おきに聞こえる。
彼女が怯えない様、私は絢女とのアイコンタクトは極力控えた。
一通り、話が終わった頃
絢女は切り出した。
「亜紀さん、実は後ろに妙なモノが見えるんだけど・・・。」
その一言で彼女は一瞬、きょとんとした表情になった。
状況がつかめなかった。という事だろう。
「どこかで、変なモノ拾って来ちゃってる。って事」
「・・・っえ!?」
彼女の第一印象は、説明を聞いている限りでは
大人しくもしっかりとした人なのだろう。という物だった。
だが、この反応を見る限り「鈍いだけか」という印象に変わった。
絢女にはっきりと「拾ってきている」と断言されても尚
彼女は、状況を理解できていなかった。
「だから・・・後ろに変なものが視えるの!」
「・・・えぇ~・・・。どうしたら良い?」
「どうしたらって・・・○○君(筆者)どう?」
「・・・確かに、妙な音が聞こえるのは確かだけど・・・説明が難しいね。」
絢女・私の意見をそこで初めて擦り合わせるも
明確なヴィジョンは見えてこず、ほぼ・・・お手上げ状態にあった。
だが、此処である疑問が浮かんだ。
「胸焼けが始まった時期に、何かあったのでは?」
この疑問が大きな進展のカギとなった。
この胸焼けが始まった時期・・・彼女には大きな転機が訪れている。
それが、付き合っている恋人の事だ。
亜紀さんには、付き合って2年経つ恋人がいた。
胸焼けが始まる少し前から、恋人の態度が変わった。というのだ。
「以前よりも太々しいというか、横柄になって喧嘩の頻度が上がっている。」と彼女は語る。
これを聞いた時
私は『胸焼けの原因って彼氏のストレスじゃね?』と思った事は秘密である。
なぜ、黙っていたのか?
事実、絢女には「得体の知れない何者か」が視え
私には「表現のしにくい怪音」が聴き取れてしまっているからだ。
我々は「彼氏」について更なる深堀を進める事にした。
そこで分かった事実。
どうやら、彼氏は知り合いに借金をしていた様だ。
このこと自体には、この一件とは何の因果関係も無いだろう。
だが、この事実で尤も重要な事。
それは、彼氏の仕事と給料だ。
亜紀さんの話では、彼氏は真面目に仕事は行っている。
そして、給料も申し分ない規模の額だったという。
普通に生活して居れば「火急で入用になる事」など無いだろう。と・・・。
その事実から、芋蔓式に「この一件の闇」に辿り着く事を
当時、我々は意識していなかった・・・。
私は、奇妙な物音を聞いた。
亜紀さんが状況説明を続ける中。
「ジュッ」という様な・・・何かゴムの様なモノが擦れる様な鈍い音。
それは一回だけではなく、数分~数十分おきに聞こえる。
彼女が怯えない様、私は絢女とのアイコンタクトは極力控えた。
一通り、話が終わった頃
絢女は切り出した。
「亜紀さん、実は後ろに妙なモノが見えるんだけど・・・。」
その一言で彼女は一瞬、きょとんとした表情になった。
状況がつかめなかった。という事だろう。
「どこかで、変なモノ拾って来ちゃってる。って事」
「・・・っえ!?」
彼女の第一印象は、説明を聞いている限りでは
大人しくもしっかりとした人なのだろう。という物だった。
だが、この反応を見る限り「鈍いだけか」という印象に変わった。
絢女にはっきりと「拾ってきている」と断言されても尚
彼女は、状況を理解できていなかった。
「だから・・・後ろに変なものが視えるの!」
「・・・えぇ~・・・。どうしたら良い?」
「どうしたらって・・・○○君(筆者)どう?」
「・・・確かに、妙な音が聞こえるのは確かだけど・・・説明が難しいね。」
絢女・私の意見をそこで初めて擦り合わせるも
明確なヴィジョンは見えてこず、ほぼ・・・お手上げ状態にあった。
だが、此処である疑問が浮かんだ。
「胸焼けが始まった時期に、何かあったのでは?」
この疑問が大きな進展のカギとなった。
この胸焼けが始まった時期・・・彼女には大きな転機が訪れている。
それが、付き合っている恋人の事だ。
亜紀さんには、付き合って2年経つ恋人がいた。
胸焼けが始まる少し前から、恋人の態度が変わった。というのだ。
「以前よりも太々しいというか、横柄になって喧嘩の頻度が上がっている。」と彼女は語る。
これを聞いた時
私は『胸焼けの原因って彼氏のストレスじゃね?』と思った事は秘密である。
なぜ、黙っていたのか?
事実、絢女には「得体の知れない何者か」が視え
私には「表現のしにくい怪音」が聴き取れてしまっているからだ。
我々は「彼氏」について更なる深堀を進める事にした。
そこで分かった事実。
どうやら、彼氏は知り合いに借金をしていた様だ。
このこと自体には、この一件とは何の因果関係も無いだろう。
だが、この事実で尤も重要な事。
それは、彼氏の仕事と給料だ。
亜紀さんの話では、彼氏は真面目に仕事は行っている。
そして、給料も申し分ない規模の額だったという。
普通に生活して居れば「火急で入用になる事」など無いだろう。と・・・。
その事実から、芋蔓式に「この一件の闇」に辿り着く事を
当時、我々は意識していなかった・・・。
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