骸行進

メカ

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霊視鑑定人X氏による鑑定など。

ミナソコ

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これは、且つてX氏が訪れた「ある湖」での出来事だ。
それは、お盆の時期に差し掛かっていた頃だ。

この湖では、毎年のように「水死体」が揚がる。
その殆どは「事故死」だ。

X氏の元に、一人の老人男性が訪れた。
男性の名は「北谷(仮名)」。

件の湖に遊びに行った孫が帰らないのだ。と相談に来た。

無論、警察などには既に通報済み。
数日間の捜索が行われたそうだが、孫に繋がる手がかりの一つすら
見つける事が出来なかったそうだ。

遅々として進まない捜索に、痺れを切らせた老人は
占い師や霊媒師といった類の人間に手当たり次第のアポを取っていたそうだ。

・・・この時、実は既に「孫は遺体となっていた」。
長時間水に晒された溺死体は、生前の面影を残す事は稀である。
結果として、遺体が発見された場合「一時的に身元不明の遺体」として処理される。

大部分の遺体は所持品や捜索願の特徴などから「身元が明らかになる」。

しかし、極稀に一切の所持品などを持たない遺体も揚がる。
それらの遺体は身元不明のまま、粛々と手続きが終わり葬り去られる。

後に分かった事だが・・・孫(カレ)もまた、身元不明のまま葬り去られていたのだ。

湖を訪れたX氏は、後にこう語った。

「恐らく、第一号の人が揚がって来てないんだろう。」と。

夏のお盆の時期
水に関する事故は劇的に増える。
それは、単に水に関わる人の分母が増える事で件数が増えるのは当然の事だが

X氏曰く

「お盆が過ぎるまでは、水辺に近付くべきじゃないんだよ。」との事だ。


「お盆は亡くなった人が帰って来ると言われているね。
でもね・・・帰って来るのは亡くなった身内だけとは限らない。
・・・悪いモノは何時だって水底から這い上がって来る・・・。」

心霊界隈では「水辺」というものは「あの世(特に地獄)への出入口」だという。

即ち、お盆の時期
水辺で遊ぶという事は「何時でも引っ張ってくださいね」という愚かな行為だと
「人柱に選んでください」と言っている様な物だ。とX氏は語る。

故に、お盆の時期
海・川・プール・湖・ダムなど
水辺に近付く事は「極めて危険」である。

そして
X氏が訪れた湖でも・・・。

「第一号」・・・「最初の犠牲者」が「揚がっていない」のだと彼は言う。
それ故に
お盆の時期、毎年のように「水死体」が揚がるのは

「第一号が帰りたがっているからだろう。必死なんだよ。湖にやって来た人にしがみ付くんだろう。」

結果、湖を訪れ遊ぶ観光客は水底に引きずり込まれ
第一号となってしまった人が引き揚げられる事は、未だ叶っていないのだろう・・・。
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