骸行進

霊視鑑定人X氏による鑑定など。

ゲシュタルト崩壊実験 ２ 考察

前回お話した、「ゲシュタルト崩壊実験　２」。
私が推察するに、彼等をどん底まで叩き落した要因は二つあると思っています。

一つ
彼等は、廃トンネルを利用していた。

二つ
ただ往復するだけでなく、より実験味を持たせる為に「水」を用意した事。

察しの良い方ならお気付きかも知れませんが
彼等が行ったこの実験の条件は、周囲の霊を呼びやすいものだ。

「水辺に霊が寄る」というのは最早、ホラー好きなら誰でも知っている知識であろう。
そして、その水を携え、暗闇のトンネルを何往復も、何日もかけて実験を行った。

仮に、その廃トンネルが・・・「化けトン」だったら？

もはや実験うんぬんの前に、相当危険な試みである。

そう。
私は、彼らの異変を「実験の成果」だとは捉えていない。
だが、なまじ成功例のある実験科目ゆえ
「実験の結果だ。」と言ってしまった方が「科学的」にも説明が付く。

では、ここで「科学サイド」から見てみよう。

状況は、前述した通り
・廃トンネルで
・コップ一杯の水を持ち（なるべく零さない様）
・何往復か行う

お分かりいただけるだろうか？
この実験、実は物凄いストレス指数を叩き出す事だろう。

廃トンネルで・・・
即ち、「暗所で」しかも「閉鎖的な空間で」
彼等は
コップの水を持ち
「零すのＮG」
往復するのだ。

そもそも、暗闇の中歩く事自体、平衡感覚は麻痺しやすいものだ。
そんな中、水を「極力」とはいえ「零すな。」ということは酷な話である。

しかも、それをメンバー皆で「何時間も掛けて」「何日も行った」

私なら1週間ほどで「飽きる」だろう。

結果、彼等は短期間で膨大なストレスを抱えたに違いない。
一人の異変をきっかけに「集団パニック」を起こしたとしても不思議ではない。
そして・・・一人、また一人と・・・「壊れていった」のだろう。

一方で「心霊サイド」から見れば
恐らく、その廃トンネルは有名な心霊スポットだったのだろう。
そんな中で、至って真面目とは言え
霊を呼び寄せる・・・文字通り「呼び水」をしてしまった。
そして、長時間同じ場に留まったが故に、「確実に」憑りつかれてしまったのだろう。
この場合、「壊れた」ではなく「壊された」というニュアンスが正しいかもしれない。

普通に考えれば
「科学サイド」の意見の方が筋も通るし、私も大方その方向性で見ている。
しかし、そうなると一個だけ腑に落ちない点があるのだ・・・。

それはPTSDを発症したという学生が書いたレポートだ。
私は覚えている。
初期段階では、きっちりとまとめられていたレポートが
時を経るに連れ、幼児が書き殴ったお絵描きのような様に変貌していた事を。

この点についてだけは
「心霊サイド」の「何か」が関係しているのではないだろうかと・・・考えている。