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筆者(メカ)の経験談。
歪んだ家 その1
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今回のお話は、私の小学生時代の友人「広樹(仮名)」と経験した話である。
広樹の家は、はっきりいって「金持ち」の部類であった。
彼の自宅は3階建ての一軒家。
更に、自宅の敷地にはコンビニを抱え、いわば「地主の子」だったのだ。
そんな彼は大らかに育てられ、絵に描いた「ボンボン」そのものだった。
学校に来れば、やんちゃ坊主にイジメられ、それでもクラスメートが好きだ。と
欠かさず学校に来る。
私も、そんな彼が好きで
良くイジメから彼を庇ったものだ・・・。
彼とは家を行き来する仲で
この季節、よく虫取りに一緒に出掛けたものだ。
・・・私が27歳の時、彼の両親が亡くなっていた事を知る。
最悪だったのは、彼も両親の死を知らずに居た事だった。
彼は、新卒以降
就職活動に躓き、引きこもりとなった。
そんな彼を見兼ね、彼の両親は「自衛隊」への入隊を勝手に決めてしまった。
彼は半ば強制的に、基地へと連れて行かれた・・・。
だが、私が彼と再会したのは22歳の時であるが
その時には既に、立派な自衛官の一人であった。
そんなある日の事だ。皆さんも記憶に新しいだろう。
2021年2月・・・福島沖で起こった地震。
彼は、その支援の為に、福島に派遣されていた。
・・・その折、彼の両親は病気と事故により相次いで亡くなってしまった。
彼が任務を果たし、実家に帰省した時には既に・・・葬儀から何まで済んでしまっていた。
その日、彼が実家に帰省する事を連絡で知り、駆けつけた。
忘れもしない。
彼の悲壮に満ちた顔を。
見知らぬ誰かを救っている内に、もっとも愛する家族が2人一遍に亡くなってしまった悲劇。
自宅に並ぶ二枚の遺影を前に、彼は崩れ落ちた。
どんなに無念であったことだろうか・・・。
暫くの間、我々はそのリビングで呆然としていたものだ。
真顔のまま・・・涙する彼を眺めている事しか出来なかった・・・。
その時だ・・・。彼が言う。
「遺品・・・整理しなきゃ。俺直ぐにまた仕事だからさ・・・。」
「・・・手伝うよ。広樹。」
その日の晩まで、整理は続いた。
だが・・・。我々を大いに悩ませた事が一つ・・・。
それは、彼の実家にある「3階」だ。
昔から、彼の家で遊んでいた私だが・・・その3階へは足を踏み入れた事がないのだ。
・・・何故なら、3階へ続く階段の前には、扉が設けられ
厳重に鍵までかかっている始末。
広樹も
「小さい時から、3階には入るなと言われていた・・・。」と言うのだ。
だが、その理由については広樹本人も知らなかった。
我々は、その3階へ入るべきかどうか・・・小一時間悩む事となったのだ。
広樹の家は、はっきりいって「金持ち」の部類であった。
彼の自宅は3階建ての一軒家。
更に、自宅の敷地にはコンビニを抱え、いわば「地主の子」だったのだ。
そんな彼は大らかに育てられ、絵に描いた「ボンボン」そのものだった。
学校に来れば、やんちゃ坊主にイジメられ、それでもクラスメートが好きだ。と
欠かさず学校に来る。
私も、そんな彼が好きで
良くイジメから彼を庇ったものだ・・・。
彼とは家を行き来する仲で
この季節、よく虫取りに一緒に出掛けたものだ。
・・・私が27歳の時、彼の両親が亡くなっていた事を知る。
最悪だったのは、彼も両親の死を知らずに居た事だった。
彼は、新卒以降
就職活動に躓き、引きこもりとなった。
そんな彼を見兼ね、彼の両親は「自衛隊」への入隊を勝手に決めてしまった。
彼は半ば強制的に、基地へと連れて行かれた・・・。
だが、私が彼と再会したのは22歳の時であるが
その時には既に、立派な自衛官の一人であった。
そんなある日の事だ。皆さんも記憶に新しいだろう。
2021年2月・・・福島沖で起こった地震。
彼は、その支援の為に、福島に派遣されていた。
・・・その折、彼の両親は病気と事故により相次いで亡くなってしまった。
彼が任務を果たし、実家に帰省した時には既に・・・葬儀から何まで済んでしまっていた。
その日、彼が実家に帰省する事を連絡で知り、駆けつけた。
忘れもしない。
彼の悲壮に満ちた顔を。
見知らぬ誰かを救っている内に、もっとも愛する家族が2人一遍に亡くなってしまった悲劇。
自宅に並ぶ二枚の遺影を前に、彼は崩れ落ちた。
どんなに無念であったことだろうか・・・。
暫くの間、我々はそのリビングで呆然としていたものだ。
真顔のまま・・・涙する彼を眺めている事しか出来なかった・・・。
その時だ・・・。彼が言う。
「遺品・・・整理しなきゃ。俺直ぐにまた仕事だからさ・・・。」
「・・・手伝うよ。広樹。」
その日の晩まで、整理は続いた。
だが・・・。我々を大いに悩ませた事が一つ・・・。
それは、彼の実家にある「3階」だ。
昔から、彼の家で遊んでいた私だが・・・その3階へは足を踏み入れた事がないのだ。
・・・何故なら、3階へ続く階段の前には、扉が設けられ
厳重に鍵までかかっている始末。
広樹も
「小さい時から、3階には入るなと言われていた・・・。」と言うのだ。
だが、その理由については広樹本人も知らなかった。
我々は、その3階へ入るべきかどうか・・・小一時間悩む事となったのだ。
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