182 / 336
視える友人「絢女」の話
呪詛吐き 1
しおりを挟む
絢女の元に、女性が助けを求めやって来た。
彼女の名前は「戸田 由紀子さん(仮名)」
彼女の話では最近、学生時代の知人の様子がおかしいのだという。
知人の名前は「宮瀬さん(仮名)」
彼女は、いわゆる「精神障害」を抱えているのだというが
それが「妄想性パーソナリティ障害」であった。
そのせいもあって、宮瀬さんの周囲には友人と呼べる人々が居らず
幾つかのトラブルも抱えていたという。
そんな中、戸田さんが違和感を覚え始めたのは
「同窓会」での事だった。
何時もの様に、信じ込んだ妄想をこれでもかと披露する宮瀬さん。
だが、まさか後日
その「妄想・虚言」の中に、とてつもない恐ろしい現実があるとは思いもしなかった。
数日後
戸田さんの元に一本の電話が入る。
電話の相手は学生時代の友人だった。
「由紀子!?もう聞いた?
あの後、新藤君(仮名)が病院に運ばれたって。」
親友の話では「同窓会」直後
当時から人気者として名の通っていた男性が事故に合い、入院していたのだ。
これだけであれば、親友もそこまで騒ぎ立てる事もしなかったであろう。
親友が騒いだことには別の理由があった。
「新藤君、宮瀬と言い合いになってたの知ってる?」
「え?」
親友の話では
同窓会が始まり、暫くしてから
戸田さんの知らない内に、小競り合いが起きていたのだという。
その理由が
宮瀬さんが新藤君に言った一言から始まった。
「新藤君・・・ケガしたって聞いたよ?入院もしてたって。大丈夫なの?」
とはいえ、当の本人にはそんな事実など一切なく
妄言の相手に付き合ってなど居られるか。と揉めたのだそうだ。
・・・戸田さんの親友には「ある心当たり」があったそうだ。
確かに、宮瀬さんは学生の頃から「メルヘンな事」を言い周囲を困らせていた。
だが・・・その殆どは「悪意や害意」などはなく「聞き流して居ればいい」程度の事だった。
しかし・・・。
時折、彼女は「鋭い事」を言うのだという。
見ていなければ分からないであろう事を「言い当てる」事があったのだそうだ。
それが、かえって周囲との溝を深める原因となった。
「気味が悪い」「ストーカーまでしているのか?」など
様々な意見が出ていた。
そして、それは「同窓会」でも・・・。
揉め事直後の事故。
妙な勘繰りを始める者は一定数居ただろう。
当事者たちの知らない裏側で「アレは彼女が引き起こしたに違いない」そう囁かれ始めた。
更に
数ヶ月と言う短いスパンで
宮瀬さんに関わった数名のメンバーには次々と不幸が降りかかった。
それも、新藤君と同じように
まるで「予言」されていたかのように・・・宮瀬さんは彼等の不幸を言い当てていたという。
そんな彼女に付いた「裏のあだ名」は「虚言の死神」だった・・・。
彼女の名前は「戸田 由紀子さん(仮名)」
彼女の話では最近、学生時代の知人の様子がおかしいのだという。
知人の名前は「宮瀬さん(仮名)」
彼女は、いわゆる「精神障害」を抱えているのだというが
それが「妄想性パーソナリティ障害」であった。
そのせいもあって、宮瀬さんの周囲には友人と呼べる人々が居らず
幾つかのトラブルも抱えていたという。
そんな中、戸田さんが違和感を覚え始めたのは
「同窓会」での事だった。
何時もの様に、信じ込んだ妄想をこれでもかと披露する宮瀬さん。
だが、まさか後日
その「妄想・虚言」の中に、とてつもない恐ろしい現実があるとは思いもしなかった。
数日後
戸田さんの元に一本の電話が入る。
電話の相手は学生時代の友人だった。
「由紀子!?もう聞いた?
あの後、新藤君(仮名)が病院に運ばれたって。」
親友の話では「同窓会」直後
当時から人気者として名の通っていた男性が事故に合い、入院していたのだ。
これだけであれば、親友もそこまで騒ぎ立てる事もしなかったであろう。
親友が騒いだことには別の理由があった。
「新藤君、宮瀬と言い合いになってたの知ってる?」
「え?」
親友の話では
同窓会が始まり、暫くしてから
戸田さんの知らない内に、小競り合いが起きていたのだという。
その理由が
宮瀬さんが新藤君に言った一言から始まった。
「新藤君・・・ケガしたって聞いたよ?入院もしてたって。大丈夫なの?」
とはいえ、当の本人にはそんな事実など一切なく
妄言の相手に付き合ってなど居られるか。と揉めたのだそうだ。
・・・戸田さんの親友には「ある心当たり」があったそうだ。
確かに、宮瀬さんは学生の頃から「メルヘンな事」を言い周囲を困らせていた。
だが・・・その殆どは「悪意や害意」などはなく「聞き流して居ればいい」程度の事だった。
しかし・・・。
時折、彼女は「鋭い事」を言うのだという。
見ていなければ分からないであろう事を「言い当てる」事があったのだそうだ。
それが、かえって周囲との溝を深める原因となった。
「気味が悪い」「ストーカーまでしているのか?」など
様々な意見が出ていた。
そして、それは「同窓会」でも・・・。
揉め事直後の事故。
妙な勘繰りを始める者は一定数居ただろう。
当事者たちの知らない裏側で「アレは彼女が引き起こしたに違いない」そう囁かれ始めた。
更に
数ヶ月と言う短いスパンで
宮瀬さんに関わった数名のメンバーには次々と不幸が降りかかった。
それも、新藤君と同じように
まるで「予言」されていたかのように・・・宮瀬さんは彼等の不幸を言い当てていたという。
そんな彼女に付いた「裏のあだ名」は「虚言の死神」だった・・・。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる