骸行進

メカ

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呪物

呪物

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今回の話は、ごく最近まで私も関わっていた
いわゆる「呪物(呪われた品)」の話である。

この話は、X氏より、逆輸入(相談)によって持ち込まれた話だ。

「見た者、触れた者によって(呪物に対する)感じ方が違う。」のだそうだ。

そして、その呪物というのが・・・「短刀」である。

相談者曰く
その短刀は祖父が戦時中に所持していた物だったそうだ。
その祖父の証言により
「短刀は一度も使った事がない物である。」ということが分かっていたそうだ。

その後、祖父が亡くなり
遺品整理の際、出てきたのがその短刀であったそうだ。

依頼者は、遺品とはいえ危険物であるソレを、骨董品として売りに出した。

その3日後、骨董店は火災によって全焼した。

店主によって幾つかの品が外へ持ち出されたそうだが
その中に、短刀もあったそうだ。

その後、短刀は資料館(らしき場)に展示される事になったそうだが
短刀のショーケースだけ、ヒビが入るそうだ。

結果、その資料館でも扱う事が難しいと判断され、巡り巡って
その短刀は元の持ち主である相談者の家に戻って来たそうだ。

それ以降、その短刀を見る者によっては
「さっさと処分した方が良い」だの「守り神のような感じがする」だの
意見は様々出たそうだ。

挙句、その短刀は
その家の息子(9歳)が抱きかかえる様にして遊び、誰も居ない方角へ向かい
話しかける様な仕草まで見せるようになったそうだ。
それを見た両親も、息子を問い正したそうだが
息子はその時の記憶がなかったそうだ。

短刀を不気味に思った母親から、X氏に相談が持ち掛けられたのだが・・・。
その短刀を見たX氏は、急に頭痛と鼻血に襲われたそうだ。

「呪物を直視できない。・・・代わりに、意見を聞かせて欲しい。」

そうして、私の元に呪物の写真が転送されてきたのだ。

だが、私は霊媒師でもなければ特別な修行をした訳でもない。
ただ、声が聞こえるだけの一般人である。

写真だけ見て「こうですね。」とは言えないわけだ・・・。

仮に、その短刀に確かな念が込められていて
その念が誰彼構わず声を掛けてくるような者であれば
私にも何かしら聞こえたかもしれない。

しかし、写真をみた私は「何も感じなかった。」

最初こそ、私の意見を聞いたX氏が驚いていた様だが
その事から、X氏は「直接関わらなければ害はないのか?」と仮説を立てた。

結果として、家族と相談をした後
その短刀は
X氏の元に預けられる事となり
短刀に対し、結界を施し今尚、お祓いの最中にあるそうだ。
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