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長編特集
はしご。 4 「中身」
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再び集まった4人の視線の先。
最早、表面の文字すら掠れるそのノートを
後輩の伊藤がとうとう、拾い上げた。
「・・・うわ、中も何が書かれてるのかサッパリだ。」
「どれ、見してみ?」
それを半分奪うような形で遠藤・小島が中身を確認する。
端から覗く私にも、はっきりと分かる。
「ダメだなこりゃ。滲んじゃって何が何だか・・・。」
「小島、次は?」
「・・・次のページも・・・解読は出来んわな。」
「クポー(筆者)、何か分かるか?」
「そんな、ボロの解読しろって?俺はエスパーかよ・・・っ!」
「っあ!何するんだよ!」
「行くな!行っちゃだめだ!アレは拾うなッ!」
パラパラとめくり、送られていくページの中に
明らかな異質さを目の当たりにした私は、そのノートを叩き落としていた。
すぐさま拾いに駆け寄る小島を全力で引き留めたほどだ。
恐らく、一瞬の事だ。
彼等は気にもしなかったのだろう。
ノートの大部分の内容が解読不可能となっているにも関わらず
ある1ページにだけ・・・「鳥居」のマークがくっきりと残されていたのだ。
しかも、見間違いでなければ、その「鳥居」の足元に髑髏のような物も。
極めて小さな画だった。
子供の画力では、まず不可能な規模の・・・。
本来「鳥居」だけならば、何かのおまじないか?程度で済むハズだったろう。
秘密裏に願い事の願掛けを行っていたのだろう。と微笑ましくもなる。
・・・しかし、その「鳥居」の足元に「髑髏」を描くとは
どんな料簡だろうか。
まるで「死を望んでいる」と言わんばかりだ。
それが、自身の死なのか他人の死なのかは些細な問題である。
取り乱した私をみた3人は、少し呆然としていたが
私が見た物を説明すると、確認しようと提案しだした。
しかし、私は彼等がその提案をする事を読んでいた。
一人、先に帰ろうと出入口方面に歩き出した。
すると、そこで漸く3人も後を追う形で付いてきたのだ。
実際の所、一瞬の出来事に驚いただけで
「恐怖」があった訳ではない。
感覚的に「触ったらマズイ物だ」という物でもなかったはずだ。
お得意の「声を聴いた」訳でもない。
ではなぜ、その場を離れたのか?
・・・知っていたからだ。
あの一瞬で捉えた「画」が何を意味しているか。を・・・。
そして、それは
親友である「遠藤」も「知っていた事」だ。
現場では、覚えていない様だったので「思い出す前に離れたかった。」のだ。
だが・・・
ホテルに向かう道中、彼は思い出してしまったのだ。
・・・かつて私が教えた「心霊スポット」を・・・。
最早、表面の文字すら掠れるそのノートを
後輩の伊藤がとうとう、拾い上げた。
「・・・うわ、中も何が書かれてるのかサッパリだ。」
「どれ、見してみ?」
それを半分奪うような形で遠藤・小島が中身を確認する。
端から覗く私にも、はっきりと分かる。
「ダメだなこりゃ。滲んじゃって何が何だか・・・。」
「小島、次は?」
「・・・次のページも・・・解読は出来んわな。」
「クポー(筆者)、何か分かるか?」
「そんな、ボロの解読しろって?俺はエスパーかよ・・・っ!」
「っあ!何するんだよ!」
「行くな!行っちゃだめだ!アレは拾うなッ!」
パラパラとめくり、送られていくページの中に
明らかな異質さを目の当たりにした私は、そのノートを叩き落としていた。
すぐさま拾いに駆け寄る小島を全力で引き留めたほどだ。
恐らく、一瞬の事だ。
彼等は気にもしなかったのだろう。
ノートの大部分の内容が解読不可能となっているにも関わらず
ある1ページにだけ・・・「鳥居」のマークがくっきりと残されていたのだ。
しかも、見間違いでなければ、その「鳥居」の足元に髑髏のような物も。
極めて小さな画だった。
子供の画力では、まず不可能な規模の・・・。
本来「鳥居」だけならば、何かのおまじないか?程度で済むハズだったろう。
秘密裏に願い事の願掛けを行っていたのだろう。と微笑ましくもなる。
・・・しかし、その「鳥居」の足元に「髑髏」を描くとは
どんな料簡だろうか。
まるで「死を望んでいる」と言わんばかりだ。
それが、自身の死なのか他人の死なのかは些細な問題である。
取り乱した私をみた3人は、少し呆然としていたが
私が見た物を説明すると、確認しようと提案しだした。
しかし、私は彼等がその提案をする事を読んでいた。
一人、先に帰ろうと出入口方面に歩き出した。
すると、そこで漸く3人も後を追う形で付いてきたのだ。
実際の所、一瞬の出来事に驚いただけで
「恐怖」があった訳ではない。
感覚的に「触ったらマズイ物だ」という物でもなかったはずだ。
お得意の「声を聴いた」訳でもない。
ではなぜ、その場を離れたのか?
・・・知っていたからだ。
あの一瞬で捉えた「画」が何を意味しているか。を・・・。
そして、それは
親友である「遠藤」も「知っていた事」だ。
現場では、覚えていない様だったので「思い出す前に離れたかった。」のだ。
だが・・・
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・・・かつて私が教えた「心霊スポット」を・・・。
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