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筆者(メカ)の経験談。
修行の開始と合間で・・・。 4
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朝一番、私と顔を合わせたX氏は
直ぐに奥の部屋へと戻る。
再び姿を現した彼の手には、小さな巾着があった。
「ソレ、直ぐに交換して。こっちに寄越して。」
彼が巾着から取り出したのは新しいブレスレットだった。
指示に従い、自分の手首に視線を落とした時
・・・ギョッとしたものだ。
たった一日。
その一日で、ブレスレットに使われていた水晶の珠すべてに
ヒビが入っていたのだ。
「はぁ!?・・・何で・・・。」
思わず声が出た。
X氏が言うには
私に憑いた者が表に出かかっている事、そして
その者が水晶に取り込まれまいと抵抗している事を説明された。
直ぐに、ヒビの入ったブレスを彼に渡そうとしたが
「ソコにおいて!」
彼は間髪入れずに、隣の机を指さした。
机の上には小さなお盆が用意され、その上に乗せる様、指示を受けた。
「末ちゃん(末長さん)、後の処理はよろしく。」
X氏は、私の腕を強引に引っ張りつつ、奥の部屋に移動した。
「思ったより、早いし・・・強い。このままじゃダメだ。すぐお祓いだわ。」
そう言うと、新しいブレスを私の腕に二つ付け
お祓いの準備に取り掛かった。
その際、注意事項として二点の説明を受けたのだ。
一つ、お祓い中は手を合わせたまま脱力する事。
二つ、何が有っても最後まで席を発たない事。
お祓いが始まって10分。
最初は何も起きないではないか。と安堵していた私だが
X氏の唱えるお経の中に、奇妙な物音を聞き始めた。
『何だ?何処からだ?』と意識を集中させていたが
今回は直ぐに音の出所がつかめず、さらに10分程が経過した。
漸く、音の出所が分かる様に鳴った時
私は、激痛に顔を歪めていた。
右腕に付けられたブレスレットだ。
コレが「ベキベキ」と音を立て、ひび割れているのだ。
何故か熱を持つそのブレス。
そして、肩から肘から手首から・・・果ては胡坐を組んでいる右足からも
何かに引っかかれ続けるような痛みが襲う。
『もうダメだ。すぐに止めてもらおう。』そう思った時だ。
「力を抜いて!早く!」
X氏の叫びにも近い声が耳に入って来た。
ふと我に返る・・・。
お祓いはとっくに終わり
X氏は、私の合わせた両手を無理やりに開こうとしていたのだ。
我に返った所で、両手は開いたが・・・
「ダメだ、こりゃ。失敗だ。・・・近い内にもう一度やるよ。」
そう言い残し、彼は別の作業へと移っていった。
後ほど分かった事だが
お祓い中、両手を合わせる行為は、ある種
除霊の目安になるそうだ。
と言うのも、お祓いの中
合わせたその両手が、除霊と共に勝手に開いていくそうだ。
まるで、内側から何かが抜けていくように
何かを挟んでいたのか?と言わんばかりに・・・。
お祓いの際、両手に力が入り是が非でも両手が離れない。そんな場合は失敗なのだそうだ。
私は、激痛に耐える事で
知らず知らずの内に全身が硬直。
お祓いが終わっても、意識は戻らず
X氏が意識を引き戻す為、両手を引き離そうとしていたそうだが
暫くの間、戻ってこなかったそうだ・・・。
・・・体感では20分程だったその一連の流れだが
実際は1時間半以上の時を費やしていたそうだ・・・。
直ぐに奥の部屋へと戻る。
再び姿を現した彼の手には、小さな巾着があった。
「ソレ、直ぐに交換して。こっちに寄越して。」
彼が巾着から取り出したのは新しいブレスレットだった。
指示に従い、自分の手首に視線を落とした時
・・・ギョッとしたものだ。
たった一日。
その一日で、ブレスレットに使われていた水晶の珠すべてに
ヒビが入っていたのだ。
「はぁ!?・・・何で・・・。」
思わず声が出た。
X氏が言うには
私に憑いた者が表に出かかっている事、そして
その者が水晶に取り込まれまいと抵抗している事を説明された。
直ぐに、ヒビの入ったブレスを彼に渡そうとしたが
「ソコにおいて!」
彼は間髪入れずに、隣の机を指さした。
机の上には小さなお盆が用意され、その上に乗せる様、指示を受けた。
「末ちゃん(末長さん)、後の処理はよろしく。」
X氏は、私の腕を強引に引っ張りつつ、奥の部屋に移動した。
「思ったより、早いし・・・強い。このままじゃダメだ。すぐお祓いだわ。」
そう言うと、新しいブレスを私の腕に二つ付け
お祓いの準備に取り掛かった。
その際、注意事項として二点の説明を受けたのだ。
一つ、お祓い中は手を合わせたまま脱力する事。
二つ、何が有っても最後まで席を発たない事。
お祓いが始まって10分。
最初は何も起きないではないか。と安堵していた私だが
X氏の唱えるお経の中に、奇妙な物音を聞き始めた。
『何だ?何処からだ?』と意識を集中させていたが
今回は直ぐに音の出所がつかめず、さらに10分程が経過した。
漸く、音の出所が分かる様に鳴った時
私は、激痛に顔を歪めていた。
右腕に付けられたブレスレットだ。
コレが「ベキベキ」と音を立て、ひび割れているのだ。
何故か熱を持つそのブレス。
そして、肩から肘から手首から・・・果ては胡坐を組んでいる右足からも
何かに引っかかれ続けるような痛みが襲う。
『もうダメだ。すぐに止めてもらおう。』そう思った時だ。
「力を抜いて!早く!」
X氏の叫びにも近い声が耳に入って来た。
ふと我に返る・・・。
お祓いはとっくに終わり
X氏は、私の合わせた両手を無理やりに開こうとしていたのだ。
我に返った所で、両手は開いたが・・・
「ダメだ、こりゃ。失敗だ。・・・近い内にもう一度やるよ。」
そう言い残し、彼は別の作業へと移っていった。
後ほど分かった事だが
お祓い中、両手を合わせる行為は、ある種
除霊の目安になるそうだ。
と言うのも、お祓いの中
合わせたその両手が、除霊と共に勝手に開いていくそうだ。
まるで、内側から何かが抜けていくように
何かを挟んでいたのか?と言わんばかりに・・・。
お祓いの際、両手に力が入り是が非でも両手が離れない。そんな場合は失敗なのだそうだ。
私は、激痛に耐える事で
知らず知らずの内に全身が硬直。
お祓いが終わっても、意識は戻らず
X氏が意識を引き戻す為、両手を引き離そうとしていたそうだが
暫くの間、戻ってこなかったそうだ・・・。
・・・体感では20分程だったその一連の流れだが
実際は1時間半以上の時を費やしていたそうだ・・・。
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