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視える友人「絢女」の話
長い一軒家 4
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グループの中で、尤も有力だと議論された説がある。
それは「マネキンを用いた、悪霊・悪魔などに対する身代わりではないか?」という説だ。
日本では古来から「人形」などを用いた「呪から身を守る手法」が存在する。
それ故に、そのマネキンも家族を悪い物から守る為の依り代として配置していたのではないか?
そう議論された。
だが・・・正直な所、私は腑に落ちない点がいくつかあった。
一つ
身を守る為の物であれば、なぜ祖父はその旨を伝えなかったのか。
二つ
依り代というものは定期的にお祓いなどを行う為入れ替える。
わざわざ地下通路まで作って、隔離した意図が分からない。
三つ
家族を守るという神聖な物であるのなら・・・絢女が遭遇しかけた「アレ」は何なのか。
四つ
これは絢女自身も気付いていなかっただろう。
凡そ20年以上、誰の出入りもない密室だぞ?
ましてや、経年劣化の激しい家だ。
・・・なぜ、絢女は密室に入った時「埃っぽさ」などを感じなかった?
そもそも、祖母が生活していたであろう居住スペースですら
そういった描写を話してこなかった事を、私は不思議に思っていたのだ。
その時、私は自分の疑問をグループに共有する事をしなかった。
というのも、表面的な話を聞いただけの現状では
私も同じ意見に辿り着いていたからだ。
となれば、自ずと残り二つのスペースの内
一つは想像が出来た。
生家・身代わりの家と来れば・・・次は「祭場or儀式場」であろう。
しかし、残る1スペースだけは、私にも想像がつかなかった。
数日後に再調査に向かうと言う絢女。
しかし、また一人になる可能性を考慮した上で
彼女は近場の人物に協力を頼み込んできた。
メンバーの内、3名が名乗りを上げ
後日、そのメンバーと共に調査に赴いた。
案の定と言うべきか
今度は米山さん自身は「行きたくない」と拒絶。
鍵だけ託され、メンバーの車で向かう。
ある程度の調査を終えた後、次の部屋に向かう為の通路探しが始まった。
井戸以外にも、外に何かあるのではないか?
手分けして探す事2時間。
次なる通路は、リビングの掘り炬燵の中に合った。
老夫婦を模したマネキンによって巧妙に隠されていたそうだ。
前回同様、床下収納の様になっていたらしい。
・・・そして・・・。
予想は大当たりだ。
家一つ分のだだっ広い何も無い空間に
白い祭壇がポツン。
窓もない、灯りもない、仕切りもない。
そんな無の空間で、懐中電灯に照らされる祭壇は
それだけでもう恐怖だろう。
4人は終始無言だったそうだ。
彼等も心霊スポットなどは巡り慣れた猛者たちだ。
そんな彼等が一様に「何かしてたんだな、ここはヤバい場所なんだ」と
感じ取ったのだろう。
その後、10分程次への手掛かりを探索し、その場を後にしたそうだ。
それは「マネキンを用いた、悪霊・悪魔などに対する身代わりではないか?」という説だ。
日本では古来から「人形」などを用いた「呪から身を守る手法」が存在する。
それ故に、そのマネキンも家族を悪い物から守る為の依り代として配置していたのではないか?
そう議論された。
だが・・・正直な所、私は腑に落ちない点がいくつかあった。
一つ
身を守る為の物であれば、なぜ祖父はその旨を伝えなかったのか。
二つ
依り代というものは定期的にお祓いなどを行う為入れ替える。
わざわざ地下通路まで作って、隔離した意図が分からない。
三つ
家族を守るという神聖な物であるのなら・・・絢女が遭遇しかけた「アレ」は何なのか。
四つ
これは絢女自身も気付いていなかっただろう。
凡そ20年以上、誰の出入りもない密室だぞ?
ましてや、経年劣化の激しい家だ。
・・・なぜ、絢女は密室に入った時「埃っぽさ」などを感じなかった?
そもそも、祖母が生活していたであろう居住スペースですら
そういった描写を話してこなかった事を、私は不思議に思っていたのだ。
その時、私は自分の疑問をグループに共有する事をしなかった。
というのも、表面的な話を聞いただけの現状では
私も同じ意見に辿り着いていたからだ。
となれば、自ずと残り二つのスペースの内
一つは想像が出来た。
生家・身代わりの家と来れば・・・次は「祭場or儀式場」であろう。
しかし、残る1スペースだけは、私にも想像がつかなかった。
数日後に再調査に向かうと言う絢女。
しかし、また一人になる可能性を考慮した上で
彼女は近場の人物に協力を頼み込んできた。
メンバーの内、3名が名乗りを上げ
後日、そのメンバーと共に調査に赴いた。
案の定と言うべきか
今度は米山さん自身は「行きたくない」と拒絶。
鍵だけ託され、メンバーの車で向かう。
ある程度の調査を終えた後、次の部屋に向かう為の通路探しが始まった。
井戸以外にも、外に何かあるのではないか?
手分けして探す事2時間。
次なる通路は、リビングの掘り炬燵の中に合った。
老夫婦を模したマネキンによって巧妙に隠されていたそうだ。
前回同様、床下収納の様になっていたらしい。
・・・そして・・・。
予想は大当たりだ。
家一つ分のだだっ広い何も無い空間に
白い祭壇がポツン。
窓もない、灯りもない、仕切りもない。
そんな無の空間で、懐中電灯に照らされる祭壇は
それだけでもう恐怖だろう。
4人は終始無言だったそうだ。
彼等も心霊スポットなどは巡り慣れた猛者たちだ。
そんな彼等が一様に「何かしてたんだな、ここはヤバい場所なんだ」と
感じ取ったのだろう。
その後、10分程次への手掛かりを探索し、その場を後にしたそうだ。
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