骸行進

メカ

文字の大きさ
上 下
279 / 336
長編特集

キャンプ 5 「発見」

しおりを挟む
地下室を探す為、増田の後に続く一行だが・・・。

皆さんには先に、この話の結末をお聞きいただこう。

我々は、地下室を探す中で、遺体の一部を発見する事になったのだ。

それは、受付らしきカウンターに戻った時に起きた。

「アレだよ。」

増田の指さす方向には
確かに、下へと続く階段があったのだ。
では、なぜ他のメンバーが発見できなかったのか。
それは、学校の職員室などでよく使われている
スチール製の飾り棚が倒れ、階段の入り口を見事に塞いでいたからだ。

この階段を見つけた時
私はメンバーに、一度引き下がる事を提案した。

そもそも、建物の案内図にも記されていない様な代物だ。
その上で、その階段に「今まで以上の恐怖」を覚えたからである。

とは言っても、その恐怖の度合いは
何てことないごく普通の「うわぁ雰囲気出てるね。」くらいの物で
押し殺してしまえばどうという事のないレベルの物だった。

しかし、私はその「何てことない恐怖」の中に
「言い表せない違和感」を覚えたのだ。

だが・・・ひとしきりの盛り上がりを見せていたメンバー達は
水臭い事を言うなといわんばかりに飾り棚に手を掛け、動かそうとしていた。

そうこうして、約5分ほど。
棚を撤去した我々の眼前には、暗黒へと誘う下り階段が現れた。
しかも、その階段は
重機などを使っていない、まるで人力で掘って進んだかのような石段だったのだ。

あまりにも不釣り合いなその階段に
私は一層恐怖を覚えた。

階段を下りた先
増田は、ある一点にライトを照らす。

「ほら、アレ。」

ソコにあったのは、人体の一部だ。

皆、自身の目を疑っている。
作り物だろう?そうでなければおかしいじゃないか。
一様にそのような表情の中
増田は語り出す。

「実はさ、この心霊スポット。過去にこういう事件があったみたいでさ・・・。」

「な、なんでそれを先にいわねぇんだよ!」

「そっちの方が盛り上がるかなぁ。って・・・だからここを選んだのに。お前らの仕業だろ?」

胸倉を掴む友人Bに、増田は気にする様子もなく続けた。

そんな事を知ったのは今が初めてだ。
そうすり合わせた途端に、その場の空気が・・・温度が一気に冷え込んだように思った。

「と、とにかく・・・警察・・・。」

最早トランプ探し処ではない。
一度、車へ退避した我々は、警察の到着を静かに待つのであった。

・・・これが、この話の全貌であるのだが・・・。

皆さんは、ある矛盾に気付いただろうか・・・。
まだ気付いていない。そういう方の為に
この話の矛盾点については
次回、私の体験談にて、お話します・・・。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

B型の、B型による、B型に困っている人の為の説明書

メカ
エッセイ・ノンフィクション
「あいつB型っしょ、まじ分からん。」 「やっぱ!?B型でしょ?だと思った。」 「あぁ~、B型ね。」 いやいや、ちょっと待ってくださいよ。 何でもB型で片付けるなよ!? だが、あえて言おう!B型であると!!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結済】ダークサイドストーリー〜4つの物語〜

野花マリオ
ホラー
この4つの物語は4つの連なる視点があるホラーストーリーです。 内容は不条理モノですがオムニバス形式でありどの物語から読んでも大丈夫です。この物語が読むと読者が取り憑かれて繰り返し読んでいる恐怖を導かれるように……

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

処理中です...