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長編特集
はしご。 6 「小島」
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私と遠藤は、小島の病室から少し離れた階段の踊り場に居た。
正直な所、彼(小島)には聞かれたくない内容だったのだ。
「遠藤、お前・・・どう思った?」
「・・・。」
「お前も、思ったんだろ?・・・多分、伊藤もそうだ。」
「あ・・・アレ・・・誰だ・・・?」
「・・・やっぱりか。」
小島の病室に入った私は、彼に一つの変化を見ていた。
そして、それは、病室にいた二人の友人も・・・。
我々の前に点滴を刺してベットに座っていた男の顔を「私は知らない。」
にも拘わらず・・・その男は自分を「小島」だという。
良く見れば「小島の面影を残す男」なのだが
どうにもその男が「小島」である。と言い切れない。
「クポー、アレってどういう・・・。」
「多分、憑かれてるんだよ。」
「え?」
「憑かれると、その深度によっては人相が変わってしまったりする。」
「どうするんだよ、あれ。」
「これも憶測になるけど、あのノートが怪しい。というか、ノートは確実に黒だとしても
何が憑いたのか現状分からない。」
「どういう事だ?」
「普通、傍に何か居れば声が聞こえる。でも、あのノートからも今の小島からも声が聞こえない。」
「意図的に息を潜めてる?」
「可能性はある。・・・その場合は人が憑いてる事になる。」
「・・・。」
「遠藤、今夜もう一度あのノート見に行くぞ。」
「分かった。でも、伊藤は?」
「置いていく。病院との中継役に一人は残らないと。」
「OK。」
午後10時。
件のダムに着いた我々は、ノートの前に居た。
そして、そのノートのページを一枚一枚確認する事にした。
最初の頃は、走り書きの様なメモが所々にあって、時折何の画かも分からない様な物が書かれている。
メモ自体も、内容は意味不明な物だった。
日付が書かれていたと思えば、隣には果物の名前が記されていたり
渦巻き模様の線が描かれていたり、まさしく子供の自由帳というところか。
その中で、一際異様な物・・・。
あの二つのマークだ。
「クポー、やっぱりこれって・・・お前が言ってた・・・。」
「・・・あぁ。間違いないと思う。」
この時、私は遠藤にも違和感を持っていた。
彼に霊感の類はない。とはいえ、感覚的にモノが言えるタイプではあった。
その彼がはっきりと「私の話した神社が怪しい」と断言した。
感覚的な捉え方でハッキリと断言する事は難しい。
だが、この時の彼は私よりも感覚が尖っていたように思うのだ。
「一度帰って、休もう。それで明日の朝に神社の方に行ってみようか。」
「・・・そうだな。」
そうして、我々は一度ホテルへ帰る事になったのだ。
正直な所、彼(小島)には聞かれたくない内容だったのだ。
「遠藤、お前・・・どう思った?」
「・・・。」
「お前も、思ったんだろ?・・・多分、伊藤もそうだ。」
「あ・・・アレ・・・誰だ・・・?」
「・・・やっぱりか。」
小島の病室に入った私は、彼に一つの変化を見ていた。
そして、それは、病室にいた二人の友人も・・・。
我々の前に点滴を刺してベットに座っていた男の顔を「私は知らない。」
にも拘わらず・・・その男は自分を「小島」だという。
良く見れば「小島の面影を残す男」なのだが
どうにもその男が「小島」である。と言い切れない。
「クポー、アレってどういう・・・。」
「多分、憑かれてるんだよ。」
「え?」
「憑かれると、その深度によっては人相が変わってしまったりする。」
「どうするんだよ、あれ。」
「これも憶測になるけど、あのノートが怪しい。というか、ノートは確実に黒だとしても
何が憑いたのか現状分からない。」
「どういう事だ?」
「普通、傍に何か居れば声が聞こえる。でも、あのノートからも今の小島からも声が聞こえない。」
「意図的に息を潜めてる?」
「可能性はある。・・・その場合は人が憑いてる事になる。」
「・・・。」
「遠藤、今夜もう一度あのノート見に行くぞ。」
「分かった。でも、伊藤は?」
「置いていく。病院との中継役に一人は残らないと。」
「OK。」
午後10時。
件のダムに着いた我々は、ノートの前に居た。
そして、そのノートのページを一枚一枚確認する事にした。
最初の頃は、走り書きの様なメモが所々にあって、時折何の画かも分からない様な物が書かれている。
メモ自体も、内容は意味不明な物だった。
日付が書かれていたと思えば、隣には果物の名前が記されていたり
渦巻き模様の線が描かれていたり、まさしく子供の自由帳というところか。
その中で、一際異様な物・・・。
あの二つのマークだ。
「クポー、やっぱりこれって・・・お前が言ってた・・・。」
「・・・あぁ。間違いないと思う。」
この時、私は遠藤にも違和感を持っていた。
彼に霊感の類はない。とはいえ、感覚的にモノが言えるタイプではあった。
その彼がはっきりと「私の話した神社が怪しい」と断言した。
感覚的な捉え方でハッキリと断言する事は難しい。
だが、この時の彼は私よりも感覚が尖っていたように思うのだ。
「一度帰って、休もう。それで明日の朝に神社の方に行ってみようか。」
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そうして、我々は一度ホテルへ帰る事になったのだ。
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