骸行進

メカ

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長編特集

キャンプ 5 「発見」

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地下室を探す為、増田の後に続く一行だが・・・。

皆さんには先に、この話の結末をお聞きいただこう。

我々は、地下室を探す中で、遺体の一部を発見する事になったのだ。

それは、受付らしきカウンターに戻った時に起きた。

「アレだよ。」

増田の指さす方向には
確かに、下へと続く階段があったのだ。
では、なぜ他のメンバーが発見できなかったのか。
それは、学校の職員室などでよく使われている
スチール製の飾り棚が倒れ、階段の入り口を見事に塞いでいたからだ。

この階段を見つけた時
私はメンバーに、一度引き下がる事を提案した。

そもそも、建物の案内図にも記されていない様な代物だ。
その上で、その階段に「今まで以上の恐怖」を覚えたからである。

とは言っても、その恐怖の度合いは
何てことないごく普通の「うわぁ雰囲気出てるね。」くらいの物で
押し殺してしまえばどうという事のないレベルの物だった。

しかし、私はその「何てことない恐怖」の中に
「言い表せない違和感」を覚えたのだ。

だが・・・ひとしきりの盛り上がりを見せていたメンバー達は
水臭い事を言うなといわんばかりに飾り棚に手を掛け、動かそうとしていた。

そうこうして、約5分ほど。
棚を撤去した我々の眼前には、暗黒へと誘う下り階段が現れた。
しかも、その階段は
重機などを使っていない、まるで人力で掘って進んだかのような石段だったのだ。

あまりにも不釣り合いなその階段に
私は一層恐怖を覚えた。

階段を下りた先
増田は、ある一点にライトを照らす。

「ほら、アレ。」

ソコにあったのは、人体の一部だ。

皆、自身の目を疑っている。
作り物だろう?そうでなければおかしいじゃないか。
一様にそのような表情の中
増田は語り出す。

「実はさ、この心霊スポット。過去にこういう事件があったみたいでさ・・・。」

「な、なんでそれを先にいわねぇんだよ!」

「そっちの方が盛り上がるかなぁ。って・・・だからここを選んだのに。お前らの仕業だろ?」

胸倉を掴む友人Bに、増田は気にする様子もなく続けた。

そんな事を知ったのは今が初めてだ。
そうすり合わせた途端に、その場の空気が・・・温度が一気に冷え込んだように思った。

「と、とにかく・・・警察・・・。」

最早トランプ探し処ではない。
一度、車へ退避した我々は、警察の到着を静かに待つのであった。

・・・これが、この話の全貌であるのだが・・・。

皆さんは、ある矛盾に気付いただろうか・・・。
まだ気付いていない。そういう方の為に
この話の矛盾点については
次回、私の体験談にて、お話します・・・。
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