骸行進

メカ

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ある青年の体験

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この話は、一部界隈では有名だ。

とある青年が体験した話として出回っている。

青年は大学二年生だった。
午後からの講義を終え、帰宅すると彼の年老いた母親が
家中、慌ただしく動き回って何かの支度をしていたそうだ。

「母さん?何してんの?」

「あ?あぁ、お前か。丁度いい、お前も早く支度しな。」

「だから・・・何の支度だよ?」

「さっき電話があって、叔父さんが亡くなったんだって!
今から病院に行くから、早く!」

そこまで聞いた青年だが、しっくりこなかったという。

『・・・叔父さんって誰だよ。っていうか親戚居たんだ・・・。』

「何してるの!早く!・・・ほらそこ、退いて!」

青年は母に押し退けられながら、部屋の隅に立った。

・・・その時だ。
家の電話が鳴った・・・。

「母さん、電話!」

「今、手離せないから!あんた出て!」

「・・・わかった。」

「・・・もしもし。」

「・・・。」

「あのぉ~・・・もしもし?」

「・・・死んだのは叔父さんじゃない!」

「え?」

受話器から聞こえた男の声。
不思議な事に青年はその声に聞き覚えがあったそうだ。
しかし・・・その相手が誰なのか・・・はっきり思い出せなかった。

「いいか!?よく聞け!死んだのは母さんの方だ!たっくん!絶対に後ろを振り向くなよ!」

「たっくん」というその一言で・・・青年は相手の事を思い出した。

電話の相手は、幼い頃に事故で亡くなった年の離れた兄だった。
家族の中で青年を「たっくん」と呼んでいたのは兄だけだったそうだ。

「・・・兄ちゃん・・・?」

「たっくん、振り向くなよ!」

さっきまで、後ろで慌ただしく動き回っていた足音はピタリと止んでいた。

青年は、恐怖から少し後ろに目をやろうとした・・・。

・・・その時。

耳元で、母の低い声が聞こえたのだ。

「お前も早く準備しな・・・。」

青年は受話器を放り投げ、一目散に逃げた。

という話だ。

果たして、青年が振り返った時・・・何が起こるハズだったのか・・・。
考えるだけでも恐ろしい・・・。
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