骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

保護された老人 2

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大林が保護されてから15分。
一向に、マンションから迎えが来ない。

都度、大林を宥めながらここまで待ったが流石に遅い。

「なぁ、本当に連絡したのか?」

「したよ。あちらさんも大慌てだったぞ。」

「なら何で来ないんだよ。」

「・・・さぁな。」

交番から介護用マンションまでは徒歩で5分ほどの距離だ。
直ぐに来ると連絡を受け待っていたが、これでは送ってしまった方が早かった。

「念の為、もう一度連絡取ってくれよ。」

「分かった。」

・・・すると、この連絡で奇妙な事が起きたのだ。

同僚は携帯をスピーカーに設定して話し始めた。

「もしもし。こちら先ほどお電話差し上げた○○警察の者です。
あれからお時間が少し経ってしまったので確認のお電話を差し上げたのですが・・・。」

「・・・はい?○○警察・・・?・・・先ほどって・・・。どういう案件でしょうか?」

「え?・・・えっと大林さんというご老人をこちらで保護しているのですが
そちらのお住まいでしたよね?」

「大林さん!?そ、そうでしたか!今、担当の者に変わりますので!」

そして、待機音が鳴る。


「・・・おい、どういう事だよ。連絡したんじゃないのか?」

「・・・したよ・・・。どうなってるかこっちが聞きたいよ。」

「・・・もしもし。お待たせしました。施設長の渡(仮名)です。」

「あぁ・・・渡さん?先ほどお電話差し上げたと思うのですが。あれから15分程待っても
お迎えが来ないようで、確認のお電話をしました。」

「・・・失礼ですが、こちらにお電話されたのは間違いないですか?」

「・・・はい?・・・20分ほど前に成りますが、確かに・・・。」

「・・・おかしいなぁ。・・・とにかく、大林さんの件につきましては了解しました。
急いで向かいますので。よろしくお願い致します。」

「はい、ではお待ちしておりますので。」

そうして電話が切れた。

「お前、何処に電話かけたんだよ?」

「いや、あそこのマンションで間違いないって。さっきも渡さんが電話に出たんだ。」

ともあれ、荻野は再び大林の気を逸らしながら迎えを待つ事となった。

・・・が。
待てども迎えは来なかった。
最初の電話から既に一時間は経過してしまった。

「どうなってんだよ、あのマンション。介護用とか謳っておいて
老人一人ほったらかしかよ。悪いが、もう一度電話頼むわ。俺、大林さんを送って来る。」

「分かった。」

「大林さん、ここら辺は交通量も多いし俺、心配だからさ。家まで一緒に送るからさ。
随分待たせちゃった・・・御免なさいね。さ、行きましょう。」

「いやぁ、若いのに迷惑かけて・・・すまないのはこっちの方だ。」

そうして、二人は交番から歩を進める・・・。

これが、次の異変ほ始まりだった。
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