骸行進

メカ

文字の大きさ
上 下
40 / 336
筆者(メカ)の経験談。

悪夢の追体験 2

しおりを挟む
私の友人「荻野」の段落で話した「悪夢の追体験」だが
実は、その話と対になる様に「もう一つの話」が存在している。

「悪夢の追体験」では、荻野から私へ「相談」が来た訳だが・・・。
今回の話は、その逆パターンである。

何を隠そう私自身も「追体験」を経験したのだ。

夢の内容は以下の通り。

私は当時、仕事行くときは「電車」を利用していた。
最寄駅から出発し、乗り換えで沿線が変わり職場までは1時間以上かけて通勤していた。
・・・その乗り換えを行った沿線で・・・。
電車がホームに差し掛かった時「後ろから突き飛ばされる」という夢を見るようになった。

妙に生々しいのは、その駅名や何番ホームかまではっきりと覚えていた事だ。

そして何より、それまでの過程もしっかりと覚えている。
家を出発し、最寄り駅に向かう。
そして乗車。・・・しばらくの後、乗り換え。
沿線が切り替わる際、一度駅から出て暫くの徒歩。
いつも通り、次の駅に到着しホームで電車を待つ・・・。

その全ての手順が、脳裏に焼き付いているのだ。

時には、起きた先の世界が夢なのではないか?
今まさに、電車で居眠りをこいているのではないか?と不安になる日もあった。

この現象に悩まされたのは
「荻野」の「追体験」から半年も経たない間であった。

この時点で、私は嫌な空気を察していたものだ。

「荻野?久しぶり。ちょっと級で悪いんだけどさ。○○駅について調べて欲しい。」

「ん?どした?○○駅で何かあったん?」

「いや、特別何かがあった訳じゃないんだけどさ、俺も追体験をしてるかも・・・。」

「マジか。・・・手が空いた時にでも調べておくよ。」

こういったメールのやり取りの後、一か月後の事だった。

「○○駅、調べてみたんだけどさ。数年前に死亡事故が起きてるわ。」

「やっぱり・・・。」

「目撃者の話だと学生服の青年がいきなり、前に居た乗客をホームに突き飛ばしたらしい。」

「え?・・・学生服?」

その駅は、通学にも良く使われる駅だ。
学生服と聞いても驚きはしなかったが、問題の渦中にそのキーワードが出てきた事が
一番の驚きだ。

「どこの学校かは特定できたみたいだけど・・・犯人は不明のままだってさ。」

「どういう事?」

「当時の資料だと、防犯カメラの映像を生徒や教師に見せて特定しようとしたらしいけど
皆口を揃えて、こんな生徒見た事がない。って答えてたんだとさ。
・・・で、結局謎のまま進展はなし。」

「もっと詳しく分からないの?」

「いやぁ、動悸も不明・犯人の手掛かりもほぼ無し。突き止めようがないな。」

だが、より詳しく調べて貰った所
私が何時も利用していたその駅の・・・私が何時も立っていたそのホームで
その出来事が起こっていたそうだ。

その日以降、私が電車に乗り込むホームをずらした事は言うまでもない・・・。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

B型の、B型による、B型に困っている人の為の説明書

メカ
エッセイ・ノンフィクション
「あいつB型っしょ、まじ分からん。」 「やっぱ!?B型でしょ?だと思った。」 「あぁ~、B型ね。」 いやいや、ちょっと待ってくださいよ。 何でもB型で片付けるなよ!? だが、あえて言おう!B型であると!!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結済】ダークサイドストーリー〜4つの物語〜

野花マリオ
ホラー
この4つの物語は4つの連なる視点があるホラーストーリーです。 内容は不条理モノですがオムニバス形式でありどの物語から読んでも大丈夫です。この物語が読むと読者が取り憑かれて繰り返し読んでいる恐怖を導かれるように……

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
よくよく考えると ん? となるようなお話を書いてゆくつもりです 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

処理中です...