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警官の友人「荻野(仮名)」の話
襖
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今回のお話は冒頭より「荻野の目線」にてお伝えします。
そして、最後にその相談を受けた私の「個人的な見解」を挟ませてもらいます。
これは、ある年に起きた怪事件である。
その日、中年の女性から一本の通報が入った。
「近所から異臭がする。調べて欲しい。」
状況を確認する為、数名の警官が派遣された。
間もなく、異臭の発生源となっていた一軒家を見つけた。
庭付きの平屋建て。バリアフリーも施されていた事から
住人は、老人だろう。と推測が立った。
状況から察するに、ゴミ屋敷か?と警官たちの間で話が出た。
しかし、その家から出てきたのは、大量のゴミではない。
一体の腐乱死体だ。
亡くなってから相当の時間が経過したのか、一見して性別などすら判別がつかなかった。
更に、警官たちを悩ませたのは、家中の至る所に設置された盛り塩と
あらゆる襖をガムテープや御札といった物で封鎖してあった事だ。
玄関からリビングへの通路は確保されていたが、その他の殆どの襖が
通行不可能な状態だった。
極め付けは、リビングに置かれた簡易トイレだ。
その光景が、家の異常性を物語っている。
聞けば、その住民は数年前から様子が変わったのだという。
聞き込み調査やDNA鑑定により、その腐乱死体が家の住人である男性だと判明した。
その男性は、60代後半だったそうだ。
当初は夫婦で住んでいたそうだが、異変が起き始めた頃に、妻が亡くなった。
というよりも、妻が亡くなった事でその男性に異変が起きたそうだ。
あるサラリーマンの証言
「仕事帰り、夜の10時過ぎだったかな。1人で田んぼ道を歩いているのを目撃した。」
ある主婦の証言
「お昼前だったかしら、公園のベンチで座っているのを見た事がある。」
何気ない日常の証言だ。
だが、その光景も暫くすると、ぱったりと目撃しなくなったそうだ。
だが・・・。
その後に出た証言によって、この出来事は更なる闇を生むことになった。
男性のパチンコ仲間だったと話す男から出た証言だ。
「家に居ると嫁さんに怒られる。ってんで家に居たくなかったそうだ。
とにかく、家に居るのが怖いって言ってたなぁ。」
だが、その発言を聞いたのは「妻が亡くなった後」の事だったそうだ。
そして・・・警察などが現場検証の為に封鎖された襖を開け
家中を調べた結果・・・。
全ての個室から、何かしらの生き物の死骸が出て来た。
トイレには虫が
風呂場には犬なのか猫なのか分からなくなった生き物が
キッチンには狸が
・・・そして、寝室には
「人」が亡くなっていた。
この事件の後、私は友人(筆者)に連絡を取った。
(以下、私的見解となります)
恐らく、妻が亡くなった事によって
夫は既に精神崩壊していたのだろう。
その状態で、幻聴などを聞いて居たのではないか?と推測する。
それに追いつめられた夫は
生き物を供物(生贄)とする儀式を行ってしまった・・・。
結果、妻は悪霊化したと思われる。
霊障に悩まされるようになった夫は生贄ごと各個室を封印したのだろう。
それでも、現象は収まらず
外を歩き回り時間を潰す。という策に出た。
しかし、ある日何らかの変化があり、亡くなったのだろう。
生贄については
虫→狸→犬か猫→人の順に行い
その「人」の亡骸を「妻の肉体」にするつもりだったのではないか?と推測する。
この「人の亡骸」については
正直な所、未だに身元が分かっていないそうだ・・・。
そして、最後にその相談を受けた私の「個人的な見解」を挟ませてもらいます。
これは、ある年に起きた怪事件である。
その日、中年の女性から一本の通報が入った。
「近所から異臭がする。調べて欲しい。」
状況を確認する為、数名の警官が派遣された。
間もなく、異臭の発生源となっていた一軒家を見つけた。
庭付きの平屋建て。バリアフリーも施されていた事から
住人は、老人だろう。と推測が立った。
状況から察するに、ゴミ屋敷か?と警官たちの間で話が出た。
しかし、その家から出てきたのは、大量のゴミではない。
一体の腐乱死体だ。
亡くなってから相当の時間が経過したのか、一見して性別などすら判別がつかなかった。
更に、警官たちを悩ませたのは、家中の至る所に設置された盛り塩と
あらゆる襖をガムテープや御札といった物で封鎖してあった事だ。
玄関からリビングへの通路は確保されていたが、その他の殆どの襖が
通行不可能な状態だった。
極め付けは、リビングに置かれた簡易トイレだ。
その光景が、家の異常性を物語っている。
聞けば、その住民は数年前から様子が変わったのだという。
聞き込み調査やDNA鑑定により、その腐乱死体が家の住人である男性だと判明した。
その男性は、60代後半だったそうだ。
当初は夫婦で住んでいたそうだが、異変が起き始めた頃に、妻が亡くなった。
というよりも、妻が亡くなった事でその男性に異変が起きたそうだ。
あるサラリーマンの証言
「仕事帰り、夜の10時過ぎだったかな。1人で田んぼ道を歩いているのを目撃した。」
ある主婦の証言
「お昼前だったかしら、公園のベンチで座っているのを見た事がある。」
何気ない日常の証言だ。
だが、その光景も暫くすると、ぱったりと目撃しなくなったそうだ。
だが・・・。
その後に出た証言によって、この出来事は更なる闇を生むことになった。
男性のパチンコ仲間だったと話す男から出た証言だ。
「家に居ると嫁さんに怒られる。ってんで家に居たくなかったそうだ。
とにかく、家に居るのが怖いって言ってたなぁ。」
だが、その発言を聞いたのは「妻が亡くなった後」の事だったそうだ。
そして・・・警察などが現場検証の為に封鎖された襖を開け
家中を調べた結果・・・。
全ての個室から、何かしらの生き物の死骸が出て来た。
トイレには虫が
風呂場には犬なのか猫なのか分からなくなった生き物が
キッチンには狸が
・・・そして、寝室には
「人」が亡くなっていた。
この事件の後、私は友人(筆者)に連絡を取った。
(以下、私的見解となります)
恐らく、妻が亡くなった事によって
夫は既に精神崩壊していたのだろう。
その状態で、幻聴などを聞いて居たのではないか?と推測する。
それに追いつめられた夫は
生き物を供物(生贄)とする儀式を行ってしまった・・・。
結果、妻は悪霊化したと思われる。
霊障に悩まされるようになった夫は生贄ごと各個室を封印したのだろう。
それでも、現象は収まらず
外を歩き回り時間を潰す。という策に出た。
しかし、ある日何らかの変化があり、亡くなったのだろう。
生贄については
虫→狸→犬か猫→人の順に行い
その「人」の亡骸を「妻の肉体」にするつもりだったのではないか?と推測する。
この「人の亡骸」については
正直な所、未だに身元が分かっていないそうだ・・・。
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