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筆者(メカ)の経験談。
名無しのクラスメート 1
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これは、私が27の時の話である。
その日、私は中学時代の友人6名と合う約束をしていた。
というのも、そのうちの一人「大久保(仮名)」が
地方転勤から帰って来た事を祝う為、カラオケに行こうという話になっていたのだ。
時刻は夜半。20時頃。
集まったメンバーは、各々の近況などを報告しあったり
思い出話などで盛り上がり、場のムードは最高潮だった。
が・・・しかし。
そのメンバーの中で唯一「一人だけ」
名前が思い出せない友人が居たのだ。
『あいつ・・・誰だっけ。顔はハッキリ覚えてるのに・・・。』
ずっと悶々と考えていたが、結局最後まで思い出す事が無かった。
後日、大久保に確認を取った所
「あぁ、アイツな。真田(仮名)だろ。アイツ影薄かったからなぁ~。」
という返答が帰って来た。
名前を聞いて「そうだ!アイツ真田だ!」となったのを今でも覚えている。
彼の名を思い出した事で、私は急に懐かしさを覚え
中学時代の卒業アルバムを開いたものだ。
・・・ところが。
そのアルバムを確認するとある事実が発覚する。
「当時の真田」と「再会した真田」とは、まるで似ても似つかない別人だった。
急いで大久保にも確認を取った。
「あいつ、本当に真田だった!?」
「・・・え?・・・真田だろ?何言ってんだよ、お前・・・。」
「卒アル、見てみろよ!」
「・・・わ、分かった。ちょっと待っててな。」
暫くガサゴソと音がした後、数十秒の間を置いて大久保の絶句する声が聞こえた。
「・・・誰だよ・・・こいつ。」
「は?」
「この卒アルに乗ってる真田!・・・誰だよ。こんな奴俺知らねぇぞ?」
何と大久保は、卒業アルバムに乗っている方の真田を別人扱いしたのだ。
「いや、こいつが真田だろ?俺達があった方の真田が誰だって話で・・・。」
暫く、大久保と論争を広げたが
結局、どちらの真田が本物なのか、回答は出なかった。
そこで、我々は後日
カラオケに来ていた他のメンバーにも声を掛ける事にした。
すると、奇妙な出来事が起きたのだ。
残るメンバーは4人。
その4人ともが、其々全くの別人の名前を挙げたのだ。
「高橋だろ?」「いや、秋山だ。」「落合じゃないのか?」「お前らほんとに友人か?大森だろ。」
アルバムで確認するも、顔と名前が一致する者が居なかったのだ。
そもそも、皆同じ顔を見ているハズなのに
出て来る名前の顔の系統はバラバラだ。
その日、我々一同は「名無しのクラスメート」を巡って
丸一日、頭を抱える事となったのである。
その日、私は中学時代の友人6名と合う約束をしていた。
というのも、そのうちの一人「大久保(仮名)」が
地方転勤から帰って来た事を祝う為、カラオケに行こうという話になっていたのだ。
時刻は夜半。20時頃。
集まったメンバーは、各々の近況などを報告しあったり
思い出話などで盛り上がり、場のムードは最高潮だった。
が・・・しかし。
そのメンバーの中で唯一「一人だけ」
名前が思い出せない友人が居たのだ。
『あいつ・・・誰だっけ。顔はハッキリ覚えてるのに・・・。』
ずっと悶々と考えていたが、結局最後まで思い出す事が無かった。
後日、大久保に確認を取った所
「あぁ、アイツな。真田(仮名)だろ。アイツ影薄かったからなぁ~。」
という返答が帰って来た。
名前を聞いて「そうだ!アイツ真田だ!」となったのを今でも覚えている。
彼の名を思い出した事で、私は急に懐かしさを覚え
中学時代の卒業アルバムを開いたものだ。
・・・ところが。
そのアルバムを確認するとある事実が発覚する。
「当時の真田」と「再会した真田」とは、まるで似ても似つかない別人だった。
急いで大久保にも確認を取った。
「あいつ、本当に真田だった!?」
「・・・え?・・・真田だろ?何言ってんだよ、お前・・・。」
「卒アル、見てみろよ!」
「・・・わ、分かった。ちょっと待っててな。」
暫くガサゴソと音がした後、数十秒の間を置いて大久保の絶句する声が聞こえた。
「・・・誰だよ・・・こいつ。」
「は?」
「この卒アルに乗ってる真田!・・・誰だよ。こんな奴俺知らねぇぞ?」
何と大久保は、卒業アルバムに乗っている方の真田を別人扱いしたのだ。
「いや、こいつが真田だろ?俺達があった方の真田が誰だって話で・・・。」
暫く、大久保と論争を広げたが
結局、どちらの真田が本物なのか、回答は出なかった。
そこで、我々は後日
カラオケに来ていた他のメンバーにも声を掛ける事にした。
すると、奇妙な出来事が起きたのだ。
残るメンバーは4人。
その4人ともが、其々全くの別人の名前を挙げたのだ。
「高橋だろ?」「いや、秋山だ。」「落合じゃないのか?」「お前らほんとに友人か?大森だろ。」
アルバムで確認するも、顔と名前が一致する者が居なかったのだ。
そもそも、皆同じ顔を見ているハズなのに
出て来る名前の顔の系統はバラバラだ。
その日、我々一同は「名無しのクラスメート」を巡って
丸一日、頭を抱える事となったのである。
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